移動支援を通じてつくる地域の安全安心

更新日:2025年06月30日

ページID: 25101

vol.38 特定非営利活動法人友の会たすけあい さん

移動を通じて一人暮らしのお年寄りを見守る

tomonokai1

高齢者や障害者など移動が困難な人たちの「足」となって今年で27年。「特定非営利活動法人友の会たすけあい」さん(以下、「たすけあい」さん)は、茎崎地区を中心に、公共交通機関の利用が困難な人たちの外出支援に取り組んできました。

 

この30年で高齢社会が進み、外出支援を巡る社会情勢も変化してきました。

 

活動を開始した当初は、利用者の年齢は60~70代が多く、目的もサークル活動へ行くためという人が多かったそうです。一方、現在の主な利用者層は80~90代で、目的もほとんどが病院の送迎を占めるようになりました。

 

「たすけあい」さんは、国土交通省の福祉有償運送のガイドラインに従って、タクシーの半額で利用者を目的地まで送り届けます。

 

目的地は、病院のほか銀行や市役所、スーパーなど。県外へのお墓参りにも対応しており、利用者の目的は問いません。

 

利用者の半数が1人暮らし。

そのほかは老夫婦で暮らしている家庭などで、そのほかの家族がいるという利用者は1割以下になるそう。

 

孤独死のニュースが絶えない中、理事長の佐藤さんは「私たちは単なる送迎サービスでなく、何かあったら社会福祉協議会や行政につなぐこともある」と外出支援の役割の変化を感じています。

 

「各エリアに私たちのような団体がいて、一人暮らしの方などを市民レベルでサポートしていく仕組みができれば」と語ります。

 

“たすけあい”の輪をいかに広げていくかーー。私たちは超高齢社会の中で問われています。

足となり耳となり地域福祉を下支えするドライバーたち

tomonokai2

移動が困難な人たちの「足」となって活動しているドライバーたちは現在、60~70代の15人だそうです。

 

一方、支援を必要としている利用者は100人程度が登録している状況。ドライバーに大きな負担をかけないため、利用をお断りすることもあるそうで、ドライバーの人材確保が課題となっています。

 

タクシー利用料の一部がドライバーの収入、残りは「たすけあい」さんの運営費となります。副業目当てでドライバーになるのではなく、“孫に小遣いをあげる程度”の収入となることを理解しているメンバーが集まっています。

 

理事長の佐藤さんは、ドライバーに向いている人は「気配りや話を聞くのが上手な人」と分析。ドライバー同士は、月に1回の顔合わせやオンラインツールでこまめにコミュニケーションしており、道路の危険箇所や利用者の体調面などについて情報を共有しているそうです。

 

「事故に気を付けることはもちろんのこと、送迎中に利用者との信頼関係が生まれて、話すことを楽しみにしている人たちも多いです」と佐藤さんはやりがいを話します。

 

地域のケアマネジャーや民生委員とも顔を合わせる機会が多いそう。認知症の初期症状など利用者の異変に気が付いた場合は、専門機関につなぐといった連携を心がけているそうです。

 

ドライバーは運転をしながら多くの情報に触れる機会も多いため、個人情報の扱いには細心の注意を払いっています。

 

ドライバーは地域の「足」だけでなく「耳」にもなっているようです。

地域や団体を超えた外出支援の連携に向けて

tomonokai3

予約管理はホワイトボードで行ってきたが、利用者で筑波技術大学の学生さんが専用ソフトを作ってくれたそうです。

 

市民団体が運営する送迎サービスとしては、茨城県内で初めての運行を開始した「たすけあい」さん。

 

高齢者や障害者の外出支援の取り組みは市内でも広がっており、つくば市のホームページによると「たすけあい」さんのほかに3カ所あります。

また、つくば市は福祉有償運送事業に対して補助金を交付しています。

 

参考URL(2025年5月時点)▼

https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/fukushibukoreifukushika/gyomuannai/6/1/1004917.html

 

理事長の佐藤さんは団体の連携に期待を寄せます。

 

茎崎から距離がある病院への送迎をする場合、診察の待ち時間が長いため、ドライバーは送り終えると一度戻り、迎えの連絡を受けてから迎えに出発するそう。

佐藤さんは「送りは『たすけあい』、迎えは近くのエリアで活動する人が行くなど連携ができれば、利用者にもドライバーにも良い」と指摘します。

 

ただ、このような連携を実現するには、コールセンターなどといった拠点が必要になります。

 

南北に広がるつくば市。各地域の移動困難者たちの支援は、その地域のみで解決できる課題ではありません。地域や年齢などの枠組みを超え、手と手を取り合う活動がますます大切になりそうです。

tomonokai4

【ドライバーの募集】は随時行っており、「たすけあい」さんは茎崎地区で各戸にチラシを配布するなどして募集をしています。

 

ドライバーに興味がある方は、ぜひ「たすけあい」さんにお問合せください!

お問合せ先

NPO法人友の会たすけあい 事務局

電話:029-840-1125 または 080-3451-5470

住所:つくば市下岩崎2068 茎崎老人福祉センター隣り

tomonokai5

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897

お問い合わせは専用フォーム をご利用ください。