つくばのおさけ推進協議会

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「つくばのおさけ推進協議会」の発足

つくば市内の多種多彩な酒造りを盛り上げる!

つくば市内で生産されたお酒の普及促進を図り、つくばの地場産業を盛り上げるべく、市内の酒蔵2社、ワイナリー4社、ブルワリー2社が一体となり2024年5月24日、「つくばのおさけ推進協議会」(事務局:つくば観光コンベンション協会)が発足しました。

そのお披露目イベント「つくばのおさけで乾杯!」が2024年9月29日、つくば駅前のBiViつくばで開催されました。

イベントは、つくば市の「乾杯条例」に沿って、参加者全員での「乾杯!」の掛け声からスタート。各社イチオシのお酒が当たる抽選会や、歌やダンスのアトラクションも披露されました。

参加者は生産者から直接お酒の説明を受けられるなど、お酒ファンと生産者が交流でき、つくばのおさけを日頃から愛されているお客さまはもちろん、初めて知った試飲したというお客さまも多数おられ、新たな出会いと発見のあるイベントとなりました。

イベントの様子
イベントの様子
イベントの様子
イベントの様子
つくばのおさけ推進協議会 延時 崇幸会長

つくばのおさけ推進協議会 延時 崇幸(のぶとき たかゆき)会長

副会長の今村ことよさん

つくばのおさけ推進協議会 今村 ことよ副会長

参加した生産者へのインタビュー

つくばブルワリー

筑波山麓天然水で造るつくばのクラフトビール

代表取締役の延時崇幸さんにお話を伺いました。


2020年に洞峰公園そばに醸造所併設のタップルームをオープン。2024年春には筑波山麓に新たな醸造所が完成。筑波山の天然水を使用したエールやスタウトなど人気のスタイルのビールから茨城県産のモルトや、つくばのお米、福来(ふくれ)みかんなど地元の素材を使ったビール造りも展開しています。

キーワードは〈人と人を繋ぐビール〉。「クラフトビールだったら目の前で飲んでもらえ、企業ともコラボできて、輪を作りながら楽しむことができます」

もともと映像制作の仕事をされていた延時さんは、取材で全国へ足を運び、地方で頑張っている方の熱い想いに触れる中で「地元の人が楽しめる事業を自分で始めたくなった。親が楽しんでいたら子供も面白い、すると子供はそれ以上のことをしたくなる。そんな風に楽しいことを重ねていけば、盛り上がっていくんじゃないか」という想いがクラフトビール造りを始めたきっかけだったと語ります。

「クラフトビールの魅力は進化できること。これからもトライ&エラーを重ねて、おいしいビール造りに挑戦し、つくばのビールをもっとたくさんの人に飲んでいただきたいです。筑波山観光や筑波山神社にお越しの際はぜひ、お立ち寄りください」


つくば市筑波2980-1、つくば市二の宮二丁目14-15


「つくばのおさけ推進協議会」設立について

「つくばのおさけ推進協議会」の初代会長を務めることになった延時さん。つくばのおさけをこれからどのように広めていきたいか伺ってみました。

「日本酒、ワイン、ビールと様々なお酒の醸造所が繋がるのは全国的にも稀なことだと思います。そして、生産者だけでなく、つくばで造られたお酒を育てていくことも見据えて、販売してくださっている卸やお店の皆さん、飲んでくださっているお客さま、地域の方など、たくさんの人々の想いでこの協議会は設立されました。皆さん、つくばが大好きなんです。協議会を通じてお酒造りの人たちが輪になり、新しいことにも挑戦して、つくばの魅力をさらに高めていけたらと思っています」

つくばブルワリーの延時さん
つくばブルワリー商品
つくばブルワリー
つくばブルワリー

ビーズニーズヴィンヤーズ

茨城の食に寄り添うワイン

代表の今村ことよさんにお話を伺いました。


今村さんが造るワインのコンセプトは、食事に寄り添う「気が付いたらなくなっているワイン」。冷えていても「よく香りが立つワイン」で、「あ、いい香り!あ、おいしい!気が付いたら空いている、また次も飲もう!」。そんなワインを造りたいと、はつらつと語ります。

茨城県守谷市出身で筑波大学を卒業し、製薬会社で新薬の研究開発に携わっていた今村さんは、いずれはつくばに帰ってきたい気持ちがあったそうです。社会人になってからワインの世界にのめり込み、筑波山の豊かな土壌でワイン造りをすることを目指すようになりました。

「今はまだ『つくばでワインが造れるんだ』というところですが、『つくばにこんないいものがあるよ』と言ってもらえる商品を造っていきたい。少しずつでもいいものを造り続けて積み重ねていきたい」と力強く話してくださいました。

また、「海外では、地元のものを食べるときに地元のお酒を合わせるのは普通のこと。茨城やつくばの食に合わせて、地元のお酒を飲むことが当たり前になったら」という思いがあるそうです。食べることが大好きな今村さん。2023年に試飲販売所併設の自社ワイナリーを筑波山麓の臼井に設立しました。ぶどう作り、ワインの醸造に加え、「食」にも新しいチャレンジをされていくそうです。

