第3次つくば市環境基本計画[改定版](案) 令和8年(2026年)4月 〔対象期間〕 令和8年度(2026年度)から令和12年度(2030年度)まで 目次 第1章 計画の基本的事項 (1)計画策定・見直しの背景と目的 (2)環境基本計画の位置づけ (3)計画の対象範囲 (4)計画期間 (5)第3次計画策定時の主な検討事項 (6)第3次計画の中間の振り返りと今後の方向性 (7)本計画の構成 第2章 目指すべき将来像及び施策体系 (1)目指すべき将来像 (2)将来像を実現するための施策体系 第3章 将来像の実現に向けた基本目標 基本目標1 先進的な脱炭素都市を形成して気候変動に対処する 基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来へつなぐ 基本目標3 資源を賢く使う循環型社会形成を加速する 基本目標4 安心で快適な生活環境を次世代につなぐ 第4章 基本目標の実現を推進する横断的目標 横断的目標1 市民・事業者が共に環境を考え、行動する 横断的目標2 環境と経済の好循環を目指す 第5章 計画の進行管理 (1)計画の推進体制 (2)進行管理の考え方 資料編 (1)本計画に記載された施策の方向性の主な担当部署 (2)指標設定の意図・理由 (3)アンケート結果の概要 (4)つくば市環境基本条例 (5)計画策定・見直しの経緯 (6)つくば市環境審議会委員名簿 第1章 計画の基本的事項 本計画の位置づけ、計画期間などの基本的事項を記載します。また、本計画策定時並びに中間見直し時の主な検討事項を記します。 (1)計画策定・見直しの背景と目的 @環境基本計画の趣旨 私たちは、恵み豊かな地球環境の恩恵を受けながら、日々の暮らしを営んでいます。きれいな空気、清らかな水、色とりどりの草花、食卓を彩る様々な食材など、数多くの自然の恵みを享受しています。 しかしながら、日々の生活が豊かで便利になった一方、大量消費・大量生産・大量廃棄を行う社会経済構造となり、それが環境への負荷となって地球環境にマイナスの影響を与えています。気候変動や生物多様性の損失などは人間が安全に活動できる「地球の限界」に達しているという指摘もあるほど、人類を支える地球環境の悪化がますます深刻化しており、喫緊の課題となっています。 地球環境の問題は、日々の暮らしを脅かされるという意味で私たち一人ひとりが被害者といえ、一方で私たちの生活による環境への負荷が引き起こすため一人ひとりが加害者でもあります。そのため、地球環境の恩恵を将来の世代に引き継いでいくために、私たち一人ひとりが主体的に環境問題に取り組む必要があります。 つくば市環境基本条例(平成10年(1998年)施行)では、このことを「私たちは、安全で快適な生活を営むために健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を有するとともに、その環境を将来の世代に引き継ぐことができるよう環境を保全する責務を担っている」と明確に示しています。そして、つくば市環境基本計画は、「環境の保全」の基本理念(第3条)にのっとり、つくば市の環境行政を総合的かつ計画的に推進するため、第7条の規定に基づき策定される計画です。 A第3次つくば市環境基本計画策定・見直しの経緯 第2次つくば市環境基本計画(以下、「第2次計画」という。)は、第1次つくば市環境基本計画の満了に伴い平成22年(2010年)4月に策定され、この第2次計画に基づき、つくば市の環境行政が進められてきました。 第2次計画が期間満了するに当たり、令和2年(2020年)4月に第3次つくば市環境基本計画(以下、「本計画」という。)を策定しました。その後、令和6・7年度(2024・2025年度)に本計画の中間見直しを行い、令和8年(2026年)4月に、同時期に改定作業を行った「つくば市地球温暖化対策実行計画区域施策編」と一体的に本計画を改定しました。 (2)環境基本計画の位置づけ 本計画は、「つくば市未来構想」を環境面から具体化するものであり、つくば市の環境に関する計画の中で最も上位の計画と位置づけられます。そのため、今後策定する個別の計画は本計画との整合を図るものとします。 本計画は国、県の環境基本計画及び関連計画とも整合を図り、効率的かつ効果的、計画的に環境保全の推進を図っていくものとなります。 図 第3次つくば市環境基本計画の位置づけ (3)計画の対象範囲 本計画の対象範囲は、つくば市全域とします。 しかしながら、環境問題は、市内の局所的なものから、茨城県や国レベル、そして、世界レベルで取り組むべきものまで様々な問題が存在します。そのため、近隣自治体や茨城県、国とも連携しながら施策を展開していきます。 (4)計画期間 本計画(改定版)の計画期間は、令和8年度(2026年度)から令和12年(2030年度)までとします。 (5)第3次計画策定時の主な検討事項 @第2次計画における施策の実施状況 第2次計画では、9つの『環境項目』(水、大気、土、地球温暖化対策、緑と生き物、廃棄物とリサイクル、産業、くらし、環境教育)が取り組むべき環境項目として設定されており、環境を改善する『施策』を実施してきました。具体的には、それぞれの施策に関連する『関連施策』を実施しました。のべ356関連施策(細項目間の重複も含む)のうち、315関連施策を「実施中」または「完了」しており、予定されていた関連施策のうち約88%を10年間で実施したこととなります。 表 第2次つくば市環境基本計画の『環境項目』、『施策』、『関連施策数』 図 第2次計画の環境項目ごとの関連施策の実施状況 図 環境項目ごとの関連施策の実施状況(割合) Aつくば市の環境分析 第3次計画策定時につくば市の環境の現状に関する分析を実施しました。その結果、つくば市の環境の「強み」として、例えば、筑波山の眺めが綺麗であることや自然豊かな環境が魅力的であること、地産地消が可能な田園都市であることが分かりました。また、研究学園都市の特性として研究機関が多くあるため、研究機関との連携をより強化することで、最先端の知見をつくば市の環境保全や市民の啓発にいかして、取組を推進していくことが重要です。 一方、都市開発により自然や緑が減少していることや、野焼きや交通騒音が課題であることなどは、つくば市の環境における「弱み」といえ、積極的に改善していく必要があります。また、市民の日常生活における自家用車の利用率が高いことなどから、市民の日常生活における環境配慮行動を促進する必要性があると考えられます。 国内外の気候変動対策、生物多様性などの動向を積極的に捉え、つくば市の環境の「強み」をより強化し、「弱み」を改善していくことで、つくば市の環境をより望ましいものとしていくことが重要と考えられます。 図 『つくば市の環境』に関する分析結果 (6)第3次計画の中間の振り返りと今後の方向性 @国内外の動向 <環境全般に関する動向> 〇持続可能な開発目標(SDGs) 平成27年(2015年)9月の国連サミットで、2030年までの国際的な目標として、持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。その中では、「誰ひとり取り残さない」を合言葉に、経済・社会・環境のバランスのとれた発展を目指す17のゴールと169のターゲットが掲げられています。SDGsには、気候変動、エネルギーや資源の効率的利用、生物多様性など、環境に関連する内容が多く含まれており、つくば市はSDGs未来都市に平成30年(2018年)に選ばれています。 図 SDGsのロゴ 〇国の第六次環境基本計画 国の環境基本計画は、国の環境施策の大綱を定めるものであり、国の第六次環境基本計画(令和6年(2024年)5月閣議決定)では、「国民一人ひとりのウェルビーイング(幸福・生活の質)の向上」を最上位の目的としています。同計画では、環境の質を高めながら経済・社会が持続的に発展する「循環共生型社会(環境・生命文明社会)」の構築を目指しており、環境を軸とした経済・社会の発展に向けた動きが強まっています。 〇第4次茨城県環境基本計画 茨城県では、令和5年(2023年)3月に第4次環境基本計画を策定し、将来像として「豊かで魅力ある自然が守られ、持続可能で環境と調和した社会」を掲げています。具体的には、1.脱炭素社会の実現、2.循環型社会の実現、3.自然と共生する社会の実現、4.霞ヶ浦などの湖沼環境の保全と共生、5.身近な地域環境の保全の5つの基本目標の実現を目指しています。 <気候変動対策に関する動向> 〇国際的な気候変動の議論 世界的に平均気温の上昇、雪氷の融解、海面水位の上昇が観測され、我が国においても平均気温の上昇、大雨、台風等による被害、農作物や生態系への影響等が観測されています。令和5年(2023年)7月には国連事務総長がその深刻さを「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と表現し、国際社会は気候変動対策を加速させています。 〇国内における気候変動政策の進展 令和2年(2020年)10月、当時の内閣総理大臣による所信表明において、国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。これを受け、令和3年(2021年)には「地球温暖化対策の推進に関する法律」(地球温暖化対策推進法)が改正され、脱炭素社会の実現が法律上の基本理念として位置づけられました。同年10月には、「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することなどが示されました。 その後、令和7年(2025年)2月には、新たな「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、2035年度に2013年度比で60%、2040年度には73%の温室効果ガス削減を目指すとしています。また、同時に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、2040年度の電源構成として、再生可能エネルギーを「4?5割程度」として最大限導入することとしています。 また、国は脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現すべく令和5年(2023年)10月に「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)を閣議決定しました。同戦略は令和7年(2025年)2月に改訂され、GX(グリーン・トランスフォーメーション)分野での投資を通じ、革新技術をいかした新たなGX事業が次々と生まれ、素材から製品に至るサプライチェーンが脱炭素エネルギーの利用やDX(デジタル・トランスフォーメーション)により高度化された産業構造を目指すこととしています。 <生物多様性に関する動向> 〇昆明・モントリオール生物多様性枠組 現在、地球上では人間の活動により生物種絶滅の速度が加速し、生物多様性が失われ続けており、自然が「ネガティブ」な状態にあります。令和4年(2022年)12 月に生物多様性に関する世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、2030年までに生物多様性の損失を止めて回復させ、「ポジティブ」の状態にする「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の考え方が掲げられました。また、同目標には「30 by 30(サーティー・バイ・サーティー)」という、陸と海の30%を健全な生態系として保全する目標も盛り込まれました。 〇国の生物多様性国家戦略2023?2030 国の生物多様性国家戦略2023-2030(令和5年(2023年)3月閣議決定)においては、「ネイチャーポジティブの実現」を中心に、生物多様性と自然資本の保全・活用を推進することが示されています。気候変動との統合的対応、「30 by 30」の達成など、多角的な視点から施策の方向性が定められています。 <資源循環に関する動向> 〇サーキュラーエコノミー(循環経済)への転換 大量生産・大量消費型の経済社会活動は、大量廃棄型の社会を形成し、健全な物質循環を阻害するほか、気候変動問題、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の破壊など様々な環境問題にも密接に関係しています。 世界全体で環境問題が深刻化する中、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出し、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を目指すことが国際的な潮流となっています。 〇国の第五次循環型社会形成推進基本計画 国の第五次循環型社会推進基本計画(令和6年(2024年)8月閣議決定)では、「循環経済の推進」が、産業競争力の強化、経済安全保障、地方創生、さらには「ウェルビーイング(生活の質の向上)」の実現にもつながるものと位置づけられています。地方自治体には、地域特性をいかした資源循環、廃棄物の適正処理、住民意識の変容促進など、多様な役割が期待されています。 A第3次計画の中間の振り返り   〇評価指標からみた振り返り <基本目標1 低炭素モデル都市を形成して気候変動に対処する> 評価指標「温室効果ガス排出量」について進捗は「遅れ」となっており、温室効果ガスの削減に関する施策の強化が必要となっています。 評価指標「低炭素住宅の新規入居戸数」の進捗は「順調」となっているものの、基本目標の達成を目指していく視点で見ると、評価指標自体の対象範囲が狭いという課題があります。 評価指標「市民満足度調査「低炭素社会の推進」」の満足度について進捗は「遅れ」となっており、市民満足度の向上に関する施策の強化が必要となっています。 図 温室効果ガス排出量 図 低炭素住宅の新規入居戸数 図 市民満足度調査「低炭素社会の推進」の満足度 <基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来につなぐ> 評価指標「つくば市の緑地面積」について進捗は「やや遅れ」となっています。評価指標自体について、基本目標の達成を目指していく視点で見ると、量的な面の評価は可能であるものの、質的な面の評価ができないという課題があります。 評価指標「生物多様性つくば戦略」は計画の策定そのものが目標であるなか、計画は令和6年度(2024年度)に策定済となっています。 図 つくば市の緑地面積 <基本目標3 資源を賢く使う循環型社会に近づく> 評価指標「市民一人当たりの生活系ごみ排出量」の進捗は「順調」となっています。 評価指標「市民一人当たりの事業系ごみ排出量」の進捗は「やや遅れ」となっており、事業者向け対策の強化が必要となっています。 図 市民一人当たりの生活系ごみ排出量 図 市民一人当たりの事業系ごみ排出量 評価指標「リサイクル率」の進捗は「順調」となっています。 図 リサイクル率 <基本目標4 安心で快適な生活環境で暮らす> 評価指標「市民の環境不満足度」の進捗について、「ごみの処理や収集方法」は「やや遅れ」であるものの、「水のきれいさ」、「静けさ」、「空気のきれいさ」は「順調」となっており、市民が安心で快適に暮らしていけるよう、今後も生活環境の改善を推進していくことが必要と考えられます。 図 市民の環境不満足度 <基本目標5 市民一人ひとりが環境を考え、行動する> 評価指標「環境配慮行動を行った市民の割合」の進捗は「遅れ」となっており、意識改革や行動変容に関する施策の強化が必要となっています。 評価指標「つくば市主催・共催の環境啓発事業参加者数」の進捗は「遅れ」となっており、啓発に関する施策の強化が必要となっています。 評価指標「環境スタイルサポーターズ事業所会員のうち取組に参加した事業所数」は関係する事業が廃止されたことによりデータが収集できておらず、指標自体の見直しが必要となっています。 図 環境配慮行動を行った市民の割合 図 つくば市主催・共催の環境啓発事業参加者数 〇第3次計画の中間見直しの方向性 <「環境と経済の好循環」を分野横断的目標として新設> 国の第六次環境基本計画(令和6年(2024年)5月閣議決定)で、環境の質を高めながら経済・社会が持続的に発展する考え方が示されるなど、本計画策定以降、環境を軸とした経済・社会の発展を志向する動きが一段と強まっています。 つくば市においても、国の「脱炭素先行地域」の選定(令和5年(2023年)11月)を受けるなど、本計画策定以降、新たな地域経済・社会づくりの動きが活発化しています。 こうしたなか、本計画の中間の進捗状況が「遅れ」となっている評価指標のひとつに「温室効果ガス排出量」が挙げられます。つくば市の温室効果ガス排出量について、その半分以上は事業者からの排出によるものであり、脱炭素分野において事業者からの温室効果ガスの削減が大きな課題と考えられます。また、基本目標3における3つの評価指標の中で、中間の進捗状況が「順調」となっていない指標は「市民一人当たりの事業系ごみ排出量」のみであり、資源循環分野においても、事業者対策が課題といえます。 事業者は環境分野に対策・投資する意思はあっても、現状では本業の利益に直結しないことが多く、実行に移しづらい面があると想定されます。 このため、本計画では、事業者向けの対策を一段と強化し、地域経済の発展にもつなげるべく、「環境と経済の好循環」を本計画の分野横断的な新たな目標として位置づけ、施策展開を図ることとします。 <基本目標5「市民一人ひとりが環境を考え、行動する」の位置づけを見直し> 本計画の中間の進捗状況が「遅れ」となっている評価指標として、「市民満足度調査「低炭素社会の推進」の満足度」、「環境配慮行動を行った市民の割合」、「つくば市主催・共催の環境啓発事業参加者数」が挙げられ、脱炭素分野における市民満足度の向上に資する教育・啓発をはじめとする各種対策、環境に配慮した行動や環境保全活動への参加に課題があり、市民・事業者の意識改革・行動変容が重要と考えられます。 このため、本計画では、基本目標5「市民一人ひとりが環境を考え、行動する」について「環境と経済の好循環」と並ぶ横断的目標として位置づけを見直し、教育・啓発の観点から各基本目標の実現を分野横断的に推進するものとします。 <評価指標の再構築と計画の実効性の向上> 本計画の評価指標において、基本目標を達成していく視点から対象範囲が狭いもの(例:低炭素住宅の新規入居戸数)、目標を達成したもの(例:生物多様性戦略の策定)などが存在し、見直し後も管理していくためには、一部の指標に変更・修正等が必要です。 また、関連計画が法令の要請等により策定・改定されるなか、本計画と関連計画の運用で重複した進行管理が生じるなどの課題も生じており、本計画と関連計画の役割分担の明確化が必要となっています。 以上を踏まえ、環境分野の具体的な事業の運用は関連計画等に委ねることとし、本計画は目指すべき将来像、基本目標、施策の方向性に沿って、2030年までに取り組むことの概要をまとめる役割とし、評価指標も2030年の目指すべき将来像の達成に向けて計画の進捗をより適切に測ることができるものに再構築します。これにより、これまでの重複管理の課題を解消し、計画の実効性の向上を目指します。 (7)本計画の構成 本計画は、第1章において、環境基本計画の背景や位置づけ、対象範囲や計画期間などの基本的事項を示しました。 第2章において、2030年に実現したい目指すべき将来像について、文章とイラストで表現しました。また、その将来像を実現するため、4つの「基本目標」、11の「施策の柱」、そして「施策の柱」に紐づく47の「施策の方向性」、2つの「横断的目標」からなる施策体系を構築しました。 第3章において、「基本目標」ごとに、つくば市の現状と課題、基本目標に特に関連するSDGsを示し、さらに計画の成果を測る指標を設定しました。また、それぞれの「基本目標」、「施策の柱」に紐づく「施策の方向性」と、市民や事業者に期待される取組を示しました。 第4章では、「横断的目標」ごとに推進方針を示し、計画の成果を測る指標を設定しました。この「横断的目標」は、第3次計画の中間見直し後に新設したもので、4つの「基本目標」全てに共通し、それらの実現を推進する役割を持ち「教育・啓発」と「環境と経済」に関するものです。 第5章では、本計画を実効性のあるものとしていくための計画の推進体制と進行管理の考え方を示しました。 図 横断的目標の位置づけ・役割 図 本計画の構成 第2章 目指すべき将来像及び施策体系 本計画で目指す将来像を示すとともに、将来像を実現するための施策体系を記載します。 (1)目指すべき将来像 つくば市環境基本条例に示されているとおり、筑波山を望む豊かな自然の恵みのもと、私たちは日々の暮らしを営んでいます。そして、この恵みを享受する権利を有するとともに、将来の世代に引き継げるよう環境を保全する責務を担っています。 つくば市には、豊かな自然、最先端の科学技術、多様な市民がいるなど、多くの強みがあります。このつくばならではの強みをいかした持続可能都市となることで、世界に新たな未来像を提示し、SDGsの達成に貢献することができます。 以上のことを踏まえ、本計画では、2030年の目指すべき将来像を以下のように設定します。また、その将来像を実現するため、4つの基本目標と2つの横断的目標を設け、より具体的な将来像と施策を示します。 豊かなつくばの恵みを未来につなぐ 持続可能都市〜 全世代が創り育む幸せなグリーン・シフト 〜 基本目標1 先進的な脱炭素都市を形成して気候変動に対処する つくば市ならではの強みをいかした気候変動対策が進み、市民、事業者、大学・研究機関、市が連携して取り組んで、カーボンニュートラルを目指す先進的な都市となっています。 