認知症とともに、楽しく普通に暮らす

更新日:2025年02月17日

ページID: 23614

vol.25 カフェロマン さん

認知症と共に生きる、まちづくりを共に考える

roman1

笑いヨガを楽しむ参加者=つくば市吾妻のつくば市民センター

 

「今月も元気で会えて良かった。先月はどんな良いことがありましたか?」

定期開催するサロンで代表の篠原さんが質問すると、「東大通りの紅葉が見事ですね」「ラジオ体操への参加が1000回を超えました」と朗らかに会話が始まります。

 

認知症に関心を持つ市民が集まるカフェロマンでは、毎月第一火曜日にサロンを開催。飲み物やお菓子を囲い、集まった仲間で考えていることや悩み、経験を共有します。参加者の中にはオンラインで参加する人もいました。

 

近況報告を終えると、恒例の笑いヨガの時間。

笑いヨガは呼吸法の一つで、手をリズミカルに叩きながら「ほっほっ ははは いぇーい!」と息を吸っては吐きます。その後、脳トレゲームにも挑戦。段々と複雑になる動きに伴って「失敗しても、笑ってごまかしましょう」と講師役のメンバーが声を掛けると、参加者に笑顔が浮かびます。

 

認知症の当事者でメンバーの人は、参加費を回収する係を担当。経理として長年働いた経験を生かします。「世間話をしたり聞いたり、難しいことはいらない。薬も大切だけど、外に出て楽しむことは自分でつくらないといけない」と話します。

 

高齢者の中には外出先の機会が減って家に引きこもりがちになってしまう人も。初参加の夫婦は「こんな場所を探してました」と笑顔を見せます。

自分らしさを求めて動く

roman2

月に1回のサロンの様子=つくば市吾妻のつくば市民センター

 

カフェロマンさんは「認知症の人もこれから認知症になる人も一緒に学ぶ場所」(篠原代表)として活動を7年続けてきました。

 

コンセプトは「ともに生きる」。認知症の人と介護をする人で区切るのではなく、ともに近況報告や情報交換をする月一回のサロンに加え、地域行事などへも参加。みんなで前向きに自分らしく生きる方法を探ります。

 

はじまりは「レクリエーションだけでなく、これまで培ってきた自分の力を生かしたい」「もっとたくさんの場所に行きたい」など既存のサービスを少しだけはみ出して動きたいという思いを持つ4人が知り合ったこと。

 

当事者や家族として認知症と向き合う4人は意気投合し、「やりたいなら、やったらいい」と市民活動としてスタートしたのがカフェロマンでした。

 

サロン活動から始まり、活動2年目にはつくば市のボランティア団体として登録。コミュニティマーケットへの参加などメンバーの「やってみたい」にみんなで挑戦してきました。

 

2023年には、多種多様な立場で認知症をサポートしている人たちでつくる「チームオレンジ」に加わりました。

 

認知症の人もこれから認知症になる人も歩幅を合わせ、活動を前に進めています。

チームオレンジ

認知症の人を症状の初期段階から地域で支えていくため、支援者をつなぐ仕組み。

人生の案内人であり共に学ぶ仲間

roman3

カフェロマン代表の篠原さん

 

「あんな風に年を重ねられたらいいな」。カフェロマン代表の篠原さんは、前向きに活動する参加者から日々多くのことを学ぶそうです。

 

超高齢社会となり、認知症は誰にとっても無関係な病ではなくなりました。「歳を重ねると誰でも病気やケガの悩みがあって、認知症はその中の一つにすぎない」と篠原さんは指摘します。

 

篠原さんも家族として認知症と向き合う人のひとりです。家族が認知症と診断された途端、「役に立たない人になってしまった」と人生に急ブレーキをかける様子を目の当たりにしました。しかし、「認知症でも、少しの支えでできることがある」と訴えます。

 

カフェロマンでは、悩みを抱えながらも工夫して日常生活に楽しさを見出し、普通にくらす人たちと出会います。そんな認知症と向き合う人たちを「自分よりもひと足先を行っていて道案内をしてくれている先輩方」と篠原さんは捉えます。

 

人生の先輩方と出会いにカフェロマンさんの活動を覗いてみてはいかがでしょうか。ご関心がある方は、下記からご連絡してみてくださいね。

お問合せ窓口

070-3195-7630(前田)

heyryo1@gmail.com

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897

お問い合わせは専用フォーム をご利用ください。