「119番通報コールトリアージシステム確立のための多施設共同研究」に対する調査の実施
「Artificial Intelligenceを用いた119番通報コールトリアージシステム確立のための多施設共同研究」に対する調査の実施について
研究目的
近年、救急車の出動件数・搬送人員は年々増加し、過去最多を更新しております。救急車による搬送のうち重症度の低い事案の増加は、救急現場のひっ迫を招き、本来救急車を必要とする重症患者への対応に支障をきたしつつあります。 こうした背景から、総務省消防庁や各自治体では「救急車の適正利用」に向けた取り組みが進められており、軽症者には自家用車・タクシー等での受診を促す周知や、選定療養費の徴収が図られております。
しかし、現場では依然として軽症でも119番を利用するケースが後を絶ちません。一般市民にとって、自身の症状の重症度を瞬時に判断することは容易ではなく、「念のため救急車を呼ぶ」という心理も働くことなどが原因と考えられ、客観的な判断支援なしに軽症患者本人に適正利用を求めるだけでは限界があります。つくば市でもこの傾向は同様であり、平成27からの10年間で出動件数は4,000件近く増加しております。この増加により、現在1隊あたりの年間出動件数は1,370件となっており、救急隊の負担増大が懸念される水準(地域により1,500〜2,500件/隊を目安とする例あり)に近づきつつあります。 そのため、救急要請において的確に重症度を見極め、重篤ではない傷病者には別の搬送手段を提案する仕組みが必要とされております。本研究は、上記課題に対する革新的ソリューションとして、Artificial Intelligence (AI) による重症度自動判定と医師による判断を組み合わせることで、119番通報の軽症傷病者を安全にタクシー搬送へ切り替える運用フローの実現可能性を探索するためのものです。本法で得られた成果などを活用し、以下のようなフローを確立することを将来的な解決方法として想定します。
(1) 119番通報受付時にAIが傷病者の重症度をリアルタイムに推定し、軽症と判定された場合には医師が電話で改めて重症度を確認する
(2) その医師の判断により救急搬送が不要と確認されたケースでは、救急車出動の代わりにタクシー搬送に切り替える
本研究では、上記のようなシステムの構築のための基盤となるAIプログラムの確立とバリデーションを行います。
研究対象
2024年8月〜2025年7月につくば市消防本部に119番通報した患者さんを研究の対象とします。
研究期間
研究実施許可日 〜 2030年3月31日
研究方法
つくば市消防本部に119番通報した患者さんの音声データと出動記録を用いて、重症度を予測するAIプログラムの構築を行います。出動記録内に記載された医療機関での重症度判定を当モデルにおける主な予測対象とします。さらに、このAIプログラムを元に、筑波大学附属病院の診療記録と併せて、その患者さんの音声データと出動記録、プログラムの予測、筑波大学附属病院へ救急搬送された患者さんの経過を詳細に比較することで、プログラムの潜在的な問題点を探索します。
研究組織
筑波大学 島田憲佑
株式会社Quick 武田淳宏
研究に関する問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
研究責任者:筑波大学つくば臨床医学研究開発機構 特任講師 島田憲佑
住所 :茨城県つくば市天王台1-1-1
連絡先:029-853-3630 (対応可能時間 平日9〜17時)
情報公開文書
詳細につきましては、情報公開文書をご確認ください。
この記事に関するお問い合わせ先
消防本部 消防指令課
〒305-0817 つくば市研究学園一丁目1番地1
電話:029-851-0119 ファクス:029-851-0138
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更新日:2026年03月01日