演奏スキルだけではない学びを、子どもが主役のオーケストラ
vol.11 筑波ジュニアオーケストラ さん
演奏を通じて育む心、子どもの市民楽団

演奏する筑波ジュニアオーケストラのみなさん
「筑波ジュニアオーケストラ」さんは、地元の有志が運営し、県南地域を中心に小学生から大学生までの子どもたちが参加する市民楽団です。
楽団は2016年9月、心豊かな感性を持つ子どもたちを育成し、地域の音楽・文化活動を盛り上げようと地元の有志が立ち上げました。
当初は20人程度の団員が集まれば活動を本格化させようと考えていたそうですが、応募人数はなんと80名以上に!
オーディションを経て2017年4月、86名で活動を開始しました。
団体名を“筑波”と漢字表記にしたのは、つくば市内に限らず広い地域の子どもの受け皿になるため。「筑波山の見える地域の子はみんな集まれ」と呼び掛けており、実際にTX沿線や千葉県にも団員がいます。
また、楽器の購入や練習場所の確保などは、地元企業や個人からの協力を得ているそうです。
一貫して大切にしている合い言葉は「感謝、友情、成長」。子どもたちは演奏技術を磨くだけでなく、仲間と演奏する喜びや楽団を支えてくれる存在への感謝の気持ちも学んでいます。
「大人のアマチュアオーケストラに比べ、何倍も手を掛けないといけなく大変なことも多いけれど、子どもたちが一人ではできない体験をたくさんして、楽しんでいる姿が見られるのが何よりも嬉しい」と立ち上げメンバーは振り返ります。
音楽を奏でるだけでない価値が生まれています。
未来へ繋がる“経験”と“関係”

プロの指導を受けて練習に励む子どもたち
「子どもたちは先輩から大学で研究しているテーマや、音楽専攻で進んだ話等を聞いて『こんな道があるんだ』と知り、人生の選択肢が増えるきっかけになっている」と話すのは、筑波ジュニアオーケストラを立ち上げたメンバーのひとり。
卒団生の中には、音楽家の道へ進んだ団員も。
茨城を飛び出て活躍したり、後輩の指導をしに来てくれたりするそうです。
楽団では毎週日曜日、プロの音楽家を招いて指導を受けます。
個人でレッスンを受けているのと異なり、アンサンブル力、音楽の表現力を高め、仲間と1つの曲を作っていきます。
子どもたちはプロから直接刺激を受けるほか、先輩団員からも声を掛けてもらい、伸び伸びと音楽を学びます。
大学生やOBは、実行委員会に入って練習や演奏会のサポート役に回ることも。最初人前で話せなかった大学生、OBが、実行委員会に入ることで積極的に話すようになり、団員たちをまとめる姿を見せるようになったそう。卒団生の活躍の場にもなっているようです。
入団当初高校1年生で今年OBとなった団員は「ここでしか会えなかった仲間ができ、いろいろな刺激をもらい、普段の生活でもいろいろチャレンジしてみようという精神力も付きました。これからは後輩のために未来に続けていけるよう私も運営に関わっていきたい」と思いを語ってくれました。
また、進学のために休団している子どもやOBたちが、コンサートのたびに顔を出してくれるそうです。
設立から8年、多くの子どもたちと歩んできた筑波ジュニアオーケストラさん。子どもの未来を応援するだけでなく、ふと立ち止まった時には帰ってこられる居場所に成長しています。
聴いてほしい!地域に根差した音色

演奏を披露する筑波ジュニアオーケストラさん=つくば市
筑波ジュニアオーケストラさんは毎年、「定期演奏会」のほか「サマーコンサート」「クリスマスコンサート」「卒団コンサート」を行っているそうです。また、地元のイベントや企業から依頼を受けて演奏を行っています。
10周年に向け、応援してくれる地域に皆さんからさらなる信用を得られるよう、2023年には一般社団法人となりました。「地域に根差した活動にしていく」と意気込みます。
同楽団では、オーケストラへの参加はまだ難しい初級者から参加できる「つくばキッズアンサンブル」も展開しています。
また、今年1月からは、“部活動の地域移行”にともない、「もっと練習に打ち込みたい」という子どもや「音楽指導の経験を生かしたい」という教員を対象とした「ジュニアつくばウィンドウオーケストラ」も開始。まつりつくば2024(8月開催)のパレードではマーチング、同年の定期演奏会ではウェルカム演奏を披露しました。
ぜひご家族で演奏会にお越しください。やりたい楽器が見つかるかもしれませんよ!
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 つくば市民センター
〒305-0031 つくば市吾妻一丁目10番地1
電話:029-855-1171 ファクス:029-852-5897
更新日:2025年01月26日