省エネルギーへの取組や再生可能エネルギーの導入が推進されることで、まちや建物の脱炭素化が浸透し、生活を豊かにする環境技術が活用される都市となっています。 バスやデマンド型交通などの公共交通が充実し、自転車利用が快適になることで、自家用車に頼らなくても生活利便施設にアクセスしやすいまちに近づいています。 酷暑や豪雨などの異常気象・災害に対して、その影響を低減する適応策を進めることで、強靭で柔軟性のあるまち(レジリエンスのあるまち)となっています。 基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来へつなぐ 筑波山をはじめとする山々、牛久沼などの池沼や河川、里地里山などの美しい景観が維持されるとともに、生き物の生息・生育地の連続性が保たれ、在来の多様な生き物が息づいています。多くの人々は自然の恩恵を実感しており、つくば市の重要な自然を理解し、大切に思いながら生活を送っています。 貴重な自然や緑豊かな街並みが将来にわたり守られるよう、市民や事業者も協働して、筑波山地域ジオパークなどのつくば市ならではの特徴をいかしつつ、ネイチャーポジティブ(自然再興)を推進し、平地林や農地、公園、庭の緑、水辺などを守り、育て、ふれあい、活用する取組が進んでいます。 基本目標3 資源を賢く使う循環型社会形成を加速する 市民や事業者、市が地球の資源の有限性を認識しており、地域で最適な生産・消費が行われることで、資源の浪費はほとんどなくなっています。 市民、事業者、行政の協働により、資源の浪費がなくなるだけでなく、ごみの発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)という3Rを推進することで、“ごみ”という概念がなくなるくらい資源循環される仕組みができ、資源効率性が高まっています。 基本目標4 安心で快適な生活環境を次世代につなぐ 静かで清潔なまちの中で、清々しい空気、清らかな水を享受した、穏やかで質の高い暮らしが営まれています。 市民や事業者、市が「きれいなまちづくり」を進める取組を協働しながら進めたことで、不法投棄やごみのポイ捨てがなくなり、快適で心地よい生活環境になっています。そして、大気汚染や水質汚濁、騒音などの公害や健康被害を防ぐため、法令に基づく基準が遵守されるとともに、さらなる低減を図る事業者も多くいます。 ? 横断的目標1 市民・事業者が共に環境を学び、考え、行動する 市民一人ひとりが、環境について楽しく学び、家庭や職場、地域、学校において、つくば市や地球の環境が日常的に話題になり、環境保全の取組が市域に広がっています。 市民や事業者の身近に環境について学ぶ機会があり、つくば市の現在や未来を担う人たちの環境意識がさらに高まっています。 横断的目標2 環境と経済の好循環を目指す 環境に配慮した事業活動や環境に優しい消費行動が広がり、環境価値が積極的に評価されています。 つくば市の持つ豊かな地域資源を活用し、環境を軸とした新たな取組やビジネスの創出が図られています。 環境に配慮した経済活動が、地域社会の活性化につながり、環境保全と経済成長が互いに良い影響を与え合っています。 (2)将来像を実現するための施策体系 図 将来像を実現するための施策体系 第3章 将来像の実現に向けた基本目標 本計画で目指す将来像を実現するため、基本目標ごとに2030年までに実施していく施策の方向性及び市民・事業者に期待される取組について記載します。 基本目標1 先進的な脱炭素都市を形成して気候変動に対処する ●将来像 つくば市ならではの強みをいかした気候変動対策が進み、市民、事業者、大学・研究機関、市が連携して取り組んで、カーボンニュートラルを目指す先進的な都市となっています。 省エネルギーへの取組や再生可能エネルギーの導入が推進されることで、まちや建物の脱炭素化が浸透し、生活を豊かにする環境技術が活用される都市となっています。 バスやデマンド型交通などの公共交通が充実し、自転車利用が快適になることで、自家用車に頼らなくても生活利便施設にアクセスしやすいまちに近づいています。 酷暑や豪雨などの異常気象・災害に対して、その影響を低減する適応策を進めることで、強靭で柔軟性のあるまち(レジリエンスのあるまち)となっています。 ●将来像を実現するための施策の柱 施策の柱1−1 脱炭素社会の実現に向けた様々な主体の取組の促進 施策の柱1−2 まち・建物の脱炭素化 施策の柱1−3 交通システムの脱炭素化 施策の柱1−4 気候変動への適応 ●現状と課題 つくば市では世界的な課題である気候変動に対して、2030年度までに脱炭素を達成する先進的なモデル地域である「脱炭素先行地域」(令和5年(2023年)11月に国により選定)、無作為抽出で選ばれた市民が話し合い気候変動対策をまとめて提言する「気候市民会議」(令和5年(2023年)9〜12月)等の先進的な取組を進めてきています。 市域から排出される二酸化炭素に代表される温室効果ガス排出量は減少傾向にあり、令和3年度(2021年度)は1,868千t-CO2の排出となったものの、人口の増加が続く中、つくば市の目標である2030年度に2013年度比46%削減を達成するためには、市民、事業者、大学・研究機関との連携を強化するとともに、まち・建物における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入・活用を加速化させていく必要があります。 また、自家用車が主たる交通手段となっているつくば市にとって、交通システムの脱炭素化も重要な課題となっており、自転車や公共交通の利用、自家用車のEVへの切り替え等を促進していくことが求められます。 気候変動による影響は、異常気象による災害の発生、人の健康や農業などの産業にも及ぶと予想され、温室効果ガスの排出抑制の取組(緩和策)だけでなく、気候変動への適応を見据えた取組(適応策)も進めていく必要があります。 ●基本目標に特に関連するSDGs 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 11.住み続けられるまちづくりを 13.気候変動に具体的な対策を 17.パートナーシップで目標を達成しよう ●計画の成果を測る指標 <基本目標の成果指標> 温室効果ガス排出量、目標値 1,109千t-CO2(2030年度) <施策の柱の評価指標> 1.地球温暖化への対応を自分事として捉え行動している市民の割合、目標値 83.9%(2030年度) 2.市域における再生可能エネルギーの導入量、目標値 506MW(2030年度) 3.日常利用する交通手段として公共交通を選択する市民の割合、目標値 45.0%(2029年度) 4.気候変動の影響への備えに取り組んでいる市民の割合、目標値 74.2%(2030年度) 指標に係る経年データ 図 つくば市域の温室効果ガス排出量の推移 施策の柱1−1 脱炭素社会の実現に向けた様々な主体の取組の促進 1.施策の方向性 ○大学・研究機関や事業者との連携強化 市内にある大学・研究機関、事業者との連携を強化し、脱炭素化に寄与する取組や研究を進めます。特に、事業活動における脱炭素化を促進するため、事業者との連携を進めます。 ○市民・事業者の行動変容に向けた仕組みづくり 家庭の温室効果ガス排出量の見える化や事業者の温室効果ガス排出量の把握・公表を促す仕組みの構築等を進め、市民・事業者の行動変容を促します。 ○マルチベネフィットな脱炭素化プロジェクトの推進 大学・研究機関、事業者、市民等と連携して、気候変動への対策となるだけでなく、経済や社会的課題の解決にも貢献できる脱炭素化プロジェクトを実施・推進します。 図 つくば市脱炭素ブランディングロゴデザイン ○環境学習・普及啓発の推進 つくば市独自の次世代環境教育カリキュラム(つくばスタイル科)の実践により、子どもたちの環境やエネルギー、持続可能性を大切にする実践的な姿勢の育成や環境に関する体験的な活動の充実を図ります。 環境に配慮した行動について、市民・事業者が自分ごととして考えられるよう普及啓発の方法を工夫します。 ○地産地消の推進 地産地消を推進する店舗の認定、市内の農産物直売所の活用、学校給食における積極的な市産農産物の利用などにより、地場産業の発展とともに、食品輸送における温室効果ガスの排出量抑制を図ります。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○照明をこまめに消灯するなど日常生活の中で省エネ行動を行う ○製品やサービスを購入する際は、省エネ型のものを選択し、環境に良い製品の普及促進に努める ○家庭でのエネルギー使用量を把握し、家庭でできることを考えて、省エネ型の生活に転換する ○地球温暖化の影響について理解を深める ○環境に対する関心を持ち、積極的に情報を入手して理解を深め、環境リテラシーを身につける ○環境について日々学び、日常生活の中で持続可能なライフスタイルを実践する ○市や団体等が開催する各種環境イベントなどへ参加する 〇市域で行われる環境技術の実証実験に協力する ○事業者による環境配慮活動に積極的に協力する 〇積極的に市産農産物を消費する 事業者に期待される取組 ○商品に省エネラベルなどを掲載し、その良さを説明することで、消費者の理解促進に努める ○設備更新時に省エネ設備や再生可能エネルギーを導入し、事業所の脱炭素化を推進する ○環境への負荷が小さい電力メニューを選択する ○「RE100」や「再エネ100宣言 RE Action」に参加する ○脱炭素化に向けて行政や研究機関、他の事業者、市民との連携を進める 〇市内の環境活動に積極的に参加する ○学校や地域の環境教育に積極的に協力する 〇従業員一人ひとりが事業活動の中で環境行動を実践するよう促す ○事業活動に伴う環境負荷などの情報を収集・把握し、CSR 報告書などにとりまとめて、積極的に発信する ○環境をビジネスの機会と捉え、技術開発や設備投資に取り組む 〇脱炭素経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す 〇環境に関する行動方針・目標を設定し、活動の報告・公表を行う 〇安全・安心かつ環境に配慮した農産物を生産・使用する 〇市産農産物の流通・販売を積極的に推進する 施策の柱1−2 まち・建物の脱炭素化 1.施策の方向性 ○省エネルギー化の促進 省エネ設備の導入や電化に向けた設備更新、効率的なエネルギーマネジメントシステムの導入、既存住宅・建物の断熱改修等の支援や周知を行い、まち・建物の省エネルギー化を促進します。 ○再生可能エネルギーの導入促進と活用 市民・事業者への情報提供等により、住宅・建物への再生可能エネルギーの導入を促進します。また、市内の再生可能エネルギーの導入を適正に誘導する仕組みの検討等により、まちの脱炭素化を進めます。 ○徒歩やシェアモビリティ等によるアクセスしやすいまちづくり 脱炭素化を牽引する先導的かつ優れた街区の普及展開を図るとともに、徒歩やシェアモビリティ等を利用するアクセスしやすいまちづくりを進め、市内の脱炭素化を進めます。 ○公共施設の脱炭素化 公共施設において照明のLED化等省エネ設備への更新を進め、消費エネルギーを削減します。また、適切なエネルギーの消費量を把握し、太陽光発電を始めとした再生可能エネルギー設備の導入や排熱利用を推進します。さらに、取組内容の周知・啓発を行い、市域への浸透を図ります。 図 市役所本庁舎の太陽光発電 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○建物を新築する際には、エネルギー効率や断熱性能に優れた住宅を選択する ○新築・既存住宅への太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、改築の際の断熱改修や省エネ設備の導入を進める 事業者に期待される取組 ○市民に対して、エネルギー効率や断熱性能に優れた住宅の快適性や経済的なメリットなどを紹介し、普及促進に努める 〇オフィスや工場などを新築する際には、エネルギー効率や断熱性能の高さを重視する 〇新設・既存施設への太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、改築の際の断熱改修や省エネ設備の導入を進める 〇街区整備の際には、まちの脱炭素化を目指し、電力消費に伴うCO2排出量実質ゼロや、排熱を有効利用する仕組みの導入を検討する 施策の柱1−3 交通システムの脱炭素化 1.施策の方向性 ○公共交通の整備と利用促進 つくば市が構築を進めている「拠点連携型持続可能都市」の方針を踏まえ、コミュニティバス(つくバス)、乗り合いタクシー(つくタク)、筑波地区支線型バス(つくばね号)など公共交通の充実を図り、市民の利便性向上と交通の脱炭素化を推進します。 図 つくバス ○自転車利用の推進 自転車は環境にやさしい交通手段であることから、駐輪場や道路など自転車が安全かつ快適に利用できるような空間を整備し、継続的な改善を検討します。 また、市外からの来訪者が経済的かつ効率的に移動できるように、シェアサイクルやレンタサイクルの利用を促進します。 ○自動車利用の脱炭素化の促進 市民・事業者のEV等への切り替え、市内でのEV充電器の設置を促進するなど、市域における脱炭素モビリティの普及を進めます。また、環境負荷の少ない公共交通や自転車利用への交通手段の転換を促す情報提供を行うとともに、エコドライブの普及啓発を進めます。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○自動車運転時のエコドライブに努める ○可能な限り、自家用車の代わりに公共交通機関や自転車を利用する ○自家用車をEV等へ転換する 〇自家用車の全部または一部をカーシェアリング利用に切り替える ○高齢者の免許返納を促進する 事業者に期待される取組 ○事業で利用する自動車をEV等に転換する 〇社有車の一部をカーシェアリング利用に切り替える ○自動車運転時にエコドライブをするよう従業員を啓発する ○公共交通機関や自転車、徒歩による通勤を奨励する ○時差通勤を奨励し、交通渋滞の緩和に努める 施策の柱1−4 気候変動への適応 1.施策の方向性 ○気候変動と関連する災害による影響の低減 気候変動によって生じる風水害の危険性、それらに対する事前の備えについて啓発等を行うことで、その影響を低減します。 ○気候変動の中での健康の維持 熱中症の予防・対処法の周知啓発や暑さ指数に応じた情報提供・注意喚起等を実施するとともに、指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の指定・周知を行います。 ○気候変動から農業を守る 気候変動に対応する品種・品目についての情報提供のほか、農業保険への加入を推進することなどにより、農業への気候変動の影響の低減に努めます。 ○水資源に関する適応 市の渇水リスクに関する最新情報を入手し、渇水被害を軽減するための事前の備えを行い、渇水時には迅速に対応します。また、市民や事業者に自ら渇水への備えを行うことを促すため、水資源に関する情報提供や雨水利用や浴槽水利用などの普及啓発を進めます。 ○緑の保全と緑化の推進 都市公園の管理・整備、まちなかの緑の保全とともに、森林の適切な維持・管理を行うことで、気候変動の影響への対応に貢献します。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○日頃から気候変動に適応することの重要性について関心と理解を深める ○つくば市ハザードマップを確認するなど、風水害に対する事前の備えを行う ○危険な暑さを理解し、暑さに応じた暑熱順化や熱中症予防等の対処法を理解・実践する 〇外出時の危険な暑さを避ける休息場所として指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)を利用する ○渇水時には特に水を大切に利用する 〇住宅や庭等の身の回りの緑を増やす 〇自宅や町内会等での雨どい・排水溝清掃等の雨水排水対策を行う 事業者に期待される取組 ○従業員の安全のため、つくば市ハザードマップを確認するなど、風水害に対する事前の備えを行う ○危険な暑さを理解し、熱中症が起こる危険のある作業を行うときは、事前に熱中症予防対策や熱中症発生時の対応手順を定め従業員に周知しておく ○農業において、気候変動の影響を受けにくい品種の情報提供を行う ○渇水時には特に水を大切に利用する 〇事業所の敷地内の緑を適正に管理する 基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来へつなぐ ●将来像 筑波山をはじめとする山々、牛久沼などの池沼や河川、里地里山などの美しい景観が維持されるとともに、生き物の生息・生育地の連続性が保たれ、在来の多様な生き物が息づいています。多くの人々は自然の恩恵を実感しており、つくば市の重要な自然を理解し、大切に思いながら生活を送っています。 貴重な自然や緑豊かな街並みが将来にわたり守られるよう、市民や事業者も協働して、筑波山地域ジオパークなどのつくば市ならではの特徴をいかしつつ、ネイチャーポジティブ(自然再興)を推進し、平地林や農地、公園、庭の緑、水辺などを守り、育て、ふれあい、活用する取組が進んでいます。 ●将来像を実現するための施策の柱 施策の柱2−1 生き物・生態系の保全・活用 施策の柱2−2 都市の緑を創出し、質を高める 施策の柱2−3 自然とふれあう ●現状と課題 つくば市の自然環境は、筑波山をはじめとする山々や、桜川、小貝川、谷田川などの河川、牛久沼、平地林、畑地、水田が一体となった田園風景を望むことができる里地里山に特徴づけられます。また、研究学園地区においても、豊かな自然が残されていることも特徴といえます。このような自然環境は、フクロウ(市の鳥)やホシザキユキノシタ(市の花・市の天然記念物)などの住み処となり、また、雨水を蓄え農作物が育つ、自然の恵み(生態系サービス)を提供しています。一方で、つくばエクスプレス沿線地区では平地林などの開発が進み、生き物の住み処や自然景観が損なわれてしまっている場所があります。 将来にわたって自然の恵みを享受していくため、筑波山や田園・里山、研究学園都市のネイチャーポジティブ(自然再興)を目指し、生物多様性の保全に加え、回復に挑戦していくことが求められます。また、つくば市では農地の面積が減少しつつあり、里地里山の景観を今後も維持していくためには、新規就農者への支援を行うことはもとより、遊休農地の再生支援を進めるなど、農業を活性化することが必要です。 市内では、公園の整備をはじめ、緑化を推進する取組が進められてきています。それに加え、平成28年(2016年)に日本ジオパークに認定された筑波山地域ジオパークでのジオツーリズムや、里地里山の魅力を感じさせるグリーンツーリズムなどの自然とふれあう活動が活発になることで、自然環境の重要性を市民や来訪者が理解し、自然環境や生物多様性を守り、育て、ふれあい、活用する活動につなげていくことが重要です。 ●基本目標に特に関連するSDGs 2.飢餓をゼロに 15.陸の豊かさも守ろう 17.パートナーシップで目標を達成しよう ●計画の成果を測る指標 <基本目標の成果指標> 自然環境や資源の保全・活用の市民満足度、目標値 50.0%(2030年度) <施策の柱の評価指標> 1.自然共生サイトの認定箇所数、目標値 20箇所(2030年度) 2.都市公園面積、目標値 228 ha(2030年度) 3.まちなかで適切に管理・手入れされた緑を目にする頻度が増えたと感じる人の割合、目標値 50.0%(2030年度) 4.自然体験施設利用者数、目標値 55,500人(2030年度) 施策の柱2−1 生き物・生態系の保全・活用 1.施策の方向性 ○陸域及び水域に生息する守るべき生き物の保全のための生息・生育状況の把握 陸域及び水域に生息する重要な生き物の生息・生育状況を把握し、生き物・生態系の保全・活用のための基礎的情報を収集します。市民団体や専門家等と協働しながら野生動植物のモニタリングを行うとともに、市民参加型モニタリングを開催します。 また、小貝川や桜川などの河川、牛久沼、ため池、湿地、湧水などの現状を把握するとともに、必要に応じ河川管理者へ働きかけることで、水辺環境を維持・改善し、水辺に生息する生き物の保全を図ります。 図 フクロウ(市の鳥) 〇森林の維持・保全 森林の維持・保全を進め、森林の有する多面的機能を総合的かつ高度に発揮させます。水郷筑波国定公園内の森林を保護するとともに、市有林の適正管理に加え、平地林、屋敷林など民有林の適正管理を支援します。 〇外来種対策の推進 外来種対策を推進し、在来の生態系への悪影響を防止・軽減します。特に、アライグマやオオキンケイギクなどの特定外来生物の防除を推進するとともに、外来種による被害を予防する「入れない、捨てない、拡げない」の三原則に基づき、侵略的外来種対策を戦略的に行うためのロードマップを検討します。また、市民等と連携した外来種対策や外来種に関する普及啓発も進めます。 〇生物多様性つくば戦略の実行 横断的目標 「生物多様性つくば戦略」を実行し、市の生物多様性に関する施策を戦略的かつ計画的に進めます。同戦略では、生物多様性に配慮した事業活動の推進を掲げており、生物多様性を意識した事業活動に関する普及啓発、事業活動に生物多様性を統合するための支援、開発に伴う環境影響評価等への対応などを行います。 〇筑波山・宝篋山の保護管理 水郷筑波国定公園の管理運営、筑波山鳥獣保護区特別保護地区の管理等を通じて、筑波山及び宝篋山の保護管理を行います。 〇山・川などの眺望の維持 つくば市景観計画やつくば市屋外広告物条例、つくば市再生可能エネルギー発電設備の適正な設置及び管理に関する条例等を適切に運用することで、筑波山への眺望や牛久沼などの水辺空間を損なわないように配慮した景観形成を図ります。 