“塾ご飯”から始まり地域の居場所に、栄地区のみんなの食堂

更新日:2025年03月24日

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vol.29 さくらんぼ食堂 さん

地元メンバーのスキルがきらりと光る

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さくらんぼ食堂代表の四位さん=つくば市松塚の桜交流センター

 

「味はどう?」「分量は大人が一本まるまるで、子どもは半分かな」

桜交流センターの調理室に入ると、スタッフの皆さんがテキパキと食事の準備を進めています。

 

ここで活動しているのは、栄地区でみんなの食堂を開設している「さくらんぼ食堂」さん。息の合った連携プレーで次々と食事を仕上げていきます。

 

活動は2024年にスタート。メンバーは地元のお母さんたちで、長年培った食事づくりのスキルを存分に生かした“家庭の味”を提供しています。

 

献立には、訪れる人たちが季節を感じられる工夫もあります。取材に行った2月の献立は、恵方巻を意識した「キンパ」。デザートの「鬼シュー」はシュークリームを可愛い鬼にデコレーションしていました。

また、この日はスルメが入っているつくばの郷土料理「のっぺ汁」も提供。栄地区では正月に食べる文化があるそうです。

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最近は「食券(食事の引換券)」を取り入れたと言います。訪れた人たちは受付でもらった食券を持って調理室へ。食券と引き換えに、食事を受け取る仕組みです。

代表の四位さんは「食事を作っている人とも会えるのが良いところ。それに来てくれる人を『お客さん』とは思っていないので、食器の上げ下げを手伝ってもらうのも大切にしています」とこだわりを話します。

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食後の工作体験を開催するメンバーの一人=桜交流センター

 

食事がひと段落すると、クラフト担当のメンバーが準備した工作の時間です。2月はひな祭りに向けて、ペーパークラフトの吊るし雛作りを開催。手作りの“吊るし雛作成キット”で、親子がのんびりと食後の時間を過ごしていました。

 

工作は隔月で開催。工作をしない月は、「読み聞かせ」や「かるた」といったお楽しみを行っているそうです。

 

デザート担当や食後の工作担当などゆるやかに担当を持っているそう。

地元メンバーの経験や得意が生かされた活動が積み重ねられています。

親子や地域の友人たちがホッと一息つける場所

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「人と人が会うきっかけをつくれたら嬉しい」

さくらんぼ食堂代表の四位さんは、しみじみとこう話します。

 

開設のきっかけは、代表の四位さんが桜交流センターで勉強しているこどもたちに「ご飯も提供したい」と考えたことだそう。

 

四位さんは市内のこども食堂での“修業”を経て、昨年春、勉強会に参加するこどもたちにご飯を振る舞う「塾ご飯」を実現しました。さらに「休日の居場所づくりにもなれば」と毎月1回土曜日にも同食堂をスタートしました。(*取材しているのは土曜開催の食堂です)

 

塾ご飯は学習会のこどもたちが対象ですが、休日の同食堂はだれでも参加できます。

 

塾ご飯の延長で始まったみんなの食堂でしたが、ふたを開けてみると、地域のつながりを求めて参加する子育て世代の参加者が多かったそう。

 

栄地区は旧桜村の中心地で、昔から暮らしてきた地域住民とともに、新しく移り住んできた方々も多くいます。同食堂には、そんな栄地区に転入してきた親子たちが、つながりを求めて参加しているのです。小さなこどもと一緒に訪れたお母さんは「世代の違うこどもたちと会えるのが良いです」と語ります。

 

また、地域のお年寄りも毎月の同食堂を楽しみにしているそう。

お友達同士で毎回参加しているという女性たちは「一人暮らしで、食事を作りが面倒になることも多いので嬉しい」と地域の人たちと一緒に食べる食事を楽しんでいる様子です。

 

さくらんぼ食堂さんには、それぞれが自分にとってちょうどいい「つながり」を求めて人が集まっているようです。

 

「また“さくらんぼ”に行って、ごはん食べて、話がしたいなぁって思ってもらえる場所にしたい」と四位さん。

さくらんぼ食堂は、「あったかい」食事と空間を準備して皆さんを待っています。

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こども食堂・みんなの食堂メモ[3]:さくらんぼ食堂

【日 程】毎月1回、土曜日

【場 所】桜交流センター

【対 象】どなたでも

【定 員】25人

【参加費】子供(18歳以下)無料、大人300円

【問合せ】sakuranbo.table@gmail.com

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