人と動物の豊かな関係づくりで社会へ踏み出す勇気を

更新日:2025年02月17日

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vol.21 認定特定非営利活動法人キドックス さん

「声なき声」に耳を傾け設立、地域社会にも想いを広げる

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保護犬カフェを見学する来場者たち=つくば市下広岡

 

「認定特定非営利活動法人キドックス」さんは、自立を目指す若者と保護犬が豊かな関係性を築く中で、それぞれが社会へ踏み出したり、新しい家族と出会ったりすることをサポートしています。

 

「人が怖い」「社会が怖い」

ここでは、そんな同じ痛みを持った犬と若者が出会います。両者は少しずつ良い関係を築き、お互いに社会とつながっていく機会を生み出しています。

 

ただ、「人がその人らしく、その犬がその仔らしく、可能性を発揮できる社会」(キドックスさんビジョンより抜粋)のためには、犬と若者の間だけ良い関係を築いていくのではなく、地域の中でも「ゆるやかな関係」をつくることが大切だそうです。

 

キドックスさんは2022年、現在運用する「ヒューマンアニマルコミュニティセンターキドックス」(つくば市下広岡)に移転しました。

 

施設内にはドッグランやペットホテル、トリミングサロンなど愛犬向けのサービスがあるほか、マルシェや子ども食堂など“犬”を中心に人が集える場づくりが行われています。

 

これは、人や犬たちの抱えている問題について、地域の人が自然と接する機会をつくりたいという想いから実現しました。

 

キドックスさんはこれまでの活動を通じ、そもそも孤立や問題の深刻化を防ぐためには、「関係性の貧困」に取り組む必要に気づいたそうです。

 

事務局長の岡本さんは「困ったことがあっても何とかなる地域づくりが大切。良い関係性によって豊かな生き方ができるのではないでしょうか」と訴えます。

 

社会貢献活動に取り組む中で「社会を変えなきゃ!」という強い気持ちを多くの人に持ってもらうのは大変なことです。そうではなく、日頃から困ったときに助け合える「ゆるやかな関係」を地域でつくることが大切だそうです。

 

心地の良い距離感で社会に関われる活動事例が増えることで、社会貢献活動への参加ハードルが下がっていきそうです。

猫と一緒に自分の居場所を見つけよう、猫部スタート

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猫部のスタッフとして働く猫=つくば市下広岡

 

キドックスさんによると、猫は繫殖しやすいこともあり、過酷な環境で暮らす野良猫の増加や野良猫の糞尿などによる環境被害が深刻な社会問題となっています。

 

社会に居場所を感じられない若者と保護犬の支援をしてきたキドックスさんですが、「猫」に関する相談も寄せられることがあるそうです。

 

そこで、9月に猫部が発足しました。

すでにキドックスさんらしい活動が始まっています。

 

現在始動しているのは、小中学生が主役となり半年で猫の譲渡会を開催するというプログラム。

 

キドックスでは小中学生向けのフリースクール事業も行ってきたのですが、単発イベントが主でした。そこで、子どもたちを中長期的にサポートできる同プログラムが立ち上がったそうです。

 

猫の譲渡会を実施する中で、子どもたちが自分の役割を持ったり、地域の大人と触れ合ったりし、豊かな選択肢を持つことにつなげたい考えです。

 

猫部では、「猫たちのために何ができるのか」子どもたちがそれぞれペースで考えているそう。

猫部のスタッフさんは「居場所としての安心感はピカイチ。ただ、この場にいる瞬間を楽しみ過ぎて、譲渡会についての話が抜けてしまうのが課題」と笑顔で話します。

 

「子どもに自分の好きや得意で社会とつながれると感じてほしい」とスタッフさんは思いを馳せます。

ご興味がある方は、ぜひ猫部さんのインスタグラムを覗いてみてくださいね!

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