〇里地景観の維持 里地景観の主な要素である優良農地を保全するため、活用しやすい農地への転換支援等農地の有効活用とともに、遊休農地化の防止・遊休農地の再生支援を進めます。合わせて、つくば市鳥獣被害防止計画に基づき、イノシシなどによる農作物の被害を防止するとともに、野生生物と農業との共生を通じて里地景観を維持します。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○市や市民団体などが主催する自然環境調査や保全活動などに積極的に参加する ○平地林などの森林や身近な里山を大切にし、学習の場として活用するとともに、それらを守る活動を実施する ○外来種による地域固有の生態系への影響を認識し、特定外来生物を発見した場合には駆除する ○ペットを含む愛玩動物を野外に放さない ○保安林や緑地環境保全地域などを指定する際に協力する 〇市が発信している生物多様性情報に関心を持ち、学習する 〇生物多様性に配慮した商品を積極的に購入する ○自然景観を損なわないように建築物や工作物の位置や形態意匠、色彩に配慮する ○積極的に市産農産物を消費する 事業者に期待される取組 ○物流において、外来種を拡げないように気をつける ○生き物の生息・生育状況や生態系の調査、保全・再生活動に参加・協力する 〇事業所内の緑地を学びや教育の場として提供したり、自然体験会の場として提供したりする 〇事業所内緑地の自然共生サイト等への認定・認証を目指す 〇自社の事業活動の生物多様性への良い影響と悪い影響を把握し、事業活動が生物多様性に与える影響をできる限り小さくする 〇生物多様性保全活動を進める市民団体や事業者、市などと連携する 〇生物多様性に配慮した経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す ○安全・安心かつ環境負荷の小さい市産農産物を生産・使用する ○旬の市産食材コーナーを設置するなど、市産農産物の流通や販売を積極的に推進する ○生産過程において市産農産物を活用する ○事業所の新築や改築の際には、景観計画や屋外広告物条例に基づき、自然景観を損なわないように建築物や工作物の位置や形態意匠、色彩に配慮する 施策の柱2−2 都市の緑を創出し、質を高める 1.施策の方向性 ○都市公園・緑の管理 公園及び緑地等の維持管理は、各公園等に求められる機能等に合わせて適切に行うことで、緑の質の向上を図ります。また、可能な場合には、植栽植え替え時に昔からつくばに自然に生えていた樹木等(在来種等)の使用に努めます。 ○都市域の緑の確保 工場や工業団地の民有地、研究・教育機関などにおける緑を確保するとともに、学校の校庭芝生の管理や公共施設の植栽・花壇の整備を進めます。また、公園及び緑地等を引き続き整備・管理します。 ○市民参加による緑化活動 市民協働による地域の自主的な花壇活動を推進するなど、緑化活動における市民参加を促進します。 図 花と緑の市民協働事業 花植えの様子 ○開発に伴う緑地の減少を抑制 つくばエクスプレス沿線地区や中心市街地周辺などの開発に伴う緑地の減少を抑制するため、地区計画制度を活用し、緑地の確保に努めます。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○庭やベランダ等で、生物多様性に配慮した緑地や水辺を増やす ○アダプト・ア・パーク(公園里親制度)による公園管理や緑化活動に参加する ○花と緑の市民協働事業等による花壇などの管理に参加・協力する 事業者に期待される取組 ○事業所の敷地内の樹木や花壇などの緑を維持し、可能な場合には緑を増やす ○集合住宅の建設などの開発の際には、まとまった緑地やオープンスペースの確保に努める ○花と緑の市民協働事業等による花壇などの管理に参加・協力する 施策の柱2−3 自然とふれあう 1.施策の方向性 ○自然体験施設の活用・運営 自然体験施設を活用・運営し、自然の恵みを体感できる自然体験を推進します。市民の憩いの場や観光客が自然とふれあう場として、筑波ふれあいの里や高崎自然の森、豊里ゆかりの森、茎崎こもれび六斗の森などの良好な森林や自然体験施設を適切に管理・運営します。また、自然観察会や森の手入れ体験、収穫体験などの体験型余暇活動を実施し、自然の恵みを体感し、自然への理解を深める機会を増やします。 ○里山や水辺の活用 里山や水辺を活用し、身近な自然環境の価値や保全する意義を知る機会を増やします。筑波山や里山、牛久沼などの身近な自然環境の価値や保全する意義を知ってもらうため、自然環境学習を実施します。 ○筑波山地域ジオパークの活用 筑波山地域ジオパークを活用し、ジオツーリズムを推進します。推進にあたっては、自然体験型ツアーの造成やインタープリテーションを強化し、自然の魅力をより強く感じられる工夫を行います。 ○グリーンツーリズムの推進 農業体験事業などによりグリーンツーリズムを推進することで、つくば市の里地里山の魅力を体感する機会を作ります。 図 グリーンツーリズム 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○筑波山や自然体験施設、身近な川、近くの公園を訪れ、自然と親しみ、理解を深める ○自然観察会や自然の管理活動体験などのイベントに積極的に参加し、自然を知る機会をもつ ○市民農園や農業体験イベントに参加し、里地里山の魅力を体感する ○つくば市の自然の魅力を発信・共有し、自然や緑を守る活動を進める市民ネットワークづくりを推進する 事業者に期待される取組 ○生き物や自然とふれあう活動や里山保全活動などに積極的に参加・協力するとともに、従業員にその機会を提供する ○筑波山地域ジオパークの訪問者に対して、地域の自然環境の魅力や価値を伝える ○市の自然観光資源をいかした体験型プログラムを開発したり、農業体験イベントに参加したりするなど、エコツーリズムやグリーンツーリズムの推進に協力する 基本目標3 資源を賢く使う循環型社会形成を加速する ●将来像 市民や事業者、市が地球の資源の有限性を認識しており、地域で最適な生産・消費が行われることで、資源の浪費はほとんどなくなっています。 市民、事業者、行政の協働により資源の浪費がなくなるだけでなく、ごみの発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)という3Rを推進することで、“ごみ”という概念がなくなるくらい資源循環される仕組みができ、資源効率性が高まっています。 ●将来像を実現するための施策の柱 施策の柱3−1 3Rの推進 施策の柱3−2 廃棄物の適正処理 ●現状と課題 近年の1人1日当たりごみ排出量は減少しているものの、全国平均や茨城県平均と比べると多い状況です。生活系ごみに限定すると、茨城県平均以下を維持しながら減少が続いており、これまで行ってきた啓発活動や各家庭におけるごみ減量の取組の成果が一定程度出ているといえます。 一般廃棄物のリサイクル率は、2013年度から2024年度にかけて16.0%から26.5%へと向上しています。全国平均や茨城県平均と比べても高い水準となっており、循環型社会形成加速のため、取組をさらに推進していく必要があります。 図 プラスチック製容器包装の分別 図 ごみ減量とリサイクルに関する出前授業(市内小学校) ●基本目標に特に関連するSDGs 8.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任 つかう責任 ●計画の成果を測る指標 <基本目標の成果指標> 1人1日当たりの最終処分量、目標値 66 g/人・日(2029年度) <施策の柱の評価指標> 1.1人1日当たりの生活系ごみ排出量、目標値 578 g/人・日(2029年度) 2.1日当たりの事業系ごみ排出量、目標値 91.51 t/日(2029年度) 3.一般廃棄物のリサイクル率、目標値 30.7%(2029年度) 指標に係る経年データ 図 1人1日当たりの最終処分量の推移 施策の柱3−1 3Rの推進 1.施策の方向性 ○循環型社会形成の加速に向けた普及啓発 循環型社会形成の加速に向けた普及啓発を進め、市民の意識改革や、市民が主体的に取り組む仕組みづくりを推進します。また、ごみの排出・分別ルールについての普及啓発を行います。 ○市民によるリデュース・リユース・リサイクルの促進 家庭から出るごみの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を促進し、生活系ごみの排出量を削減します。市民の意識改革や行動変容につながる様々な取組を事業者(小売店等)・市民団体・学校などと協力して検討・実施します。 図 小型家電回収ボックス ○事業者によるごみ減量化の促進 ごみ総排出量の約4割を占める事業系ごみの排出を抑制します。特に多量排出事業者に対して、減量化のための計画書の提出を要請し、必要な指導、情報提供を行います。また、取組の参考になる冊子の配布や優良事業者の取組の紹介などを行い、自主的な取組を支援します。 ○食品ロス削減の推進 食品ロスの削減に対する市民及び事業者の意識を高め、家庭及び事業所からの食品ロスの発生抑制を図ります。    ○資源有効活用の推進 未利用資源を有効に活用し、新たな価値の創出を図ります。廃棄されたプラスチック類、生ごみ、剪定枝の資源化などについて、これまでのつくば市の調査結果や全国的な取組を踏まえて、研究機関などと協力しながら検討を進めます。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○家庭から出されるごみの排出・分別ルールを守る ○マイバッグやマイ箸を日常的に持ち歩き、不要・過剰な包装は積極的に断る 〇食品を買い過ぎず、料理を作り過ぎず、外食時に注文し過ぎない ○修理できるものは直して使い、ごみにしない ○中古品でも充分な場合には中古品を積極的に利用する ○まだ使える不要品はリサイクルショップやフリーマーケットなどを活用し、他の人へ譲る ○環境学習のイベントやつくばサステナスクエアの施設見学へ積極的に参加する ○家庭から出た廃食用油を利用したバイオディーゼル燃料づくりや未利用食品が必要な施設や人への提供協力など3R活動に対し関心をもち、積極的に協力する 事業者に期待される取組 ○事業活動で生じる紙ごみの資源になるものをリサイクルする ○野菜のばら売りや量り売りを行う(小売業者) 〇消費者に対してマイバッグ持参の推奨を行う ○食料品の在庫管理、小盛や持ち帰り容器の提供等を行い、食品ロスを減少させる(食品製造・小売卸売・外食関連事業者) ○可能な限り、非石油系の容器包装を使用する(小売業者) ○生ごみ等のバイオマスの利活用の調査研究を行う(研究機関等) 〇資源循環に配慮した経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す ○中古品市場に関するビジネスや活動に、社会的課題の解決の観点からも積極的に取り組む 施策の柱3−2 廃棄物の適正処理 1.