「みんなでつくって、みんなで食べる」体現、食を通じ繋がりつくる

更新日:2025年03月24日

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vol.28 バオバブの子供食堂 さん

なんでも手作り、野趣あふれるこども食堂

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焚火で調理をする飴村さん(右奥)=つくば市小野崎

 

ほどよい加減で燃える焚き火の上に羽釜や鍋。火の周りには、おしゃべりをしながら料理をする大人たちと手伝う子どもたちの姿があります。

そして、そんな人間たちを遠巻きに見守るのは、黒ヤギや犬、ニワトリたち......

 

この牧歌的な雰囲気の中で活動しているのは「バオバブの子供食堂」(以下、バオバブさん)の皆さんです。火起こしから始まる手作りの食事が、心身を温めてくれます。

 

バオバブさんは、小学生の放課後木工教室「子供工房バオバブ」の主宰者・飴村さんが子どもたちのおやつ作りを始めたのがきっかけだそう。「スキルよりも子どもの居場所になれば」と願いを込めます。

 

「みんなでつくって、みんなでたべる」が合い言葉で、バオバブさんは食材から調理まで「手作り」が基本です。

 

羽釜で炊くお米や野菜は、基本的に飴村さんの畑でとれたもの。

それだけでなく、年末に行われる餅つきイベントのもち米やきな粉の大豆、さらに1月のバオバブさんで提供された鴨蕎麦のそば粉も自家製と言います。まさに「なんでも手作り」。

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「生きるために食べている。自分が何を食べているのか関心を寄せるのは当たり前のこと」と飴村さん。

 

取材では、食事の準備中に、蕎麦を打つ大人の姿をじっと観察していたり、恐れずに火の番をしたりする子どもの頼もしい姿が印象的でした。

 

“自給自足”的な生活をする飴村さんのライフスタイルを通じ、“生きる力”を身に着けているのだと伝わってきました。

こどもの居場所づくりが“みんな”の居場所づくりに

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雑談をしながら料理をするお母さん方=つくば市小野崎

 

「作業しながらおしゃべりするのが楽しい」

バオバブの子供食堂さんで料理を作るお母さん方は口をそろえてこう話します。

 

飴村さんが始めたこども食堂の活動。現在は、参加者のお母さん方が主体となって運営しているそうです。

 

お母さん方は食事の準備をしながら、子育てに関する話や料理のレシピ、趣味などについてざっくばらんにおしゃべりするそう。

 

転入者の多いつくば。バオバブさんの活動を通じ、「知り合いが増え、孤独感がなくなるのが良いところ」と魅力を語ります。

 

また、子どもたちの繋がりも広がっているそう。いろんな学区の親子やお年寄りも集まるため、「全然知らない子とも話すし、子どもは知らない大人とも話せる」とお母さん方は見守ります。

 

子どもたちも「違う学校の子と工作や鬼ごっこするのが楽しい」「みんな一緒にごはん食べるのが楽しい」と話します。

 

また、「(食堂に集まるいろんな大人に)怒ってもらえるのも貴重な経験」とのこと。飴村さんは「先生でも近所のおじさんでも親でもない存在」。子どもたちは学校とは違いって緊張し過ぎず、思い思いに過ごせるそうです。

 

「美味しかったです」「ありがとうございました」。参加者たちは満足そうに家路につきます。

 

自然や食、地域への感謝の念が、ここで確かに育っています。

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こども食堂・みんなの食堂メモ[2]:バオバブの子供食堂

【日 程】毎月1回(金曜日)*要予約

【場 所】つくば市小野崎858-1

【対 象】どなたでも(駐車場の関係で、徒歩か自転車でお越しください)

【定 員】約60人

【参加費】小学生未満は無料、

子ども・大人300円

【問合せ】amemura45@gmail.com

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市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
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