パブリックコメント資料 つくば市バリアフリーマスタープラン(案) 【概要版】 令和6年(2024年) 月 つくば市バリアフリーマスタープランとは    【本編 第1章】 「バリアフリーマスタープラン(以下、「マスタープラン」)」とは、バリアフリー法に基づいた計画であり、旅客施設等を中心とした地区や、高齢者や障害者等が利用する施設が集積している地区を「移動等円滑化促進地区」として設定するとともに、市域全域におけるバリアフリー化の方針を示すものです。 マスタープランを策定することで、市民・行政・学校・研究機関・事業者・関係団体といった様々な関係者間でその認識が共有され、バリアフリー化に向けた取り組みが加速し、誰もが安心して自分らしく生活できる持続可能なまちづくりが推進されます。 対象区域                   【本編 第1章】 全市的なバリアフリー化の促進に関する基本的な方針として、対象区域をつくば市全域とします。 マスタープランの位置づけ           【本編 第1章】 マスタープランは、市の上位計画ならびに関連する各種計画との整合をとりながら、総合的なバリアフリー化の推進を図ります。 バリアフリー化の課題             【本編 第2章】 基礎調査(市民アンケート調査、関係団体ヒアリング調査、まち歩き点検)から、つくば市におけるバリアフリー化の課題を以下に整理します。 課題1 徒歩等による移動及び公共交通に関する課題 移動等円滑化を図るためには、市民の足元となる歩道等の移動経路の整備が不可欠ですので、高齢者や障害者等の多様な市民が円滑に移動できるよう、連続性を確保した上で、絶えず整備や改良を重ねていく必要があります。また、事業者と連携すること等によって公共交通の利便性を高めることは、これらの取り組みと合わせて重要です。 課題2 心のバリアフリー(ソフト面)に関する課題 ハード整備を補う存在としての「心のバリアフリー」を育む環境づくりのため、学校等における取り組みを推進するとともに、高齢者や障害者等の多様な市民による交流を後押しすることによって、お互いが理解し合える環境をつくる必要があります。 課題3 市の施設に関する課題 観光施設や運動施設を含めた市の施設においては、高齢者や障害者等の多様な市民の利用が想定されることから、施設の新旧を問わず率先してバリアフリー化を推進すべきです。バリアフリー化の際は、屋外からの導線や施設職員等による合理的配慮(一人ひとりの困難さに合わせたサポート)も考慮する必要があります。 バリアフリー化に向けた基本的な考え方    基本理念 つながりを力に「誰一人取り残さない」まちづくり 基本方針1 「誰もが移動しやすいまち」の実現に向けた整備・改良 誰もが移動しやすいまちを目指し、様々な関係者が連携しながら歩道の段差や傾斜の解消及び効果的な点字ブロックやわかりやすい案内看板の設置などを進めるとともに、切れ目のない保守管理を実施していきます。 また、整備・改良をする場合は、施設間における移動の連続性を考え、必要に応じて新たな技術や先進的な事例を取り入れることも検討します。 さらに、これらの取り組みを推進するには、誰もが利用しやすい公共交通とのつながりが大切ですので、これからも交通事業者と連携しながら利便性の向上に取り組んでいきます。 基本方針2 「心のバリアフリー」を育む環境づくり 施設や設備などのハードの整備だけでは本当のバリアフリー化は達成できません。高齢者や障害者などの様々な市民がお互いをしっかりと理解することは、助け合いの心を育てる第一歩であり、困っているときに周囲からの声かけや手助けがあれば、どのような人にとっても移動しやすい環境になります。学校での教育を始めとした様々な機会を通じて「心のバリアフリー」を育む取り組みを進めるとともに、これらの様々な市民による交流を後押ししていきます。 基本方針3 公共施設におけるバリアフリー化 市内のバリアフリー化を進めるためには、まず、つくば市が所有する公共施設のバリアフリー化に積極的に取り組まなくてはいけません。新たな施設を建設するときはもちろん、すでにある施設においてもバリアフリー化を進めていきます。バリアフリー化に当たっては、施設内における合理的配慮(一人ひとりの困難さに合わせたサポート)の手法も考えながら、様々な関係者と連携し、すべての人が使いやすい施設を目指します。 【関連施策】 1 バリアフリーマップ等を活用した移動等円滑化の推進 2 つくばの玄関口のおもてなし機能向上 3 駅前広場におけるバリアフリー化の推進 4 つくバスにおける乗り降りのしやすさの向上 5 歩道の改修時における改善策の検討 6 公園施設におけるバリアフリー化の推進 7 歩道における継続的な維持・補修の実施 8 新技術を用いた移動の連続性の確保 9 合理的配慮支援事業による民間事業所のバリアフリー化の推進 10 つくバスの利便性向上 11 つくタクの利便性向上 12 交通事業者との連携 13 ユニバーサルデザインの理念の浸透 14 妊産婦への理解の促進 15 障害者差別の解消に向けた関係者間の協議の促進 16 「心のバリアフリー」を育む学校教育の推進 17 本人・家族・地域が一体となった認知症バリアフリーの推進 18 スポーツやレクリエーション活用を通じた交流機会の創出 19 ジオガイド等を対象とした講座による啓発の促進 20 交通安全教室による啓発の推進 21 日本人と外国人が共生できる環境づくりの推進 22 性的少数者への理解を促進するためにセミナーの開催 23 公共施設におけるバリアフリー化の推進 24 職員研修による理解向上・意識啓発の推進 25 障害者差別解消法の理念の啓発・周知 26 窓口等における新技術の活用 27 サインガイドラインによる統一的な案内サインの活用   移動等円滑化促進地区             【本編 第4章】 移動等円滑化促進地区の考え方 移動等円滑化促進地区とは、生活関連施設が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区をいいます。 