市長3期目の市政運営の所信(音声読み上げ用ページ)

更新日:2024年12月06日

ページID: 22758

市長3期目の市政運営の所信

  令和6年第2回つくば市議会定例会12月定例会議の開会に当たり、つくば市長としての3期目の市政運営に対する所信を申し上げます。

市長就任から2期8年が経ちました。その間、誰もが安心して、喜びを持って住み続けられるまちになることを目指し、誰一人取り残さない市政に転換していくとともに、つくばの潜在的な力を具体的な形にしていくことに注力してきました。

徹底した行政改革、安心の子育て・教育、頼れる福祉、便利なインフラ、活気ある地域、誇れるまちの6つの柱を軸に、様々な課題の解決や先進的な事業に取り組むとともに、居場所やたまり場づくりなど、多様な活動に利活用できる場や機会を創出することで、すべての市民が「幸せにつながる」ための施策を進めてきました。

これまで、市民や議会の皆様とともに取り組みを進めてきたことで、つくばに大きな変化を生み出すことができました。

公約の実現に向けて作成したロードマップは、事業内容やスケジュール、進捗状況を毎年評価・公表し、1期目の82項目は90.4%、2期目の135項目は86.1%の進捗となりました。

さらに、人口増加率日本一、企業数1,200社以上の増、雇用数18,000人以上の増、税収約77億円の増、子どもの数が全国トップクラスに増えながら保育所の待機児童は今年の4月1日時点でゼロを達成し、民間の研究所等によるランキングにおいても上位となり、つくば市は『選ばれるまち』として高く評価されるに至りました。

しかしながら、これらの数字と同じくらい私が本当に大切だと考えているものは、市民の皆さん一人一人の気持ちです。

今回の市長選で改めて市内各所を回り市民の声を聴いた際にも、「これまで苦しかったけれども、市民に寄り添うまちになってくれた」「未来に希望が持てるようになった」というお声や、「市が挑戦しないことがもどかしかったが、つくばがようやく本来の可能性を発揮できるようになって誇らしい」「せっかく良い方向に向かっているので以前のような冷たい市政には、決して戻さないでほしい」といったお声を数多くいただきました。

しかし、当然、取り組みが行き届いていないところもあり、まだ解決すべき課題もあります。さらに、まちの成長にともない新たな課題も生まれています。それらに対応しながら、このつくばの変化を更に前に進めていくために、これからの4年間、そしてさらにその先の未来を見据えた具体的施策として、3期目は新たに99項目の公約を掲げました。

この99項目についても、2期目までと同様に市としてロードマップを作成し着実に進めていきます。今回はこの新たな公約の土台となる5つの考え方をお話ししたいと思います。

まず1つ目は、全世代・全市民の幸せにつながる視点を持つということの重要性です。

子育て中のひと、高齢なひと、障害のあるひと、働いているひと、学んでいるひと、守られているひと、様々な世代の、様々なひと、みなが市民です。

そして、それぞれの市民の幸せは、誰かを不幸せにはしません。私たちは対話し、ともに生きることができます。そのため、私の公約では子育ても教育も福祉も経済も、すべての分野が入っていますし、2期8年で、誰かを犠牲にすることなく幸せは実現できることを示してきました。今回も、全世代・全市民の幸せを掲げています。

2つ目は、科学技術を使った課題解決です。

つくば市が国から選ばれたスーパーシティ型特区は、地域の困りごとを新しい技術を使って解決することを目指しています。

そして、研究機関や企業から生まれた技術を、日々の生活で使えるようにするために多くの新しいスタートアップ企業を含めた企業の活躍も始まっています。もちろん科学技術は、一部の使いこなせる人のためのものではありません。むしろ、意識をせずとも自然にそれを使えることが理想です。そして、政策を作る際には、科学的根拠やデータが必要です。各地の選挙では誤情報やデマが拡散し、分断が広がってしまっていますが、政治に関わるものは事実を元にした議論をすることが必須です。そして、事実やデータを踏まえた上で寄り添う気持ちややさしさも必要です。そんな「たしかなデータ」「やさしいテクノロジー」とで市民の幸せを創っていきます。

3つ目は、持続可能な15分都市です。

つくば市には歴史ある周辺市街地が8地区あります。つくば市が誕生する前は、それぞれの町村の中心部であり、都市機能も集積されていました。長い年月が経ち、今、再び周辺市街地の重要性が増しています。

「15分の徒歩」で公共施設や医院、お店など生活に必要な場所に行けるエリアを作ります。そして、周辺の地区は8地区に15分の公共交通で移動できる形を目指します。さらに、それでも補えない距離は、やさしいテクノロジーによって必要なサービスを受けられるようにします。

4つ目は、変革し続け、市民と共創する市役所です。

市民の生活を守り、具体的な政策を実現していき、市民生活に前向きな変化をもたらすためには、市役所の組織全体も変わり続ける必要があります。常に市民が必要としていることを掴み取り適切な施策を生み出せるよう、職員のさらなる意識変革と組織開発を進めます。

5つ目は、「緑」への転換(グリーン・シフト)です。

今年も異常とも思える夏の暑さだけでなく、10月に入っても30度を超える日があるなど、地球は温暖化を超えて「沸騰化」していると言われています。そして、その原因は人間の活動にあることは、科学的にも示されています。

私たちの生活が地球に与える影響を減らし、将来の世代も安心して暮らせるまちを実現させるためにも、今こそ、環境を軸にした社会に変えていく時です。それは我慢して生活するということではなく、エネルギーを自然由来にしたり、自転車に楽しみながら乗ったり、生物の多様性を守ったり、まちに緑を増やしたりすることも、すべてがグリーン・シフトです。

新しい技術を使った環境に関わる仕事も増えるため、まちも市民の生活もより豊かになります。国から脱炭素先行地域に選ばれたことも含め、「緑」への大きな転換を進めていきます。

世界の都市の共通課題があります。少子高齢化、気候危機、農業と食料安全保障、働き方の改革、そして貧困と格差、これらの問題をすべて解決している都市はまだありません。だからこそ、つくばには、市民とともに新たな挑戦をしながら、市民生活の課題を解決し、市民が幸せに安心して暮らせるまちへ進んでいく使命があります。お示しした5つの考え方をもとに、つくばで市民が幸せになるモデルを作り、世界にヒントをもたらしていくことが、「世界のあしたが見えるまち」という、私が掲げるヴィジョンです。

子どもたちの笑顔があふれる未来、高齢者が安心して暮らせる毎日、若者が夢に向かって挑戦できる環境、現役世代が公私を充実できる調和、市民ひとりひとりが希望をもって安心して、「つくばに住んでよかった」「これからも住み続けたい」と心から思えるつくばへの歩みを進めます。『誰一人取り残さない』という強い思いを胸に、市民や議員の皆様と丁寧に対話を重ねながら、ともに創る市政に全身全霊で取り組んでいくことをお誓いして、私の市長就任3期目の所信とします。みなさまのご指導をよろしくお願い致します。ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 
〒305-8555 つくば市研究学園一丁目1番地1
電話:029-883-1111(代表) 

お問い合わせは専用フォームをご利用ください。​​​​​​​