施策の方向性 ○廃棄物の適正な処理 家庭から排出されるごみ(一般廃棄物)が、集積所や回収拠点から安定的に収集運搬される体制を維持します。また、事業所から排出されるごみは事業者自身または市の許可業者が収集運搬し、つくばサステナスクエア(市ごみ処理施設)等で適正に処理します。 産業廃棄物については、必要に応じて県と連携し、事業者に対して適切な指導助言等を行います。また、不法投棄等に対して、関係機関(地権者・県・警察等)と連携し速やかに対応します。 図 リサイクルセンター(つくばサステナスクエア内) ○つくばサステナスクエアの適正な施設維持管理 設備の経年劣化などによる処理施設の稼働停止を防ぐため、機器の保守点検や計画的な改修を実施し、長期的な安定稼働を実現します。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○不適正な分別・排出が収集運搬車やごみ処理施設に支障を及ぼすことを理解し、適正に分別・排出を行う 〇有害ごみ、危険なごみの排出・回収方法を守る ○区会などで設置したごみ集積所を適切に維持管理し、効率的なごみの収集に協力する 事業者に期待される取組 ○不適正な分別・排出がごみ廃棄物処理施設に支障を及ぼすことを理解し、事業所から出される廃棄物の分別・排出ルールを遵守する ○自らの責任のもと、一般廃棄物と産業廃棄物を区別し、適正に処理する ○製造業者は、処理困難な物質や有害物質をできるだけ含まない製品をつくり、小売業者は、消費者に対して適正な処理方法の周知や回収サービスの提供を行う 基本目標4 安心で快適な生活環境を次世代につなぐ ●将来像 静かで清潔なまちの中で、清々しい空気、清らかな水を享受した、穏やかで質の高い暮らしが営まれています。 市民や事業者、市が「きれいなまちづくり」を進める取組を協働しながら進めたことで、不法投棄やごみのポイ捨てがなくなり、快適で心地よい生活環境になっています。そして、大気汚染や水質汚濁、騒音などの公害や健康被害を防ぐため、法令に基づく基準が遵守されるとともに、さらなる低減を図る事業者も多くいます。 ●将来像を実現するための施策の柱 施策の柱4−1 きれいな生活環境の確保 施策の柱4−2 安全で安心できる生活環境の確保 ●現状と課題 本市では、清潔できれいな生活環境が保持されたまちをつくるための「きれいなまちづくり行動計画」に基づき、参加型ボランティアプロジェクト(きれいきれい大作戦など)による環境美化活動や市内一斉清掃、野焼きや不法投棄を防止する定期的なパトロールなどを実施してきました。今後も引き続き、きれいなまちづくりに向けた取組を推進することが必要です。 市内で実施している環境モニタリングの結果によると、法令に基づく環境基準は概ね達成している現状にあります。これまでどおり、法令に基づく指導や監視を行い、生活排水や水道の普及率向上などに努め、生活環境の改善を図ることが重要です。一方、自動車騒音は、常時監視によるシミュレーション結果では一部環境基準を達成できておらず、さらに、典型7公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下)の中では騒音に関する苦情件数が最も多くなっており、騒音に対する対策をこれまで以上に進めることが必要です。また、苦情解決率について、令和6年度(2024年度)は、大気汚染・悪臭が63%、騒音・振動が40%、水質汚濁は94%となっています。 今後、市民が安心で快適に暮らしていけるよう、生活環境の改善をさらに推進していくことが求められます。 ●基本目標に特に関連するSDGs 3.すべての人に健康と福祉を 6.安全な水とトイレを世界中に 12.つくる責任つかう責任 ●計画の成果を測る指標 <基本目標の成果指標> 生活環境対策に満足と答えた市民の割合、目標値 75.0%(2030年度) <施策の柱の評価指標> 1.環境美化ボランティア活動参加延べ人数、目標値 14,000人(2029年度) 2.苦情解決率、目標値 大気汚染・悪臭 現状値より向上(2030年度)、水質汚濁 現状値より向上(2030年度)、騒音・振動 現状値より向上(2030年度) 指標に係る経年データ 図 苦情解決率の推移 施策の柱4−1 きれいな生活環境の確保 1.施策の方向性 ○市民・事業者による美化活動 きれいな生活環境を確保するため、市民・事業者が主体的に実施する美化活動を推進します。特に、きれいなまちづくり実行委員会が実施する「きれいきれい大作戦」など、市民を巻き込んだ美化活動を継続的に実施し、美化意識の高揚を図ります。 図 きれいきれい大作戦の様子 ○ごみの散乱防止・不法投棄対策 まちをきれいに保つための市内一斉清掃を実施し、ごみの散乱を防止します。また、不法投棄禁止看板の無料配布や防犯・環境美化サポーターによる巡回パトロールなどを実施し、不法投棄の未然防止と早期発見・回収に努めます。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○市や市民団体の主催する環境美化活動や市内一斉清掃に積極的に参加する ○ごみが散乱しないように、ごみは正しく排出する ○自宅の周辺を清潔に保つ 〇不法投棄を行わない 事業者に期待される取組 ○市や市民団体の主催する環境美化活動や市内一斉清掃に積極的に参加する ○事業所の周辺を清潔に保つ 〇廃棄物の不適正保管及び不法投棄を行わない 施策の柱4−2 安全で安心できる生活環境の確保 1.施策の方向性 ○良好な大気・水・土の確保 大気汚染や水質汚濁、騒音・振動などの典型的な公害を防止するため、法令に基づく環境モニタリングを継続実施するとともに、環境汚染の発生源となる工場や事業所に対する適切な指導や助言、環境配慮を促進する公害防止協定の締結などを進めます。 ○騒音・振動の防止 法令に基づき、事業所や建設作業場などの騒音・振動に対する規制や指導、監視を継続します。また、自動車騒音・道路交通振動の測定を行い、要請限度値を上回る場合には、道路管理者や県公安委員会等に、防止措置を講ずるよう要請します。 ○上下水道の維持・管理 上水道や公共下水道の維持管理及び必要な整備を行うとともに、高度処理型合併浄化槽の設置や単独処理浄化槽からの転換を促進することで、安全な水道水の供給と生活排水による水質汚濁の防止を図ります。 ○農業における環境配慮 農業による環境影響を軽減するため、農薬の適正使用の周知、有機肥料の利用の促進などを行い、環境にやさしい農業を推進します。また、休耕農地からの表土流出や土埃を防止するカバークロップ事業の取組を促進し、霞ヶ浦などの湖沼や河川への負荷軽減を図ります。 ○有害化学物質の適正な管理 有害化学物質による健康影響を防止するため、法令に基づく排出規制等を引き続き実施し、化学物質の排出量などの情報を収集し、市民へ提供します。また、事業者への環境リスクに関する情報提供を行い、リスクコミュニケーションを促進します。 ○野焼き対策 ごみの野焼き(不適正な屋外焼却行為)が禁止されていることについて周知・注意喚起するとともに、野焼き抑止のための定期的なパトロールなどを行うことで、野焼きによる生活環境の悪化を防ぎます。 また、農業用廃プラスチックの回収事業、葉刈り芝の回収事業などを実施し、野焼きや不法投棄の防止を図ります。 2.市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○窒素酸化物などの大気汚染物質の排出や生活排水による水質汚濁を、日々の暮らしの中でできるだけ減らす工夫を実践する(例:油を流さない、合成洗剤の使用を減らすなど) ○環境に配慮して作られた農産物を購入する ○行政や事業者が発信する環境モニタリング結果や有害化学物質の情報を確認する ○ごみの野焼きを行わない 事業者に期待される取組 ○事業活動が事業所の周囲に与える環境影響に関心をもち、近隣住民の生活環境へ配慮する ○事業活動によって発生する大気汚染物質(ばい煙など)や排水について、法令を上回る環境改善を進める 〇大気汚染防止法、騒音規制法や振動規制法、茨城県生活環境の保全等に関する条例などの関係法令を遵守した事業活動を行う ○事業所周辺の住民と日常的に良好なコミュニケーションをとり、苦情発生を防止する ○有害化学物質の使用や発生を極力控え、使用することが不可欠な場合には、適切に管理する ○農薬や化学肥料の使用を抑え、土壌や水質への影響を最小限にする ○ごみの野焼きを行わない 第4章 基本目標の実現を推進する横断的目標 横断的目標の推進方針、施策展開について記載します。 横断的目標1 市民・事業者が共に環境を学び、考え、行動する ●将来像 市民一人ひとりが、環境について楽しく学び、家庭や職場、地域、学校において、つくば市や地球の環境が日常的に話題になり、環境保全の取組が市域に広がっています。 市民や事業者の身近に環境について学ぶ機会があり、つくば市の現在や未来を担う人たちの環境意識がさらに高まっています。 ●計画の成果を測る指標 1.環境配慮行動を行っている市民の割合、目標値 90%(2030年度) 2.環境問題について学ぶ機会が十分だと思うと答えた市民・事業者の割合、目標値 市民 70.6%(2030年度)、事業者 62.9%(2030年度) ●推進方針 1.持続可能なライフスタイルの推進 多くの市民が環境について意識し、関心を持って取り組むきっかけとなるイベントを開催するとともに、環境に関する情報を分かりやすく提供・共有し、市民の選択肢を増やすことで、持続可能なライフスタイルを推進します。 2.環境教育・学習の推進 子どもや大人が身近な環境について学び、体感し、理解を深めるとともに、事業者が従業員教育を進め、地域での教育活動にも協力することによって、地域全体の環境リテラシーを高めます。 図 つくば市桜川探検隊事業の様子 ●施策の展開 施策の展開例として、分野横断的に取り組む基本目標の施策の方向性を以下に示します。 1.持続可能なライフスタイルの推進 基本目標1 〇市民・事業者の行動変容に向けた仕組みづくり 〇環境学習・普及啓発の推進 〇省エネルギー化の促進 〇再生可能エネルギーの導入促進と活用 〇徒歩やシェアモビリティ等によるアクセスしやすいまちづくり 基本目標2 〇市民参加による緑化活動 基本目標3 〇市民によるリデュース・リユース・リサイクルの促進 基本目標4 〇市民・事業者による美化活動 2.