「年によって気候が全然違いますので、こんな年でしたよ、ということを裏ラベルに書いています。ワインは農業から出来た農産物なんだということも、もっと伝えていきたいです」


つくば市臼井2534 

ビーズニーズヴィンヤーズ01
ビーズニーズヴィンヤーズ
ビーズニーズヴィンヤーズ
ビーズニーズヴィンヤーズ

稲葉酒造

筑波山麓にある伝統的かつ革新的な酒蔵

会長の稲葉芳貴さん、杜氏の稲葉伸子さんにお話を伺いました。


稲葉酒造は、江戸時代末期の創業時から造り続けている〈男女川〉、杜氏の伸子さんが現在の6代目を継承されてから立ち上げたブランドの〈すてら〉、地元の晩酌用に親しまれる〈神仙〉など幅広い層のお客さまに飲んでいただける多彩な日本酒を展開。地域で長年愛され、伝統的な技術を土台に新しい技術やアイデアを取り入れながら、女性や海外など日本酒の新たなファンと市場を広げている蔵元です。

「日本酒は季節ごとに楽しみ方があります」と杜氏の稲葉伸子さん。「秋は、春先に絞った酒を一夏熟成させた〈ひやおろし〉の日本酒を楽しみにされているお客さまがいらっしゃいます」。こちらは、ぬる燗にすると、秋の味覚である秋刀魚やきのこなどの味わいが引き立つそうです。また、全て純米大吟醸で国内はもとより、海外の鑑評会でも高い評価を得ている〈すてら〉は、「とてもフルーティーで、お正月などお祝い事の際に、場を華やかにするお酒」です。イベントでもお酒を飲み比べているお客さまの表情がぱっと明るくなり、造り手の稲葉さんがお酒を説明する姿もにこやかで、まさにブースが華やいでいました。

また、つくばに徹底的にこだわったお酒も企画されています。「米はつくば産100%、水は筑波山の湧き水、ラベルやパッケージのデザインまで、全てつくばの書家やデザイナーが手がけた〈男女川 純米吟醸 TSUKUBA100〉は、まさにつくばを味わうことができる地酒です」

「飲んでくださった方に『おいしい』と言ってもらえること、笑顔になっていただけることが酒造りの楽しみです。ぜひ一度、筑波山麓の蔵にもお立ち寄りください」


つくば市沼田1485番地 

稲葉酒造の稲葉芳貴さんと、稲葉伸子さん
稲葉酒造商品
稲葉酒造
稲葉酒造

浦里酒造店

1877年創業、吉沼の地で茨城の豊かな味わいを醸す

6代目杜氏の浦里知可良さんにお話を伺いました。


「つくばをはじめとした茨城のお米と、茨城生まれの小川酵母にこだわったお酒造りを行っています」と浦里さん。

代表的な銘柄である〈霧筑波〉は淡麗で、食事を引き立てる辛口の味わい。〈浦里〉は芳醇な味わいが特徴です。「酵母やお米は同じものを使っていますが、〈霧筑波〉は引き算のお酒で、余計な味わいをそぎ落として造っています。一方、〈浦里〉は足し算のお酒で、お米の持っている味わいや、酵母の特徴を引き出して造るんです」

98%以上が茨城県内で消費され、地元に愛されている〈霧筑波〉に加えて、6代目継承後に立ち上げた〈浦里〉は県外に茨城の地酒を発信することを想定しているそうです。

「つくばは、筑波研究学園都市として最先端技術が集まっているまち。片や100年以上の歴史を持った、蔵や街並みが残っており、いわば伝統と革新が交わる場所です。そういった所で酒造りできることが面白いですね」と楽しそうに話します。

「酒造りの世界も研究がどんどん進んでいます。最新の技術や知識も出てきているので、その造り方を勉強して生かしています。伝統技術も大事にしつつ、最新技術や知見も取り入れていきたい。その在り方が、つくばの雰囲気と合っているのではないかと思います」

伝統と革新が交じり合ってできる新しい味わいは、つくばのこれからを映していくのかもしれません。

「和醸良酒。良い和があると良い酒ができます。良い酒の周りには良い和ができます。そんな和の循環を目指しています」


つくば市吉沼982

浦里知可良さん
浦里酒造の商品
浦里酒造店
浦里酒造店

つくばヴィンヤード

栗原地区から広がるワインの魅力

代表取締役の髙橋学さんにお話を伺いました。


「いいぶどうを作って、結果いいワインになることを目指しています」

つくばヴィンヤードの代表的な品種である白のプティ・マンサンと、赤の小公子。これらのぶどうは、ワインにすることに適しているのに加え、農場のある栗原の土壌に合っていると髙橋さんは言います。「ワインにとって大事な酸がしっかり出るんです。できるだけいいクオリティのぶどうを作って、『素直な造り方』でいいワインになる。それが一番いい」

