姉妹で作る、思い出のカレー。唯一無二の味を目指して

更新日:2024年04月10日

ページID: 20231

Case13. 篠﨑 公子(しのざき きみこ)さん・篠﨑 友紀(しのざき ゆうき)さん|スパイスカレー しのの

現在つくば市のチャレンジショップ「吉沼まちかどテラス」では、「スパイスカレー しのの」が店舗を構えています。姉の篠﨑友紀さんと妹の篠﨑公子さんが二人三脚で営むこのお店は、かつてお二人の叔母さんが作られていたカレーを復活させたいという思いで始められました。製造から販売まで手探りの中で出会った吉沼まちかどテラス。じかにお客さんと触れ合う中で、徐々に自分たちが作ったカレーの手ごたえを感じ始めています。「思い出のカレーをまたみんなに食べてもらいたい」と試行錯誤中の、息ぴったりな姉妹にお話を伺ってきました。

篠﨑友紀(左)さん。公子(右)さん。

篠﨑友紀(左)さん。公子(右)さん。

茨城県下妻市出身。姉妹で同じ会社に勤めながら、休日を使ってスパイスカレーの製造、研究を始める。お二人の叔母さんが営んでいたカフェで人気メニューだったカレーの味を再現したいと、何種類ものスパイスを調合し、唯一無二のこだわりカレーを目指す。現在、吉沼まちかどテラスとインターネットで瞬間冷凍されたカレーを販売中。今後は道の駅などに販路を拡大することも計画している。

姉妹とカレーの出会い

小さい頃はよくケンカをしたという友紀さんと公子さん。しかし、昔から二人でいるとなぜかいいことが起こるんだそうです。ばらばらでいるより二人で何かできないかと感じていたときに浮かんだのが、お二人の叔母さんが営んでいたカフェで出されていたカレーでした。
「もともと私の叔母がいばらきフラワーパークの近くでカフェをやっていて、そこで出していたカレーがすごく人気があったんです。結構都内からも来ていただいていました。もうそのお店は事情があってやっていないんですけど、また食べたいっていうお声が結構あって。自分たちで何かやってみたいなと思っていたところに、そのカレーのことが浮かび、叔母にレシピを聞いて始めました」公子さんはそう話します。

叔母さんがカフェを営んでいたのは10年ほど前。その人気から地元のふるさと納税の返礼品にしないかという話もあったそうです。しかし全国配送される商品にするには、カレーを作る専用の施設がないとできないと言われ断念せざるをえませんでした。お二人はその経験から、カレーを作る専用の施設を作り、ネット販売ができないかと考えました。そして実家の一角に小屋を作り、叔母さんからもらったレシピをもとにカレーの製造を始めます。

始めはECサイトに出品したり近所の人に配ったりしていましたが、ネットだけでは味を知っている人が少なく、販売は難航したそうです。
「やっぱり味を知ってもらわないと買ってもらえない」
そんなときに、つくば市在住のいとこから吉沼まちかどテラスを紹介されました。

現在お二人は、つくばではなく、それぞれ下妻と守谷にお住まいだそうで、いとこからその情報を得られたのはまさに渡りに船でした。「いとこがいなかったらチャレンジショップの話も知らなかったと思います。いとこがつくば市に住んでいたから、チャレンジショップというのがあるよ、しかもつくば市に住んでなくてもいいんだよというのを聞いて。やっていきたいなって思ったんです」と公子さん。友紀さんは「ご縁なんでしょうか」とつぶやきます。

インタビューの様子

自慢のこだわりスパイスカレー

二人が目指すカレーは、地元の食材を使った、家庭では簡単にできないカレー。叔母さんのレシピを忠実に再現し、地元で飼育されたつくば鶏を使用し、10種類以上のスパイスを調合して作ります。「まずカレーをそれぞれ違うスパイスを混ぜて3種類作ります。その3種類をさらに混ぜて作るのがうちのカレーなんです。なのでかなり手間暇かかっているんですよ。パパっとできないんです」

また、そのおいしさをそのまま保存するため、パック方法にもこだわっています。はじめは真空にしてから冷凍していましたが、瞬間冷凍ができるマシーンを導入したそうです。するとお肉の柔らかさや味の再現度が格段に上がりました。

自慢のこだわりスパイスカレー

店頭ではまずは味を知ってもらうために、試食のカレーを用意しました。販売するのはテイクアウトと冷凍のカレーです。「まずは味を知ってもらわないと。Instagramでは、パックされたカレーなので本当に映えないんです。ここで食べられると思って来られる方もいるんですけど、冷凍のものを買っていただくというのがメインで、味を知ってもらうために試食をちょっと出しているだけです」と友紀さんは話します。

