【令和4年度実証実験】株式会社ワープスペース

更新日:2024年02月29日

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光通信地上局設置による未来の通信技術「光通信ネットワーク」の構築

概要

 現状主に電波で行われている宇宙から地球間のデータ通信に代えて、光通信技術を使い、光によるデータ送受信を行う。具体的には、つくば市内に光通信地上局を設置し、そこで光通信機を搭載した人工衛星からの光通信データを送受信することで、「光通信ネットワークの構築」の実現を目指す。

株式会社ワープスペースについて

実施内容

つくば市内で以下の実証実験を実施した。
(1)衛星の軌道計算情報から衛星の位置を割り出す仕組みを構築して衛星光通信開始時に衛星を地上局が補足可能かの実証実験を実施した。
(2)光通信地上局の衛星追尾能力と追尾制御精度を実証するため、30センチメートルの光通信アンテナを用い AJISAI 衛星から反射する微弱光の約30%の光をビームスプリッターで分割した光量で衛星の位置を捕捉し衛星追尾制御を行う事で光通信に用いる地上局に必要な衛星追尾精度が実現可能かを確認する実証実験を実施した。
(3)1ギガbpsの通信速度で、実際のデータを空間伝送して転送後のデータの誤り率を確認する実験を実施した。

10月 第164回つくば科学・技術産業イニシアティブ講演・意見交換会に登壇しました。

テーマ:「衛星間光通信技術が実現する宇宙データ通信インフラの構築とサステナブルな社会への貢献」

講師:株式会社ワープスペース 取締役CTO 永田  晃大

実証結果

(1)高精度の軌道計算方法によって、画角0.3度の光アンテナ内に衛星の初期捕捉が実現可能。
(2)星を用いた光アンテナ方位校正方法によって、約0.003度の精度で地上局に用いる光アンテナの初期校正が行える事が実証された。
(3)CCD 画像を用いた衛星検出と位置制御手法によって、約0.001~0.003度の精度で高速で移動している衛星を捕捉・追尾可能であることが実証された。
(4)光通信実験において、CCD 画像を用いて光アンテナの方向を制御することで、光通信用の通信光を、ほぼ理論値通りに光ファイバーに導入する事が可能となり、1ギガbps の速度で光通信実験を成功させる事が出来た。

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