会員みんなでアイデアを出し運営するサロン

更新日:2025年10月27日

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vol.53 たのし家(や)クラブ さん

みんなでつくって、みんなで楽しむ居場所

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「場をつくるのは参加者なんです」

そう語るのは、誰でも参加できる集いの場「たのし家」を運営するボランティア団体「たのし家クラブ」の代表を務める犬丸さんです。

 

たのし家は、広い縁側や庭、体操や講座を開催できる和室などがある民家です。

たのし家クラブの会員たちはこの民家で、サロンや講座、同好会などを開催し、交流を楽しんでいます。

 

毎週月曜日に行っている「たのし家サロン」に取材に訪れると、「みんなで運営」「みんなで家を守る」姿勢が垣間見えました。

 

この日のサロンは「フラダンス」。フラダンスの講師2人が出前講座に訪れ、会員たちが音楽に合わせて優雅な動きに挑戦していました。

流れるような振り付けに苦労しながらも、会員たちからは和やかな笑い声が溢れ、楽しげな空気が伝わってきます。

 

フラダンスのレッスンが終わると、お待ちかねの「ティータイム」の時間です。みんなで手際よく机を並べ、お茶とお茶菓子を準備します。「この時間が楽しみなの」と、この日は手作りの栗きんとんを囲み、おしゃべりが始まりました。

 

毎週のサロンの内容は、運営委員会で決めています。委員会といっても、堅苦しいものではなく、季節にちなんだ恒例企画や関心に合わせて自由に意見を交わすそうです。

 

定期的に行っているサロンの企画の中には、ニュートラル体操や呼吸法、シルバーリハビリ体操といった運動があります。体操後には、そろばんや大人の読み聞かせといったミニ講習を行う日も。

ここでは、会員がそれぞれの得意や好きを活かして講師役を務めます。

 

先生たちは毎回内容に工夫を凝らしており、「同じ日はない」と会員たちは笑顔を見せます。

 

ゆるやかな雰囲気ですが、それぞれの企画をしっかり運営しようという「緊張感や大変さもある」とのことです。

 

運営や企画を誰か一人に任せるのではなく、みんなで考えて協力して動かします。しかし、そこに参加を強制するような空気感はありません。

 

このメリハリが、長年続く「居場所」となる秘訣なのかもしれません。

場所があるからこそ生まれる、新しい企画や出会い

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「場所ができると、いろいろ起こりますよね。アイデアが浮かんだり、新しい出会いがあったり」

たのし家は、生活協同組合(生協)のゆるやかなつながりの中から始まりました。

 

生協のメンバーが集まって注文した品の仕分け作業をする中で、「なんとなく私たちってつながっているよね」「集いの場がほしいよね」という話が上がったそうです。

ちょうどその頃、今の「たのし家」となっている民家が、住民の引っ越しで空き家になることを知り、その家を利用することに決まりました。

 

たのし家では、サロン活動から始まり、会員のアイデアから多分野の活動を展開。会員が講師役を務め、植物園でボランティアガイドをしているメンバーが、たのし家近隣の植物観察をする散歩を行ったり、書道が上手なメンバーに習字講座を担当してもらったりと、さまざまな企画が実現してきました。

 

このほかにも、手仕事サロンや草木染同好会、茶道講座、季節の行事などといった活動があります。

 

東日本大震災で被災した地域から避難している方と協力し、防災ハンドブックを作成したこともあるそうです。

 

ちなみに、たのし家の草木染同好会が、染色で使う蓼藍(たであい)などを育てているのは、耕作できなくなった知人から管理を託された畑です。

蓼藍は乾燥させたのち、灰汁と混ぜる過程などを経て、草木染に使うそうです。

会員たちで工夫することで、多様な活動が行われています。

 

たのし家という場所があり、多彩な人たちが集うことで、楽しい化学反応が生まれているのです。

あっちこっちに居場所がある社会を願って

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“たのしや”は「趣味の楽しみは元気のもと」という想いの中でふと出てきた言葉だそうです。

「互いに教え教わり、心豊かな愉しいひと時を過ごしながら、つながる場をつくれたら」という願いを込めて名付けました。

 

「高齢になったり、幼い子がいたりして、家にこもりがちな人にとって行くところがあるのは良いことですよね」

犬丸さんは誰もが居場所を持つ大切さを話します。

 

つくばには県外から移り住んでくる人も少なくありません。

会員たちは「誰も知り合いがいなくて、一人でも知り合いを増やしたかった」「雑談の中で、将来に役立つ情報を知ることができる」「みんなで七夕の笹飾りをつくるなど、一人では味わえない季節の楽しみ方ができる」などと地域の輪に入る意義を語ります。

市内各所で行われている「ふれあいサロン」や、たのし家のような場所があっちこっちにあって、それぞれが気の合うところを見つけられるようになると良い」と地域社会の在り方を考えます。

 

たのし家の催しは、会員に限らず誰でも参加可能です(会員には参加費の優待あり)。

 

会員は約50人でシニア世代が多いのですが、子供連れなど多世代が参加できる場です。

車いすを利用する人も参加できるように折りたたみ式のスロープを用意しています。

 

訪れた日の催しはフラダンスで参加者は女性だけでしたが、普段の「たのし家サロン」には男性参加者もいます。

 

参加される場合は、メールまたは電話でご連絡くださいね!

お問い合わせ

住所    つくば市下広岡1055-77

電話    090-4226-6957(犬丸さん)

メール tanoshiya.tsukuba@gmail.com

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897

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