インタビューの様子

吉沼まちかどテラスの魅力

お二人はカレーを完成させてから、しばらくインターネットで販売を行っていましたが、吉沼まちかどテラスと出会い、出店を決めました。家賃も手頃で、味を知ってもらわないといけないと思っていたお二人にはちょうどぴったりのきっかけでした。

また、出店を決めた理由の一つに、お客さんの声をじかに聞きたいという理由がありました。「自分たちのカレーを作っていてわからなくなるときがあるんです。本当においしいって思っていただけるのかなって。吉沼まちかどテラスでいろんな人に食べてもらって、どういう風に思っていただけるのかなというのがわかるのも魅力だし。今はお子様も召し上がれるような、マイルドなカレーを出していますが、でも辛い方が本当はいいのかとか。ここで直接お客さんと接することで、そういうことを知れるのもいいなと思います」と公子さん。

つくばでやろうと思ったのも、より多くのお客さんと関わって、味を知ってもらうためだったと言います。
「つくばなら新しいものを受け入れてくれそう」つくばが持つ柔軟な雰囲気が、お二人のチャレンジを後押ししました。

インタビューの様子

どうしたら知ってもらえるか

吉沼まちかどテラスに出店が決まってからは、宣伝周知にも力を入れてきました。Instagramを始め、そこで知ってお店に来てもらう。そういう戦略を立てて実践しましたが、なかなか難しく、ほとんどのお客さんは、市報を見て知ったとか、お友達の口コミで食べてみたくなって来てくださるそうです。

お店と並行してネット販売も行っていますが、そちらの方はなかなか動かないそう。検索するのも難しいようで、販売ページに辿りつかないという声も聞くそうです。「自分たちのホームページからお買い物できるようにしたいです。でもお買い物をするためのページを作ると、また更に費用がかかってしまうみたいで。いずれはできればいいと思っています」

どのようにしたら周知してもらえるかという課題。吉沼まちかどテラスでの出店をはじめの一歩に、多くの人にカレーの味を知ってもらいたいと方法を模索しています。

インタビューの様子

目標に向かって一歩ずつ

2023年10月から始まり、2月までの出店予定でしたが、期間が延長され6月までになりました。今後は道の駅においてもらい、お土産感覚で手に取ってもらいたいと言います。

最終的には小さなカフェを開きたいそう。「冷凍での販売だけではなく、実際にお店で味わってもらえるようにしたいです。カレーうどんとか、ハンバーグにかけるとおいしいって言ってくださる方がいて、いろいろなアレンジができると思うんです。結構トマト感が強くて濃厚なので、ソース的な感じで使えます。そういうのを出していきたいです」

今は仕事と並行しながらカレー作りと販売を行う篠﨑さん姉妹。現在は空いた時間で挑戦しながら、将来の目標に向かってステップアップの時期だと張り切っています。

インタビューの様子

これからチャレンジしようとしている人へ

「未来はどうなるのかわからないのでその一歩を踏み出してほしいかなと思います。私たちもね、どうなるかわからないけど」と友紀さん。
「自分たちの前に、ろはんさんといういなり寿司屋さんがやっていたんですけど、そのろはんさんがすごく素敵で。ろはんさんも初めから全部わかってやっていたわけではなくて、調べながらやって、今ではあんなに成功されています。そういう先輩を見て、私たちも目指せるんだっていうことを知りました。先輩たちを見れることもすごく嬉しかったし、手探りでも挑戦している人たち、誰もできないところから一歩ずつ進んでいくことで、成功を目指して夢を持てるんです」と公子さん。

夢を語る二人は声をそろえて言います。「楽しいんです。売れていなくても楽しいんです。挑戦することが大事なんだって」
吉沼まちかどテラスに応募したのも市役所に相談したのもダメ元でした。しかし、何かしたいと思ったときに、実際に一歩足を動かすことに意味があると言います。一歩足を進めることで、新しい人との出会いがあったり、助けてくれる人も現れます。

「ここに携わってから出会った人たちがすごく良い方ばかりで、幸せだなと思っています」と友紀さん。
「いろんな出会いから話が広がります。こうした方がいいんじゃないかってアドバイスももらえるし、機会があったら、チャレンジすることが大事だと思います。出会いに感謝です。ほんとうに楽しいんです、ここで出会う人たちが」

こだわりカレーを手に持つ篠﨑さん姉妹

友紀さんと公子さんはこれからも力を合わせて、叔母さんから受け継いだスパイスカレーを作り続けます。たくさんの人にこの味を届けたい、二人は明るい笑顔で決意を新たにしました。

息ぴったりの姉妹が作る、唯一無二のスパイスカレー。生活の中にピリッと刺激が欲しい、そんなあなたに「スパイスカレー しのの」のカレーはいかがでしょうか。

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