TX沿線開発で変わる地域、安全安心に暮らすためのコミュニティづくりを
vol.15 葛城小地区「つなぐ会」 さん
多世代交流で顔見知りの関係を広げよう

初対面だが仲良く将棋を打つ地域住民たち=つくば市学園南のかつらぎ交流館
向かい合って仲良く将棋をさす男性たち。
と思いきや「いや、初めて会いました。名前も知りません」とにやり。対局中に自己紹介が始まるのでした。
葛城小地区で暮らす住民の交流を深める「つなぐサロン」のイベントが9月23日、かつらぎ交流館で開かれました。将棋やカルタ、折り紙など“昔懐かしの遊び”がズラリと並び
、子どもからお年寄りまで同じテーブルを囲ってにぎやかな時間を過ごしました。
主催したのは、葛城小地区「つなぐ会」さん。毎月2回、同館でサロンを展開しています。今回は、サロンを知ってもらおうとPRイベントを開催したそうです。
会場には「オセロ」「ハギレでリース作り」など7つのコーナーを設置。この日は祝日のため、地域の子どもや親子連れも多く参加しました。
「茨城弁ごじゃっぺかるた」大会に参加した小学4年生の女の子は「初めて会ったのに優しい言葉をかけてくれて嬉しかった。また来たい」と笑顔で話していました。
ちなみに、会場内の将棋盤やパチンコ台(スマートボール)は、地域住民の手作り。隠れた達人の技も光りました。
同会代表の杉田さんは「もともとあった助け合いのつながりが失われつつある。サロンをきっかけに再びつながりを深めたい」と未来を見据えます。
このサロン企画は、つくばエクスプレス(TX)の開通で大きく変化した地域コミュニティの希薄化がきっかけだそうです。
TX開発で変わった地域の形、コミュニティの再生へ

かるたで交流する地域住民たち=つくば市学園南
「ここは学校のつながりしかない地域なんです」
葛城小地区「つなぐ会」代表の杉田さんは、同小のPTAを務め、地域のつながりを見守ってきました。
葛城小地区にとって、ここ20年は激動の時代でした。
つくばエクスプレス(TX)の沿線開発で、住宅地が急増。当初、廃校の話が上がるほど児童数が少なくなっていた葛城小では、児童数が約10倍に増えるほどでした。
新しい住民が増える一方、区会や子ども会がない所もあるため、隣近所の人と交流を深めるきっかけを失いがちです。
「挨拶はするけれどその先がない。移り住んできたものの、友人がいなくて家にいるだけという高齢者の方がいた」と杉田さん。
2022年に「かつらぎ交流館」が完成したことをきっかけに、地域の「つながり」を生み出すサロンの開催を決めました。
サロンでは、お茶を飲みながらおしゃべりしたり、簡単な工作やゲームをしたりして少しずつ関係を築いています。
ボランティアとして参加する方も、地域活動に参加するきっかけになり「楽しんでやっている」と絆を深めている様子です。
いざという時に助け合ったり、支えあったりできる安心な地域づくりが進められています。
みんなの安全安心を守るために

つくばエクスプレス(TX)の沿線開発で、新しい住民が急増した葛城小地区。住民が増えたものの、地域のつながりづくりは進んでいなのが課題となっていました。
葛城小地区は、伝統ある葛城小を中心にご近所さんと顔見知りになる土壌が培われてきました。
こうして育んできたつながりは、子どもからお年寄りまで地域で暮らす人たちの安全安心を守り、災害など有事の際に助け合える関係性づくりに一役買ってきたはずです。
コミュニティの希薄化が課題となる近年、葛城小地区「つなぐ会」は、居心地よく地域で暮らし続けていくための新しい関係づくりに取り組みます。
活動を通じて初めて触れ合う人と楽しい時間を過ごしてきた杉田さん。「つながる大切さを感じている。頑張ってつながりを大きくしていければ嬉しい」と先を見据えます。
全国で課題となっているコミュニティの希薄化。
つくばでは新旧住民をつなぐ動きが見られ始めています。
かつらぎ交流館
会議室のほかフリースペースもあり、どなたでも使える施設です。
イベントなどの行事がない時でもふらっとお寄りくださいね。
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897
更新日:2025年01月26日