環境教育・学習の推進 基本目標1 〇環境学習・普及啓発の推進 〇地産地消の推進 基本目標2 〇自然体験施設の活用・運営 〇筑波山地域ジオパークの活用 〇グリーンツーリズムの推進 基本目標3 〇循環型社会形成の加速に向けた普及啓発 ●市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○環境に対する関心を持ち、積極的に情報を入手して理解を深め、環境リテラシーを身につける(施策の柱1-1) ○環境について日々学び、日常生活の中で持続可能なライフスタイルを実践する(1-1) ○市や団体等が開催する各種環境イベントなどへ参加する(1-1) 〇積極的に市産農産物を消費する(1-1) 〇市が発信している生物多様性情報に関心を持ち、学習する(2-1) 〇生物多様性に配慮した商品を積極的に購入する(2-1) ○家庭から出されるごみの排出・分別ルールを守る(3-1) ○マイバッグやマイ箸を日常的に持ち歩き、不要・過剰な包装は積極的に断る(3-1) 〇食品を買い過ぎず、料理を作り過ぎず、外食時に注文し過ぎない(3-1) 〇修理できるものは直して使い、ごみにしない(3-1) ○中古品でも充分な場合には中古品を積極的に利用する(3-1) ○まだ使える不要品はリサイクルショップやフリーマーケットなどを活用し、他の人へ譲る(3-1) ○家庭から出た廃食用油を利用したバイオディーゼル燃料づくりや未利用食品が必要な施設や人への提供協力など3R活動に対し関心をもち、積極的に協力する(3-1) ○市や市民団体の主催する環境美化活動や市内一斉清掃に積極的に参加する(4-1) 事業者に期待される取組 ○学校や地域の環境教育に積極的に協力する(1-1) 〇従業員一人ひとりが事業活動の中で環境行動を実践するよう促す(1-1) 〇安全・安心かつ環境に配慮した農産物を生産・使用する(1-1) 〇事業所内の緑地を学びや教育の場として提供したり、自然体験会の場として提供したりする(2-1) 〇事業所内緑地の自然共生サイト等への認定・認証を目指す(2-1) ○生き物や自然とふれあう活動や里山保全活動などに積極的に参加・協力するとともに、従業員にその機会を提供する(2-3) ○筑波山地域ジオパークの訪問者に対して、地域の自然環境の魅力や価値を伝える(2-3) ○市の自然観光資源をいかした体験型プログラムを開発したり、農業体験イベントに参加したりするなど、エコツーリズムやグリーンツーリズムの推進に協力する(2-3) 横断的目標2 環境と経済の好循環を目指す ●将来像 環境に配慮した事業活動や環境に優しい消費行動が広がり、環境価値が積極的に評価されています。 つくば市の持つ豊かな地域資源を活用し、環境を軸とした新たな取組やビジネスの創出が図られています。 環境に配慮した経済活動が、地域社会の活性化につながり、環境保全と経済成長が互いに良い影響を与え合っています。 ●計画の成果を測る指標 1.環境に配慮した活動が事業に好影響を与えていると考えている事業者の割合、目標値 80.7%(2030年度) 2.環境に配慮した製品・サービスに関連する事業を行っている市内のスタートアップ登録企業数(累積)、目標値 35件(2030年度) 3.単位生産額当たりの環境負荷率(ごみ排出)、目標値 0.19 kg/万円(2029年度) 4.単位生産額当たりの環境負荷率(電力消費)、目標値 6.9 kWh/万円(2030年度) ●推進方針 1.環境配慮行動・活動が広がりやすい基盤の形成 市民・事業者の環境配慮行動・活動を社会的に共有する仕組みを整備し、地域に根ざした環境価値の向上を図ります。脱炭素化、生物多様性の保全、資源循環などの取組を短期的な経済的メリットだけでない視点で評価する価値観を醸成します。そうすることで環境配慮行動・活動に取り組む効果・メリットを訴求し、シェアリングなどを含め、環境配慮行動・活動が広がりやすい社会を形成します。 2.環境を軸とした新たな取組の創出 つくば市内の大学・研究機関や事業者との連携を強化し、地域資源をいかした新たなビジネスや取り組みを創出します。地産地消の推進や環境技術の普及展開など、環境を起点に新たな価値を生み出す取組やビジネスを積極的に支援し、環境の保全と地域経済の活性化を一体的に推進します。 3.環境保全と経済成長の統合的向上 環境と経済について、環境保全が経済を活性化させ、環境配慮した投資が活発に行われることで新たな環境保全につながるよう、脱炭素化・生物多様性の保全・資源循環を統合的に推進します。 事業者や研究機関、市民が協働し、再生可能エネルギーの導入や脱炭素化に関する技術開発に加え、生態系保全や資源の有効利用を組み込んだ活動を展開することで、環境意識の高い消費者からの支持とブランドイメージ・評判を高め、地域に環境価値と経済価値を同時にもたらす持続可能な都市形成を図ります。 ●施策の展開 施策の展開例として、分野横断的に取り組む基本目標の施策の方向性を以下に示します。 1.環境配慮行動・活動が広がりやすい基盤の形成 基本目標1 〇市民・事業者の行動変容に向けた仕組みづくり 基本目標2 〇生物多様性つくば戦略の実行 〇開発に伴う緑地の減少を抑制 基本目標3 〇事業者によるごみ減量化の促進 〇食品ロス削減の推進 基本目標4 〇市民・事業者による美化活動 2.環境を軸とした新たな取組の創出 基本目標1 〇大学・研究機関や事業者との連携強化 〇地産地消の推進 3.環境保全と経済成長の統合的向上 基本目標1 〇マルチベネフィットな脱炭素化プロジェクトの推進 基本目標2 〇生物多様性つくば戦略の実行 基本目標3 〇資源有効利用の推進 ●市民・事業者に期待される取組 市民に期待される取組 ○市域で行われる環境技術の実証実験に協力する(施策の柱1-1) ○事業者による環境配慮活動に積極的に協力する(1-1) ○積極的に市産農産物を消費する(1-1) 〇生物多様性に配慮した商品を積極的に購入する(2-1) 〇環境に配慮して作られた農産物を購入する(4-2) 事業者に期待される取組 ○脱炭素化に向けて行政や研究機関、他の事業者、市民との連携を進める(1-1) ○事業活動に伴う環境負荷などの情報を収集・把握し、CSR 報告書などにとりまとめて、積極的に発信する(1-1) ○環境をビジネスの機会と捉え、技術開発や設備投資に取り組む(1-1) 〇脱炭素経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す(1-1) ○安全・安心かつ環境に配慮した農産物を生産・使用する(1-1) 〇自社の事業活動の生物多様性への良い影響と悪い影響を把握し、事業活動が生物多様性に与える影響をできる限り小さくする(2-1) 〇生物多様性に配慮した経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す(2-1) 〇資源循環に配慮した経営に取り組み、本業へのメリットを生み出す(3-1) ○中古品市場に関するビジネスや活動に、社会的課題の解決の観点からも積極的に取り組む(3-1) 第5章 計画の進行管理 本計画の推進体制及び進行管理の考え方について記載します。 (1)計画の推進体制 本計画は以下のような体制で推進します。 図 計画の推進体制 (2)進行管理の考え方 @PDCAサイクルによる進行管理 本計画の実効性を高めるため、基本目標や横断的目標の達成に資する施策・事業を実施し、その進捗状況を点検・評価し、更に評価結果を次年度の実施へとフィードバックさせていく仕組みが必要です。 本計画では、PDCAのサイクルを確立し、継続的な計画の進行管理を行います。 図 PDCAサイクルによる進行管理の考え方 A点検・評価の方法及び公表 計画の点検・評価は、本計画で設定された指標を用いて実施します。その結果について、つくば市環境審議会に報告し、審議を行い、改善・見直しにつなげます。 資料編 (1)本計画に記載された施策の方向性の主な担当部署 本計画に記載された施策の方向性の主な担当部署(課・室)は次表のとおりです。 表 施策の方向性の主な担当部署 (2)指標設定の意図・理由 表 指標設定の意図・理由、現状値・目標値、目標値設定の根拠 (3)アンケート結果の概要 @調査概要・実施内容 〇調査概要 環境基本計画の見直しにあたり、各基本目標に共通する方針として新たに設定した「横断的目標」に関連する事項について、市民や事業者がどのように捉え、どのように取り組んでいるか等を収集することを目的に実施した。 横断的目標1:市民・事業者が共に環境を学び、考え、行動する 横断的目標2:環境と経済の好循環を目指す 〇実施内容 およそ次の3つの観点から設問を構成した。 1.計画策定時からの継続設問 前回(2018年12月)実施したアンケート項目と同様の内容を設定し、意識や行動の変化を把握。 2.指標に関する設問 今後の進捗管理や効果測定に活用できる定量的データを収集。 3.計画で示す方針、施策の方向性に関する設問 計画に記載する方針や施策の方向性が、市民や事業者の行動、意識を踏まえた内容となっているか等を確認。 A市民アンケート 〇調査概要 <調査仕様> 調査エリア つくば市全域 調査対象 つくば市民(16歳以上) 計画標本数 2,000サンプル 有効計画標本数 1,983サンプル 抽出方法 住民基本台帳データから抽出 調査方法 郵送配布・回収、インターネット回答 調査期間 令和7年(2025年)9月26日〜10月10日 回収数 696サンプル(回収率:35.1%)、郵送:276サンプル、インターネット:420サンプル 継続回答同意者数 133件 <調査項目> 環境に優しい消費行動について 環境に配慮した商品購入の取組み状況/取り組む上での障壁/環境に配慮した商品購入に意識して取り組みやすくなる仕組み   環境に関する情報の共有について 環境に関する情報共有に対する考え/取り組みやすくなる情報、カーボンフットプリントが表示された商品への関心/商品選択におけるカーボンフットプリントの考慮度合い 環境に配慮した具体的な取組みについて 太陽光発電の設置・利用意向/設置した動機/設置利用を進めやすくなる情報等、エネルギー使用量・温室効果ガス排出量の可視化・見える化の実施状況/取り組む上での障壁、自家用車のカーシェアリングへの切り替え意向/切り替えを進めやすくなる情報や仕組み、自然環境や生物多様性の保全に取り組む意義/経済・社会への影響、環境に関して学ぶ機会についての考え/環境に配慮した行動を起こしやすくなる教育内容 その他 地球温暖化への対応についての考え、気候変動の適応に関する行動の取組み状況、まちなかで適切に管理・手入れされた緑を目にする頻度、お住まいの地域の環境に対する満足度、計画策定・改定の際につくば市が国を上回る目標値を掲げることについての考え 基本情報 年齢、住所、職業、市内での居住年数、世帯の収入 〇調査結果 <環境に優しい消費行動> 問1-1 あなたは日頃、環境に配慮した商品(例:エコマークの付いた商品、有機野菜)の購入に意識して取り組んでいますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「常に取り組んでいる」・「時々取り組んでいる」が44.7%、「あまり取り組んでいない」・「取り組んでいない」が55.1%、「無回答」0.3%となっている。 図 環境に配慮した商品購入の取組み状況 問1-2(問1-1で「3.あまり取り組んでいない」又は「4.