花と緑あふれる“市民の庭”を市民の手で、長年街なかの環境整備
vol.72 特定非営利活動法人つくばアーバンガーデニング さん
癒しの花や緑を裏で支える市民たち
▲サクラソウをプランターに並べるTUGのメンバー
つくば駅前や松見公園、ペデストリアンデッキを歩く中で、景観を彩る季節の花々に癒されたことはありませんか。
そんな街なかの花や緑は、地域のボランティアたちの日々の活動で支えられています。
特定非営利活動法人つくばアーバンガーデニング(以下、TUG)さんは長年、市民が主体となって街なかの豊かな景観づくりをしてきた団体です。
4月、TUGさんが植栽管理しているエリアの一つである松見公園の「いやしの庭」を訪れると、そこにはチューリップやタイム、パンジーなどの色とりどりの花々がお出迎えしてくれました。
この日は、可憐なピンク色の花を咲かせるサクラソウをプランターへ植える作業をしていました。TUGさんは、筑波大学のサクラソウ園芸品種保存活動と連携しており、メンバーが「サクラソウの里親」となって貴重な品種を守るサポートをしています。
「(苗は)後ろ4つ前3つで、色分けはどうする?」「白と紅を混ぜてみよう」
この日、大切に育てたサクラソウの品種を一つひとつ確認してプレートを付け直し、美しく見えるような配置に気を配りながら、プランターをつくっていました。
使っているプランターは、奥久慈憩いの森から調達したもの。「なるべくプラスチックではなく、自然素材を使っている」と環境面にもこだわります。
事務局の落合さんは「花が絶えないようにと心掛けています。訪れた市民が花と触れ合って癒されてほしい」と願いを込めます。
美しく管理された花壇は、決して当たり前のものではありません。ボランティアの地道な活動が、この景観を形づくっているのです。
自分たちの手で、地域を美しくしていきたい
▲松見公園にある「いやしの庭」の花壇
TUGさんの活動のはじまりは、1991年に造園会社の協力でスタートした「女性庭師講座」でした。
この講座は、女性グループ「暮らしの企画社」のアイデア。暮らしの企画社は、つくばに引っ越してきた女性たちが中心となり、「自分たちの手で、暮らしやすい社会をつくっていきたい」「新しい働き方をしてみたい」と立ち上げたグループなんだそうです。
市民の庭をつくりたい――。
講座を経て、専門的な知識を身に付けた女性庭師たちが、市民ボランティアとともに、暮らしやすい環境を市民自らの手でつくり出す活動に乗り出します。
活動は発展し、1998年にはNPO法人となり、市から環境整備に関わる事業委託を受けるようになりました。
当時は、つくば市内でもNPO法人は少ない時代。市民参加のまちづくりの機運もほとんどない状況だったそうです。今でこそ、地域住民による「花壇づくり」や、その活動への支援体制は馴染みがあるものですが、当時は市民の力で街なかに花や緑があふれる環境づくりに対する周囲の理解を得るには、苦労もありました。
花と緑にあふれた景観を維持するためには、花の苗を植えるだけでなく、地道な手入れが必要不可欠です。行政だけでなく、市民が参加することで、美しい町並みが生まれます。
当初から活動に参加する事務局の落合さんは「今ようやく、市民の自主的な受け皿が定着している」と振り返ります。TUGさんは、住民が自らの手で暮らしにささやかな癒しをつくり出す活動の先駆者でもありました。
「いやしの庭」や「紡ぎの庭」といった筑波メディカルセンターに隣接するエリアの景観整備は、病院など多様な主体と協働することで維持してきた活動です。
いやしの庭は、車いすで散策に訪れた人でも花を楽しめるユニバーサルデザインの花壇です。これは、2000年にTUGさんが緑のデザイン賞(現・緑の環境デザイン賞)の緑化大賞を受賞したことで、実現したもの。園芸療法も見据えた企画で、病院の研修室で話し合いを重ね、ガーデナーだけでなく、建築や医療の専門家も協力してつくり上げました。
TUGさんの活動は環境整備にとどまらず、花を通した交流企画も行っています。
病院で行うラベンダースティックをつくるワークショップやクリスマスの交流活動は、入院生活で孤独さを抱えている人たちに心安らぐ時間を提供してきました。
このほか、花の寄せ植え講座の講師として呼ばれることもあります。
TUGさんが提供する価値は、空間だけでなく、誰かとともに過ごすかけがえのない時間でもあるのです。
花好き仲間の輪よ広がれ、花と緑でつながるコミュニティ
▲TUGは活動会員を募集中です
「花を植えるばっかりではなくて、雑草を抜き、草刈り、たい肥づくりなど重労働が大変と思うこともある」(ボランティア)と年間を通じた、植栽管理活動は大変さもあります。
ただ、いやしの庭で活動するボランティアは「外にでかけるきっかけになっています」と土や植物に触れるだけではない活動の醍醐味を語ります。
花や緑を通したふれあいは、コミュニティづくりにもつながっています。街角に咲く花は、見る人を癒すだけでなく、人と人をつなぐ役割やちょっと暮らしを豊かにするツールにもなっています。
活動会員たちは「大変さはあるけれど、咲いた花を見るとその苦労も忘れちゃう」とも語ります。
個人の庭ではなく、地域みんなが歩くコミュニティガーデン(まちの庭)だからこそ、空間を創造する楽しさややりがいはひとしおのようです。
TUGさんは、活動会員を募集中です。
80代のメンバーも活躍しているTUGさん。ただ、重労働となる作業もあるため若いメンバーも募集しているそう。
活動会員は、理事や事務局といった正会員とは違い、「来られるときに、来てくれればよい」と落合さんは話します。
忙しい日常の一休みに、花好き仲間でつながるボランティアとして、TUGさんが日々管理している“憩いの場”に訪れてみてはいかがでしょうか。
花がお好きな方!一緒に活動しませんか?
■花の植栽管理活動
【歩みの小径】
公園ガーデナー:毎月1回土曜日午前中
【いやしの庭】
園芸セラピー勉強会:不定期実施
コミュニティガーデン花仲間:毎週火曜午前中
【紡ぎの庭】
TUGガーデナー:毎月2回
【駅 前】
水やり&花柄つみ:不定期実施
■入会案内
【正会員】
TUG運営や活動に参加したい個人
【活動会員】
活動に参加または応援したい個人・家族(ボランティア保険に加入/ボランティアとして活動2年目以降はTUG基準の交通費支給あり)
【賛助会員】
TUGの運営を賛助する個人または団体
お問合せ
NPO法人つくばアーバンガーデニング
090-5345-7854
fudebako87@yahoo.co.jp
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897
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更新日:2026年08月28日