分身ロボットを活用した障害者の社会参画支援
分身ロボットとは
「分身ロボット」とは、障害者など外出に困難を抱える人が、自宅等にいながら、インターネットを介して遠隔地にある機体を操作し、現地にいる人とコミュニケーションをとることができるものです。今回実証に使用した分身ロボットは、「OriHime(オリヒメ)」(提供:株式会社オリィ研究所)というもので、実証の性質や環境に応じて、卓上設置タイプや可動タイプを使用しました。
事業概要
本事業では、重度障害や難病、精神疾患などにより外出が困難な方が、ICTやロボット等を活用し、自宅等から就労や社会参加ができる機会づくりを進めています。
令和8年度は、令和7年度の取組を踏まえ、外出に困難を抱える方が自宅等から遠隔で接客や案内などの役割を担えるよう、継続的な就労機会を創出していきます。
こうした取組を通じて、障害や病気の有無にかかわらず、誰もが自分らしく暮らし、社会とつながることができる環境づくりを進めます。
令和7年度の取組内容
令和7年度 つくば市障害者就労支援試行事業 報告概要.pdf (PDFファイル: 1.3MB)
つくば市役所本庁舎での来庁者案内業務
市役所本庁舎1階では、分身ロボット「OriHime-D」を活用し、来庁された方が迷わずスムーズに受付を済ませられるようサポートを行いました。具体的には、発券機前で困っている方へ積極的にお声がけをし、用件を伺った上で適切な窓口への誘導や発券機操作の補助を実施しました。遠隔地の就労者が最初のご案内を担うことで、不特定多数の方が訪れる庁舎内において、来庁された方が迷うことなくスムーズに受付を済ませられるよう支援を行いました。

実施期間
・1階発券案内 令和7年9月22日〜12月2日(平日計40日間、1日3時間)
・5階表敬案内 令和7年11月17日
1階発券案内
・お声がけ・ご挨拶 延べ3,385名
・発券機の発券サポート 325名
5階表敬案内
・OriHime Cartによる庁議室へのエスコート
自動車販売店でのキッズスペース見守り業務
市内の自動車販売店において、分身ロボットを活用したお子様の見守り業務を実施しました。商談や点検に訪れたご家族が待ち時間を安心して過ごせるよう、就労者がクイズや間違い探しなどの遊びを通じてお子様の話し相手を務めました。重度障害等により外出が困難な方々が、自宅にいながら店舗のホスピタリティ向上に寄与する新しい接客の形を検証しました。

実施期間
・令和7年8月1日〜8月29日:12日間、
1日4時間(店休日・土日祝日を除く)
・令和7年12月6日〜令和8年1月31日:
15日間、1日5時間(土日)
実施場所
・HondaCars茨城西 つくば研究学園店
対応人数
・延べ315名
カフェサロンでの交流活動
市内のカフェ店舗で開催された「ふらっとカフェ」において、参加者との交流活動を行いました。
就労者は、自己紹介や話し相手として参加者と関わり、外出が困難な方と社会をつなぐ新しいコミュニケーションの可能性を確認しました。単なる画面越しのやり取りとは異なり、ロボットを介することで、相手と向き合って話しているような実感を伴った交流につながりました。参加者にとっても、最新技術に触れながら人と交流する新鮮な機会となり、ロボットの向こう側にいる人の存在を身近に感じられる場となりました。

実施期間
・令和7年11月17日〜12月19日
(期間中に4回開催)
実施場所
・スターバックス コーヒー(つくば学園の森店、イーアスつくば店)
参加人数
・延べ34名
R7年度の成果・課題
成果
令和7年度に実施した実証実験では、分身ロボットの活用による効果や今後の可能性を、各現場で確認することができました。
市内自動車店舗では、就労者がロボットを通じてお子様の見守りや交流を行うことで、保護者の方が商談や点検に集中しやすい環境づくりにつながりました。
また、市役所本庁舎では、発券機の操作を補助することで、来庁者の受付を円滑にし、窓口職員が本来の窓口業務に取り組みやすくなる可能性が確認できました。
カフェサロンでは、ロボットを介した人と人との対話により、参加者の方に新たな交流の機会を提供するとともに、新しい働き方を知っていただくきっかけにもなりました。
さらに、1時間で交代する短時間勤務の仕組みにより、就労者が集中力を保ちながら、身体的な負担を抑えて業務に取り組める可能性も確認できました。
課題
課題も見えてきました。
遠隔地で業務を行う就労者に対して、最新の窓口情報を迅速かつ分かりやすく共有する仕組みづくりや、高齢者の方にも聞き取りやすい音声環境の整備など、より利用しやすい運用に向けた工夫が必要です。また、来客が少ない時間帯の活用方法や、施設側の担当者との連携をより円滑にするための運用方法についても、令和8年度以降の取組に活かしてまいります。
R8年度の実施方針
令和8年度は、令和7年度の取組で得られた成果や課題を踏まえ、庁舎内や市の業務に遠隔で携わることができる就労機会を創出し、一人ひとりの体調や勤務可能な時間に応じて無理なく働ける環境を整えます。
この記事に関するお問い合わせ先
政策イノベーション部 科学技術戦略課
〒305-8555 つくば市研究学園一丁目1番地1
電話:029-883-1111(代表) ファクス:029-868-7640
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更新日:2026年06月12日