つくば市が目指すインターネット投票
はじめに
つくば市は、国からスーパーシティ型国家戦略特区に指定され、先端的な技術と規制改革、データ連携によって社会課題を解決し、「まるごと未来都市」の実現を目指しています。 その取組の一つが公職選挙でのインターネット投票の実現です。
暮らし方が多様になる中で、「投票に行きたくても行けない」という方が少なくありません。市は、マイナンバーカードを使った確実な本人確認と、誰もが使いやすい投票画面を組み合わせ、安全で使いやすいインターネット投票の実現を目指しています。
なぜインターネット投票実現を目指すのか
現状と課題
2020年のつくば市長選挙および市議会議員選挙において、投票率が過去最低となりました。特に若い世代と80代以上の投票率が低く、その背景には「投票を手間に感じること」や「投票したいけれど外出が困難」といった事情があります。
中には、体の不自由さや育児・介護などのため、やむを得ず投票を断念する有権者もいます。インターネット投票は、こうした方々の「困った」を解決できます。

さまざまな方の「困った」を解決
➀:手の麻痺による筆記障害があるため、投票用紙に自書で記入できない。
→スマートフォンであればタップのみで投票が行えます。
②:代理投票は、代筆者に内容を伝える必要があり心理的抵抗がある。また、口頭で伝える場合には周りに聞こえてしまう心配もある。
→自身で投票を完結できるため、投票の秘密が失われません。
③:投票所で配慮を受けるにあたって、手間を取らせてしまうことや会場の列を乱してしまうこと等が心理的な負担となる。
→投票所に出向く必要がないため、配慮を受ける際の心理的負担が生じません。
④:墨字が読めなくなってきたが、点字を読むのは慣れておらず時間を要する。投票行為自体だけでなく、選挙公報等の情報把握も困難。
→スクリーンリーダー(音声読み上げ)機能により、分厚い点字の冊子をめくるより効率が良く投票が行えます。
⑤:郵便投票は、障害者手帳等の原本を添えて事前申請が必要。その後ようやく投票用紙が届き、投票用紙を郵送するので非常に手間がかかる。
→面倒な手続きなくスマートフォンひとつで投票が行えます。
⑥:自宅から投票所まで行くのが大変。
→いつでもどこでも投票が行えます。
インターネット投票の仕組み
システム構成
➀投票機能
有権者は、スマートフォンなどから安全・確実に投票できます。マイナンバーカードによる厳格な本人確認により「なりすまし」等の不正を防ぐとともに、どなたでも使いやすい投票画面を提供します。
1.本人確認
投票の際、マイナンバーカードを利用して、選挙人(投票する権利を有する人。以下同じ)の本人確認を行うことができます。
2.投票先の選択
画面に表示された候補者の中から投票先を選択し投票します。投票画面は、高齢の方や障がいのある方を含め、誰もが使いやすいバリアフリーな設計としています。
3.不正の防止
投票期間中は、不正なアクセスや不審な投票がないかを常に監視しており、検出することができます。
②集計機能
投票が終わると、集まった投票を開票・集計します。
1.改ざんの防止
誰も投票データは書き換えることはできません。
2.投票の秘密の確保
「誰が投票したか」と「誰に投票したか」は切り離して保存します。開票・集計は選挙事務を行う職員のうち限られた担当者だけが行います。
3.事後の検証
集計結果に疑問が生じた場合には、記録(ログ)を解析して、後から正しさを検証することができます。
③管理機能
選挙の管理を担う職員は、選挙が厳正に行われるよう、投票の準備から終了までを管理します。また、住民投票や模擬投票など、多様な選挙プロジェクトの設定・編集を円滑に行うことができます。
1.投票状況の確認
投票受付期間中に投票した選挙人の数(受付数)を確認することができます。
2.投票画面の作成・編集
定型のデザインの中で、候補者情報などの表示内容や投票期間の設定をすることができます。
3.様々な投票への対応
複数のプロジェクト(議会議員選挙や住民投票、各種イベント投票等、種類の異なる選挙の単位。以下同じ)を作成し、公開・非公開の切り替えを行うことができます。
投票画面