つくば市における移動等円滑化促進地区は、市内のバリアフリー化を図る上でのモデル地区と捉え、多様な特性を持つ地区を設定することで、実施された好事例を将来的に類似する他地区へ波及させることを目指すものです。 【移動等円滑化促進地区のイメージ】 イメージ図 移動等円滑化促進地区の設定 基礎調査として実施した「まち歩き点検」では、最終的な移動等円滑化促進地区となる可能性を考慮した特徴的な4地区を選定し、多様な関係者の協力のもとで実施しました。その結果として、全ての地区において一定のバリアフリー化の必要性が明らかになったことを踏まえ、移動等円滑化促進地区として、「つくば駅周辺地区」、「研究学園駅周辺地区」、「大曽根・筑穂地区」の3地区を移動等円滑化促進地区に設定します。なお、まち歩き点検を実施した「天久保地区」については、「つくば駅周辺地区」と一体的な区域とします。 【移動等円滑化促進地区の特徴】 つくば駅周辺地区 つくば駅周辺地区は、つくば市の玄関口であるとともに、生活関連施設数及び鉄道・バスの乗降者数が最多であり、将来的な市全域のバリアフリー化を図る上で必要不可欠となることから、路線バスやペデストリアンデッキによる移動の連続性がみられる天久保地区等と一体的に移動等円滑化促進地区とします。 【つくば駅周辺区域図】 【移動等円滑化促進地区の特徴】 研究学園駅周辺地区 研究学園駅周辺地区は、大型ショッピングセンターや市役所が立地していることから、多様な市民等が数多く訪れます。さらに、鉄道駅を中心として市街地が形成されている点において、他の鉄道駅を中心とした市街地へ波及させるモデル地区になり得ることを勘案し、移動等円滑化促進地区とします。 【研究学園駅周辺区域図】 【移動等円滑化促進地区の特徴】 大曽根・筑穂地区 大曽根・筑穂地区は、合併前の旧町村時代からの歴史ある市街地と土地区画整理事業によって整備された既成市街地という2つの特徴を合わせ持っていることから、鉄道駅を有しない市街地へ波及させるモデル地区となり得ることを勘案し、移動等円滑化促進地区とします。 【大曽根・筑穂区域図】 行為の届出                  【本編 第4章】 届出制度とは バリアフリー法では、公共交通事業者または道路管理者は、旅客施設の建設または道路の新設等で、移動等円滑化の促進に支障を及ぼすおそれがある場合は、市町村に事前に届出するよう規定されています。 移動等円滑化促進地区のうち、バリアフリー法に基づく生活関連旅客施設のある、つくば駅周辺地区および研究学園駅周辺地区の届出制度の対象とする範囲は以下のとおりです。 なお、届出制度の対象とならない範囲であっても、各事業者等と十分に連携することによって施設間の移動の連続性を確保していきます。 【つくば駅周辺地区】 ・つくば駅地上部、A1〜A5の出入り口部およびエレベーター出入り口部。 ・つくば駅地下部、自由通路(県道)とT]構内の境界部。 【研究学園駅周辺地区】 ・研究学園駅、自由通路(市道)とT]構内の境界部。 心のバリアフリー               【本編 第5章】 心のバリアフリーの必要性 心のバリアフリーを推進していくためには、高齢者や障害者等に対する偏見や無理解といった、心の中にある見えないバリアをなくして、一人ひとりが行動を起こすことが必要です。 @ 障害のある人への社会的障壁※を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること。 A 障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること。 B 自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと。 出典:ユニバーサルデザイン2020 行動計画 ※社会的障壁とは…「物理的なバリア」、「制度的なバリア」、「文化情報面のバリア」、「意識上のバリア」の4つのバリアがあるとされます。 心のバリアフリーの推進に向けた役割 市民や施設の管理者、行政などがそれぞれの役割を果たしながら、バリアフリー施策の取り組みを総合的かつ一体的に推進していくことが大切です。 【行政の役割】 多様な関係者と協力しながら、広報活動、啓発活動、教育活動等の心のバリアフリーを育む取り組みを計画的に推進する役割を担います。 【事業者の役割】 社員・職員におけるバリアフリーの意識を高める教育を推進するとともに、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れながら多様なニーズに応える役割を担います。 【市民の役割】  障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解し、お互いが理解し尊重できる環境づくりを推進する役割を担います。 マスタープランの評価・見直し         【本編 第6章】 マスタープランの進捗評価については、社会情勢の変化や上位関連計画との整合を図るとともに、基本理念や基本方針に沿った各施策の進捗確認及び効果検証を実施し、改善策や新たに必要となる取り組みについて検討します。 また、具体的な取り組みである関連施策については、原則、毎年度の進捗状況を確認しながら、着実なステップアップを目指します。 つくば市バリアフリーマスタープラン 令和6年(2024年) 月 発行 つくば市政策イノベーション部企画経営課 〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1 電話 029-883-1111(代表) FAX 029-828-4708