音楽家とクラフト作家のコラボ、子どもの想像力育む音楽会

更新日:2025年01月26日

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vol.12 創作逢そうさくあい さん

音楽と工作が誘う銀河への旅

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朗読と音楽を組み合わせたパフォーマンスで観客を魅了する創作逢さん=つくば市吾妻

 

「お手元に乗車券はお持ちでしょうか?」

その演奏会の観客が乗車したのは「スターダストツアーズ『宇宙銀河鉄道ミルキーウェイ号』太陽系経由天の川銀河周遊」のロケット電車。乗車案内のような朗読に続きヴァイオリンとピアノの生演奏が流れると、観客は「星空の旅」へ誘われました。

 

生演奏と工作を親子で楽しむ「星空の音楽旅~手作り楽器で音楽遊びをしよう~」が9月7日、ノバホール小ホールで開かれ、約100人の親子が訪れました。主催したのは演奏家とクラフト作家のグループ「創作逢そうさくあい」さん。

 

イベントでは、手作りパネルに夜空の星や惑星、天の川を貼り、朗読で“星空の旅”を案内します。朗読に加え、ヴァイオリンとピアノによる生演奏でディズニー映画・ピノキオのテーマ曲「星に願いを」や日本の童謡「朧月夜」などが流れると来場者は宇宙空間に連れて行かれました。

 

大人は電車に揺られているように体を揺らしてリラックス。子どもたちも演奏に耳を澄まします。しっとりとした演奏のほか、キラキラ星の変奏曲が、1曲の中にいくつ演奏されたか当てるクイズもあり、親子は音色に耳をすましました。

 

また、楽器を手作りする企画もありました。ラップの芯を使ったマラカスが配られ、親子はシールで装飾します。最後には、出来上がった楽器を使って合奏。演奏者のハンドベル演奏に合わせ、会場の全員で一つの曲を完成させました。

 

来場者みんなで同じロケット電車に乗ったような不思議な体験ができました。

この空間を作りには、工夫がたくさん隠されています。

緻密な世界観で想像力がビックバン

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プロの演奏が世界観を完成させる=つくば市吾妻

 

「きれいな音が心に残って、その人が行動するきっかけになったらうれしい」

工作と音楽を掛け合わせた演奏会を展開する「創作逢そうさくあい」さんが見据える未来は、誰もが気軽に音楽に触れて、「楽器をやってみたい」と刺激を受けたり「明日も頑張ろう」と癒されたりする世界です。

 

「演奏会って料金が高くて、敷居が高いと思われている。でもそうじゃない演奏会があってもいい」と創作逢さんの演奏会では、子どもが泣いても床で遊んでいても誰も怒りません。

公園に行くように気軽にステージを見られるようにすることで「クラシックを日常のひとつにしてもらいたい」と声を大にします。

 

また、演奏会の世界観や選曲にも、想いが詰まっています。

 

これまでの演奏会は「ヘンゼルとグレーテル」や「にじいろのさかな」といった親子に親しまれている物語を扱ってきました。

今回のモチーフは「銀河鉄道の夜」。創作逢さんは「内容が難しくて飽きてしまうのではないか」と来場者が≪「スターダストツアーズ」という旅行会社の「宇宙銀河鉄道ミルキーウェイ号」に乗車して「太陽性経由天の川銀河周遊」に旅立つ≫という壮大なオリジナル朗読を作製しました。

 

来場者は受付時に手作りの「乗車券」を受け取るという緻密な仕掛けも。

 

つくば市にあるロケットを電車に見立てた≪ロケット電車≫に乗り、太陽系や天の川、夏の大三角をつくる星々へ出発―――、この朗読に合わせて空にちなんだ曲が演奏されることで“乗客”のイメージはさらに膨らみます。

 

選曲は、子どもにも大人にも「分かりやすく」「ホッとする」ようにこだわったそうです。

「子育てが大変なママパパにもホッとする時間を過ごしてほしい」という想いが込められています。

 

音楽×朗読×工作は、天文学的数字の想像力を搔き立てられますね。

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音楽会の受付で配られた乗車券

子ども心がトキメク出会いを

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創作逢そうさくあいの皆さん

 

「創作逢そうさくあい」さんは音楽と工作、朗読を掛け合わせた活動をするユニット。

メンバーは、つくば市出身でピアニストの大野啓美さん、千葉県習志野市で演奏活動や出張レッスンをするヴァイオリニストの太刀川華枝さん、習志野市で幼児造形教室をする鈴木久美子さんの3人です。

 

イベント「星空の音旅」では、鈴木さんが手作りのパネルを使いながら朗読を披露し、大野さんと太刀川さんが生演奏をしました。

 

2022年度に「創作逢そうさくあい」という名称で団体を設立しましたが、活動はそれまで10年ほど続けていたそうです。

 

始まりは、習志野市での子ども向けボランティアでした。

「絵本に音楽がつくとこうなるんだ!」と絵だけでは子どもに伝わらなかった物語の世界観が表現できたことに衝撃を受けたそうです。

 

音楽が盛んなつくば市でも活動を展開しようと市内でもイベントを開催しています。

ノバホールのほか、これまでに幼稚園や保育園10カ所で実施しました。

 

楽器を手作りしたり、演奏会で扱う絵本にちなんだ工作をしたりするのが特徴。音楽を聴くだけなく子ども自身も参加しているからこそ、集中できるそうです。

 

音楽、工作、朗読、人形劇といった多分野に一度に触れられるのも強み。「どこに自分のやりたいことがあるのか探せるみんなのコンサート」と子どもの選択肢を増やすきっかけ作りにも積極的です。

 

活動を「大人のごっこ遊び」と表現し、遊び心いっぱいで活動している3人。「楽しくて続けている」と語ります。

今後も幼稚園や保育園などで演奏会を開催していきたいそうです。

 

「創作逢そうさくあい」さんへのご依頼は、下記の電話番号から☆彡

050-3510-0808(担当:大野)

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897

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