地域で子どもの自然体験の機会つくり20年、生きる力を育む

更新日:2025年12月22日

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vol.57 つくば・あつまれちびっ子in豊里の会 さん

学校も学年も超え、野外活動で協力

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ピザが焼けるまで交流を楽しむ子どもたち

 

良く晴れた10月のとある日、上郷小学校の体育館裏。整備された「いこいの森」に、続々と子どもたちが集まってきました。

 

この日は、豊里地区の小学生を対象にしたイベント「ダンボールオーブンで米粉ピザづくり」の開催日。今鹿島、上郷、沼崎の3つの小学校と豊里地区にある子ども食堂に行っている小学1~6年生の44人が集まり、校内ににぎやかな声が響きます。

 

この日挑戦した段ボールオーブンとは、段ボールの内側にアルミホイルを貼り付けて反射板とし、内側に食料を置くための金網を取り付けた手作りの調理道具です。

中に食料と火のついた炭を置いて調理します。

 

子どもたちは小学校や年齢がバラバラになるように8班に分かれ、一番年長者がリーダーとなって年下の子たちをサポートしました。

 

「手、危ないよ!」「すげー上手」「次は誰が切る?」

ピザづくりでは、トッピングのピーマンや玉ねぎを切る作業や生地を広げる作業にも挑戦。包丁を使ったことのない子どもも、年長者のサポートを受けながら果敢に挑戦していました。

 

ここでしか会えない友達に会うのも醍醐味。ピザが焼けるまで、学校や学年の垣根を超えた交流を楽しんでいる様子でした。

ピザが焼きあがると「熱いけど美味しい」「ピザ最高」と仲良くシェアしながら、舌鼓を打っていました。

 

活動後のアンケートでは、「違う小学校の子と食べると格別に美味しかった」「3年連続の参加でしたが、楽しかった」などの声がありました。

 

段ボールオーブンとピザが作れるようになっただけでなく、ここでしか得られない経験を持ち帰ったようです。

子どもの自然体験支える地域の力

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子どもの体験活動をサポートする地域住民

 

子どもたちが野外活動を通じて、心身を育む「つくば・あつまれちびっ子in豊里の会」。約20年続く活動を根気強く支えてきたのは、地域の大人たちです。

 

活動が始まったのは、2007年。文科省の「地域教育再生事業」を豊里中学校区で実施したことがきっかけでした。同事業では、地域のボランティアたちが協力し、地域の竹を活用した「流しそうめん」やタケノコ掘りなど、豊里の自然をいかした体験活動を立ち上げました。

 

しかし、同事業は2年で終了してしまいます。

すでに同事業のイベントを楽しみにしている子どもたちが多く、せっかく始まったこの活動を終わらせてはならないと、ボランティアたちが「つくば・あつまれちびっ子in豊里の会」を結成。自然体験を地域に提供し続けてきたのです。

 

それ以来、タケノコ掘り、流しそうめん、凧揚げと和菓子づくり、米粉ピザ作り、門松作りの5企画を1年間で行っているそうです。

 

企画には、食育を必ず取り入れており、食生活改善推進員とも協力して実施しています。

また、タケノコ掘りの場所提供などで地域住民も協力。企画には、メンバーの知恵をいかし、地域を巻き込むことで、「豊里ならでは」の活動を実現しているのです。

 

豊里の子どもたちに限って参加募集をしているのは、豊里だからできる活動を地域の子どもたちに味わってもらいたいという願いが込められているのです。

 

約20年間活動を重ねてきたことで、学校や地域からの信頼も着実に築いてきました。

代表の石黒さんは「学校になるべく負担を掛けない」ことに注意。「チラシの配布は協力をお願いしますが、出席確認など手間がかかることは自分たちでやる」と心掛けます。

 

参加する3つの小学校は、豊里中学校区の学校です。

このため、体験を通じて知り合った子どもたちは同じ中学校に進学する子もいます。「少しでも知っている子がいると、安心して進学できる」と石黒さんは話します。

「なんでも挑戦して」子どもたちに人生を生き抜く力を

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つくば・あつまれちびっ子in豊里の会のみなさん

 

「現実的体験を通じて、人生を生き抜く力を付けてほしい」

石黒さんは活動への想いをそう話します。

 

同会のこだわりは、子どもたちに「現実的体験」をしてもらうこと。他人に危害を加えるようなこと以外は「なんでも挑戦してほしい」と石黒さん。挑戦することが、将来につながる力になると

 

ピザ作りでも、包丁や火を使う作業があります。

「危ないからやらないではなく、気を付けてやろうと心がけている」と石黒さん。「危ない」と思わず手を出してしまいそうになる場面があっても、ぐっと堪えて見守ることに徹します。

 

こうした大人たちが必要以上に手を出さない環境が、「子どもたちの自主性や自己肯定感を高める」と話します。

 

また、リーダー役になる機会が平等になるようにも気を付けます。危険が迫っているときは制することもありますが、大人が命令するような形式にならないようにします。

 

もう一つのこだわりは、「はじまりの会」と「おわりの会」はしっかり行うこと。

「けじめをつけることは大切なので、自由解散にはしない」と石黒さん。メリハリのある行動ができるようになることも大切にします。

 

「完璧でなくても良いので、なんでもトライしてほしい。やったことが自信になる」

つくば・あつまれちびっ子in豊里の会さんは、これからも地域で子どもたちの成長を見守り続けます。

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