学校だけじゃない多様な学びの場を知って、悩んだときの道しるべに
vol.62 まなびつくば~多様な学びと育ちの会~ さん
不登校の子どもやその親に寄り添う情報発信を

子どもが学校を休みがちになったら、親も混乱し不安になります。そんな気持ちに寄り添い、必要な支援に出会う手がかりを伝える冊子が昨年12月に発刊されました。
発刊したのは、保護者・支援者向けの「子どもが『学校を休みがち』になったときに読む本」と、小学生~中学生向けの「『学校に行くこと』『教室に入ること』に悩んだときに読む本」の2種類の冊子。
制作したのは、不登校の子どもをもつ親たちでつくる「まなびつくば~多様な学びと育ちの会」さん。親や支援者、そのほか教育に関わる人たちに役立つ情報を発信し、つながりづくりをする活動をしています。
冊子では、つくば市内の「フリースクール」「地域の居場所」「親の会」といった身近な社会資源を紹介。活動日や具体的な支援内容、利用料など、「行ってみようかな」と思った時に欲しい情報を掲載するようにしたそうです。
雰囲気も伝えるため、活動風景の写真や、各団体のSNSのQRコードなども載せています。
このほか、学校内外の公的支援や福祉支援、民間支援には、どのようなものがあるのか紹介するページもあります。
子どもが学校を休みがちになった時、親は子どもがすぐに学校へ行けるようになる方法を求めがち。しかし、公的機関で対応できることは、親が求めていることとずれがあることも。
そんなとき、学校内外の支援にはそもそもどんなサービスがあるのか、できること・できないことは何なのか、きちんと理解することで、対立や衝突を避けて、子どものための対話をじっくりとすることができます。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門職にとっても、地域のフリースクールや居場所について詳しい情報を得られないことがあります。そんな支援者側にも参考になる冊子となりました。
冊子の配布先は、コリドイオ(つくば市民センター受付前)や小中学校、情報を掲載しているフリースクールなど。
配布開始について、1月の市広報紙にもお知らせの記事を掲載したほか、デジタル連絡ツール「スクリレ」を通じて全家庭に配信しています。
まなびつくばさんは、昨年12月中旬の配布開始日に合わせ、ミニイベント「冊子配布&親の会」を開催。子どもの学びに関して悩みを持つ親が訪れ、山岸さんとおしゃべりをしていました。
冊子をツールとして、悩みを共有したり相談したりする企画も生まれそうです。
初版は、保護者・支援者用が1000部、小学生~中学生用が700部(2025年12月時点)と数に限りがあるので、ぜひウェブサイトでもご確認ください。
子どもへの直接的な関わりにつながる情報を

冊子は、まなびつくばで代表を務める山岸さんの「あったらいいな」から生まれました。
山岸さんは子どもが不登校になったことから、地域の支援の情報を集め始めました。そんなときに悩んだのが「直接的な支援の情報が少ないこと」。
山岸さんは自分の足で子どもに合うフリースクールや福祉支援、助成金など探し、情報を集めることで、子どもの多様な学びに理解を深めてきました。
そこで感じたのが「仕事で情報を集める時間もない人はどんどん孤立してしまう」ということ。「私の経験したことを冊子にまとめて役立てられないか」と自分が知って良かったことを発信していくことを決意しました。
山岸さんは「たこ焼き屋」や「理髪店」といった教育機関以外でも不登校の子の居場所となる場所も取材。冊子に掲載しています。
山岸さんは自身の目で確かめた情報を載せることで、情報に偏りがあることも、価値を生んでいるといいます。
公的機関では偏りなく情報発信を行います。一方、民間だからこそ行える「小さく細やかな」情報収集が、逆に信頼度を高め、実際に役立つ情報を届けることつながります。
「多方面と連携しつつ、大きくするよりも小さく小さく活動を重ねていきたい」と山岸さん。
今後もつくばならではの地域資源が発掘されていきそうです。
子ども自身にもたくさんの選択肢があることを知ってほしい

「学校だけが、子どもの行ける場所ではないと気付いてほしい」と山岸さんは話します。
小学生~中学生向けの冊子を作成した背景には「子ども自身にも、いろいろな選択肢があることを知ってほしい」という願いが込められています。
「子どもは親や学校が絶対の存在だと思いがち。でも親だから寄り添えないことだってあります」と山岸さん。子どもたちの世界はまだ狭く、親の影響を大きく受けます。そんな子どもたちにとって、親以外の頼れる大人たちの存在に気づき、必要なときに助けを呼べるための情報を得ることが大切です。
小学生~中学生向けの冊子は、漫画仕立て。広い範囲の子どもたちに読んでもらえるようにしました。
山岸さんは「子どもにも自分を責める気持ちや悔しさがある。親から言われるのではなく、興味があるから読むくらいが良い」と冊子で伝える利点を話します。
冊子では、小中学校を卒業したあとの選択肢についても紹介しています。
子どもたちの心が動いたとき、そっと背中を押してくれるはず。ぜひ一度ご覧くださいね。
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897
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更新日:2026年01月30日