シンプルかつ率直なワイン造りの考え方は、髙橋さんの人柄にも表れています。ワイン造りのきっかけは「定年後なにをやるか?ということを55歳ぐらいから考えたんです。自分でぶどうを作って、ワインを造って、晩酌できたらいいなと、それしか考えていなかった」と笑って話します。

つくば市内の研究機関で岩石や地質の研究をされていた髙橋さん。ワイン畑に対するアプローチは科学的かつ挑戦的です。その人柄と情熱に引き寄せられて、農地の整備から収穫まで髙橋さんをサポートする地域の人々がたくさんいらっしゃいます。

「毎朝、ワイナリーに着いて農場の景色を眺めるとものすごく元気が湧き、充実感を得られます。それはすごく大事なことだと思います」

「つくばの酒生産者が一堂に会するこのような場があり、お客様に『おいしい』と言ってもらえることは生産者としてとても励みになります」

「ワイン造りは『楽しい』の一言!ワイン造りに関心を持たれた方は栗原のワイナリーと畑にぜひ一度お越しください」(栗原のワイナリーではワインの販売は行っていません)


つくば市栗原2944-1

高橋学さん
つくばヴィンヤードの商品
つくばヴィンヤード
つくばヴィンヤード

つくばワイナリー

つくばの気候・風土にあったぶどう作りを追求

醸造責任者の大浦颯人さんにお話を伺いました。


筑波山を仰ぎ見る広大な敷地で、山ぶどうとの交配種である白の北天の雫、赤の富士の夢など茨城の気候風土に合った品種を栽培されています。

「寒気を含んだつくばおろしと海からのミネラル豊かな風が出会う」というこの土地は、地質もワイン造りに適しているといいます。「ぶどうは基本的に乾燥地帯でよく育つので、土の水分がありすぎると味が薄くなってしまいますが、ここは水はけがよく、栽培に適した土壌なんです」

ぶどうの出来具合は毎年、気候条件などによって異なるそうです。「ワインは本当にぶどうありきなので、その年のぶどうのポテンシャルを引き上げるために、常に気配りと工夫を欠かさないことが大切です。同じ人が育てていても、ぶどうの出来は毎年異なります。だからこそ、その中で試行錯誤することがワイン造りの面白さだと思っています。筑波山方面にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。ワインショップやバーベキューなどが楽しめるスペースもご用意しています」


つくば市北条字古城1162-8

つくばワイナリーの皆さん
つくばワイナリーの商品
つくばワイナリー
つくばワイナリー

ツインピークスマウンテンブルーイング

つくばで本場ドイツのビールが味わえる

イベント当日はオーナーのボイクマン・カーステンさんが参加できなかったため、代わりに醸造アシスタントの唐澤環江さんにお話を伺いました。


オーナーのボイクマンさんは、日本国内で新薬開発のキャリアを重ねた後、ドイツのミュンヘンでビール醸造の修業をされ、ビール純粋令に則ったドイツビールとご自身も大好きというIPAやスタウトなどのスタイルのクラフトビールを筑波研究学園都市の中心部にあるつくば市東新井で製造されています。

オーナーも唐澤さんも以前は研究者で、ビール造りも研究に近いものがあると話します。「クラフトビールは同じレシピでもちょっとしたことで異なる味になります。モルト・ホップ・酵母の違い、いろいろな組み合わせによって造れることが面白いんです」

また、ツインピークスでは、一年を通じて様々な季節限定ビールを楽しむことができます。夏には爽やかな〈レモンヴァイツェン〉、秋には〈オクトーバーフェスト〉やオーナーの出身地であるドルトムントのビール〈エクスポート〉、冬限定の〈冬の温もり〉はしょうがとオレンジピール、シナモンの香りでジンジャークッキーのような味わいだそうです。

ボイクマンさんがお店を始められたきっかけをお尋ねすると「セカンドキャリアという意味で、将来、おいしいビールと次の人生を第2の故郷である地元つくばで楽しみたいという想いがあったそうです。造ったビールをお客さまが口に含んでハッピーな表情をする瞬間が嬉しいから」とお話しされる唐澤さんの笑顔もとても印象的でした。

「組み合わせで無限の味になる・オリジナルを造れるところにすごく魅力を感じています。つくば駅近くのビアレストランでは、併設した醸造所を窓越しに眺めることができます。ビールに合う料理も楽しんでいただけますので、ぜひお越しください」


つくば市東新井18番地8

ツインピークスマウンテンブルーイングの皆さん
接客をするツインピークスマウンテンブルーイングの方々
ツインピークスマウンテンブルーイング
ツインピークスマウンテンブルーイング

取材:友部穂乃歌、仲条佑佳、宮本真理子(第17代つくば観光大使)
編集:つくば市広報戦略課
写真撮影:鈴木茂樹(白と水と糸)/つくば市広報戦略課
企画協力:つくばのおさけ推進協議会(つくば観光コンベンション協会内) 

「つくばのおさけ推進協議会」参画事業者

関連リンク

飲酒運転及び未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 広報戦略課
〒305-8555 つくば市研究学園一丁目1番地1
電話:029-883-1111(代表) ファクス:029-868-7628

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