これまでの歩みと実証実績

2024(令和6)年度実績
市の様々な案件について、インターネット投票を通じて、システムの信頼性と使い勝手を向上させるとともに、有権者が実際に体験することで、インターネット投票の利便性や可能性を考える機会を提供し、マイナンバーカードのみで投票できるようにし、市民対象に3回の投票を実施しました。
第1回 映えスポット投票
概要:つくば市の美しい風景や街並みの写真における人気投票
結果:146票
映えスポット投稿から投票まで一連の企画として実施し、より市民に親しみやすく事業を提供することができた。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/seisakuinnovationbudigitalseisakuka/gyomuannai/1/21794.html
第2回 つくば市長(2期目)行政運営
概要:行政運営の実績を市民が点数で評価
※平均点を退職金に反映
結果:1,048票
市民が市政を評価する手段としてインターネット投票を活用し、その結果と退職金算定を連動させる斬新な取組となった。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/seisakuinnovationbudigitalseisakuka/gyomuannai/1/22223.html
第3回 『最も実現してほしい』サービスに関する市民ニーズ調査
概要:行政サービス、モビリティ、ヘルスケアの3分野に対する市民ニーズ調査
結果:3分野合計1,418票
※内訳(行政サービス559票・モビリティ442票・ヘルスケア417票)
広く市民にスーパーシティに関するニーズ調査を行い、実証から実装に向けた有用な結果を得ることができた。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/seisakuinnovationbudigitalseisakuka/gyomuannai/1/23589.html
2025(令和7)年度実績
マイナポータルアプリによる個人認証に対応できるようシステムを改修し、PCからも投票できるようにしたうえで、市民に限定せず、どなたでも参加できる形式で3回の投票を実施しました。
詳細は以下から御確認ください。
https://tsukuba2022.onlinevoting.jp/?p=80
今後の展開
2026年度は、より実際の選挙制度に即した実践的な模擬投票を行えるよう、「選挙人の事前登録」を可能にするシステム改修を実施し、さらなる使い勝手の向上を図ります。
【2026年】
第1回 自動運転バスデザイン人気投票
概要: 市内を走行予定の自動運転バスのラッピングデザインを決める市民投票
状況: 投票は終了。10月2日に運行を開始した自動運転バスのデザインに採用。
関連リンク:
第2回 市制40周年記念ロゴマーク選定投票(投票期間:11月2日~11日)
概要: 市制施行40周年のシンボルとなるロゴマークのデザインを決める市民投票
関連リンク:
よくある質問
■1.安全性・セキュリティに関する質問
Q1-1. インターネット投票は、ハッキング(サイバー攻撃)やデータの改ざんの心配はないか?
→セキュリティが担保された暗号化技術と、改ざんの検知・対策が可能な「ブロックチェーン」技術などを組み合わせることで、強固なセキュリティを確保しています。
つくば市が実施するシステム検証では、通信経路やすべての投票データを高度に暗号化しています。また、一度記録されたデータを後から書き換えることが事実上不可能な「ブロックチェーン」技術を導入し、不正や改ざんを徹底的に防ぐ対策を行っています。
Q1-2. 投票の秘密は守られるのか?
→「誰が投票したか(本人確認)」の情報と、「誰に投票したか(投票内容)」の情報は、完全に切り離して別々に管理されるため、誰にも知られることはありません。
「投票したという事実(本人確認データ)」と、「投票の中身(投票データ)」を暗号化して切り離すことで二重投票を防いでいます。これにより、システム管理者や市職員であっても、誰が誰に投票したかを特定することは絶対にできない仕組みになっています。
Q1-3. 「なりすまし」や「誰かに無理やり投票させられる(投票強要)」などの不正は防げるか?
→マイナンバーカードによる厳格な本人確認に加え、何度でも「書き換え投票」ができる仕組みなどで対策を講じています。
投票時には、マイナンバーカードを用いた厳格な公的個人認証を行い、本人以外の「なりすまし」を防ぎます。
また、他人に脅されて不本意な投票をさせられる「投票強要」への対策として、実証実験では「期間中であれば何度でも投票を上書きでき、最後に投票した内容だけが有効になる仕組み」等を検証しています。これにより、強要された後に改めて投票し直すことで、自身の本当の意思を守ることができます。
■2.操作・手続きに関する質問
Q2-4. マイナンバーカードやスマートフォンを持っていない人は、投票できなくなるのか?
→いいえ。インターネット投票が導入されても、従来の「紙での投票(投票所での投票)」はこれまで通り残すことを想定しています。
インターネット投票は、紙の投票を廃止するものではなく、「新しい投票の選択肢を増やすもの」です。スマートフォンをお持ちでない方や、これまで通り投票所で投票したい方は、従来の投票所(期日前投票所・当日投票所)で投票することができるようにしたいと考えています。
Q2-5. スマートフォンやパソコンの操作が苦手ですが、簡単に使えるか?
→お子様からご高齢の方まで、誰でも直感的に操作できるデザイン(アクセシビリティ)を追求しています。
これまでの実証実験でも、視覚的に分かりやすいデザインや、画面の音声読み上げ機能、文字サイズ変更機能などを取り入れ、すべての人が迷わず投票できる画面を検証してきました。また、導入時には操作方法を説明する丁寧なガイド動画の公開や、体験ブースの設置なども検討し、誰もが安心して利用できる環境づくりを進めます。
■3.制度・その他に関する質問
Q3-1. なぜ公職選挙(市長選挙や国政選挙など)で、すぐにインターネット投票を導入しないのか?
→現在の国の法律(公職選挙法)では、インターネットによる投票が認められていないためです。
実際の選挙(公職選挙)でインターネット投票を行うためには、制度改正が必要です。つくば市では、まずは技術検証や市民の皆様を対象とした模擬投票などの「実績」を積み重ねています。その成果をもとに、国に対して法改正や特例措置の適用を働きかけています。
関連資料
令和4年度 関係省庁等からのヒアリング/提案に関するヒアリング
(令和4年11月21日)公職選挙におけるインターネット投票の実施
令和4年度 先端的サービスの開発・構築等に関する調査事業報告書(概要版)
(令和5年5月)公職選挙におけるインターネット投票の実現に向けた技術的検証
デジタル行財政改革 課題発掘対話(第5回)
(令和6年2月15日)つくば市が目指すインターネット投票について
インターネット投票について(内閣府調査事業/スパイラル株式会社)
つくば市長選・市議選へのインターネット投票導入を目指して
この記事に関するお問い合わせ先
政策イノベーション部 デジタル政策課
〒305-8555 つくば市研究学園一丁目1番地1
電話:029-883-1111(代表) ファクス:029-868-7530
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更新日:2026年10月20日