取り組んでいない」と答えた方にお尋ねします)あなたが環境に配慮した商品の購入に取り組む上で障壁になっている事項は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 購入の障壁として「価格が高い」が最も多いものの、次いで多いのは「判断する情報が不足している」、「選択肢が少ない」、「購入できる場所が少ない」、「購入する必要性を感じない」となっている。 図 環境に配慮した商品購入に取り組む上での障壁 問1-3 あなたは、どのような仕組みがあれば、環境に配慮した商品の購入に意識して取り組みやすくなりますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「購入時に分かりやすく表示されている」が最も多く、次いで「購入するメリットが明確化されている」、「購入できる場所や機会が充実している」となっている。 図 環境に配慮した商品購入に取組みやすくなる仕組み <環境に関する情報の共有> 問2-1 あなたは、環境に関する情報は現在、十分かつ分かりやすく提供されていると思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「非常にそう思う」・「ある程度そう思う」が26.7%、「あまりそう思わない」・「全くそう思わない」が64.5%、その他8.8%となっている。 図 環境に関する情報共有に対する考え 問2-2 あなたは、どのような種類の情報が提供されれば、環境に配慮した行動(例:温室効果ガスの削減につながる行動等)を起こしやすくなりますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「環境に配慮した行動にどのような効果・メリットがあるのかの情報」が最も多く、「環境に配慮した行動の内容が比較できる情報」、「商品ごとの環境負荷の情報(省エネ性能や温室効果ガス排出量等)」がそれに続いている。 図 環境に配慮した行動に取り組みやすくなる情報 <環境に配慮した具体的な取組み> 【カーボンフットブリントに対する考え】 問3-1 あなたはカーボンフットプリントが表示された商品・サービスの購入に興味がありますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 興味がある層も1/3程度いるものの、「興味がある・ない」よりも「わからない」が多くなっている。 図 カーボンフットプリントが表示された商品・サービス購入への関心 問3-2(問3-1で「1.興味がある」と答えた方にお尋ねします)カーボンフットプリント表示は、あなたが商品・サービスの購入を検討する場合の選択に、どの程度影響を与えそうですか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。   <結果・傾向> 興味があると回答した層の中でも、表示は「参考情報として商品・サービスを選択する」が最も多く、それに「重要な要素のひとつとして商品・サービスを選択する」が続く結果となっている。「カーボンフットプリントの値が小さい商品・サービスを選択する」は3番目に多い結果となった。 図 商品・サービス選択におけるカーボンフットプリントの考慮度合い 【太陽光発電の設置・利用意向】 問4-1太陽光発電の設置・利用の経済的なメリットの一例を挙げると、戸建住宅で中規模の太陽光発電を導入した場合、太陽光発電の導入にかかる初期費用は、法定耐用年数の17年よりも短い10年程度で回収されると試算されます。この情報を踏まえ、あなたは、今後機会があれば、ご自宅への太陽光発電の設置や、太陽光発電が設置されている住宅への住み替えを行いたいと思いますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「すでに設置している」が17.5%、「新たな設置、又は、すでに設置されている住宅への住み替えを検討したい」・「興味はあるが、設置や住み替えを行うまでではない」が31.9%、「過去に検討したことがあるが、住み替えを行うまでではない」「興味はなく、設置や住み替えを行いたいと思わない」が28.7%であり、その他が21.8%である。 図 太陽光発電の設置・利用意向 問4-2(問4-1で「1.すでに設置している」と答えた方にお尋ねします)あなたが太陽光発電を設置した動機は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「電気代を節約できるから」が最も多いものの、次いで「災害・停電に備えたいから」、「環境に優しいエネルギーだから」が多くなっている。 図 太陽光発電を設置した動機 問4-3(問4-1で「3.興味はあるが、設置や住み替えを行うまでではない」又は「4.過去に検討したことがあるが、設置や住み替えを行うまでではない」と答えた方にお尋ねします)あなたは、どのような情報等があれば、ご自宅への太陽光発電の設置や、太陽光発電が設置された住宅への住み替えを行いやすくなりますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「コスト負担軽減策の情報提供」が最も多く、それに「安心して工事を依頼できる事業者の情報提供」、「技術的な相談窓口や安心できるサポートサービスの提供」が続いている。 図 太陽光発電の設置・利用を進めやすくなるための情報 【エネルギー使用量・温室効果ガス排出量の「可視化・見える化」】 問5-1あなたは、ご家庭で「可視化・見える化」に取り組んでいますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「取り組んでいる」・「興味はあるが、取り組んでいない」が59.7%、「興味はなく、取り組んでいない」が26.4%、その他14.0%である。 図 「可視化・見える化」の取組み状況 問5-2(問5-1において「2.興味はあるが、取り組んでいない」と答えた方に対してお尋ねします)「可視化・見える化」に取り組む障壁となっている事項は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「取り組み方法が分からない」が最も多く、それに「費用や手間がかかる」が続いている。 図 「可視化・見える化」に取り組む上での障壁 【自家用車のカーシェアリング利用への切り替え意向】 問6-1カーシェアリングの車両台数・ステーション数は年々増加傾向にあり、一般家庭の場合、カーシェアリングを利用することで年間の燃料費比較で約10万円も得になるという試算もあります。この情報を踏まえ、あなたは、自家用車の全部または一部をカーシェアリングに切り替えたいと思いますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「すでに切り替えている」が0.4%、「切り替えを検討したい」・「興味はある」が14.9%、「過去に検討したことがあるが、切り替えを行うまでではない」・「興味はなく、切り替えたいと思わない」が71.9%、その他12.6%となっている。 図 自家用車のカーシェアリングへの切り替え意向 問6-2(問6-1で「2.切り替えを検討したい」又は「3.興味はある」と答えた方にお尋ねします)あなたは、どのような情報や仕組みがあれば、自家用車をカーシェアリングに切り替えやすくなりますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。 「利用できる場所が充実する」が最も多く、それに「利用場所や利用方法の情報が分かりやすく提供される」が続く結果となっている。 図 自家用車のカーシェアリングへの切り替えを進めやすくなる情報や仕組み 【自然環境や生物多様性の保全の意義についての考え】 問7-1 自然環境や生物多様性の保全は、環境だけでなく経済・社会にも良い影響を与えると思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「非常にそう思う」・「ある程度そう思う」が74.7%、「あまりそう思わない」・「全くそう思わない」が11.9%、その他13.4%となっている。 図 自然環境や生物多様性の保全に取り組む意義 問7-2 問7-1で「1.非常にそう思う」又は「2.ある程度そう思う」と答えた方にお尋ねします)あなたは、自然環境や生物多様性の保全が与える経済・社会への良い影響として、どのようなものがあると思いますか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「暴風や洪水等による災害の緩和」が最も多く、それに「食料や水等の供給」が続いている。 図 自然環境や生物多様性の保全が与える経済・社会への影響 【環境に関して学ぶ機会についての考え】 問8-1 あなたは、学校教育や社会教育の場で、環境問題や持続可能な社会等について学ぶ機会は十分だと思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「ある程度そう思う」が35.8%で最も多く、それに「あまりそう思わない」(33.9%)が続いている。 図 環境に関して学ぶ機会についての考え 問8-2 あなたは、どのような内容の教育があれば、環境に配慮した行動(例:温室効果ガスの削減につながる行動等)を起こしやすくなると思いますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「子どもの頃からの環境教育の強化」が最も多く、それに「家庭や身近な人達での環境と経済が結びつく事例(省エネでお得な商品情報等)の情報提供」、「企業における従業員への環境・サスティナビリティ教育」が続いている。 図 環境に配慮した行動を起こしやすくなる教育内容 その他 問9 あなたは地球温暖化への対応について、自分にできることがあると思いますか。 お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「自分にできることはあるとは思うが、何をしたらよいのかわからない」が47.7%と最も多く、それに「自分にできることがあると思い、すでに行動している(行動したい)」(36.2%)が続いている。 図 地球温暖化への対応についての考え 問10気候変動の影響に対処し、被害を防止・軽減等を図ることを「気候変動適応」といいます。あなたは、以下の気候変動適応に関する行動に意識して取り組んでいますか。各項目について、あてはまるもの1つに〇をつけてください。  <結果・傾向> 気候変動適応に関する行動に取り組んでいる市民の割合(「常に取り組んでいる」と「時々取り組んでいる」の合計値)について、「つくば市ハザードマップを活用した災害への事前の備え」は46.1%、「熱中症警戒アラートを活用した予防行動」は70.0%、「節水や雨水の利用による水資源の保全」は46.3%、「住宅や庭等の身の周りの緑を増やすことによる暑熱対策」は42.1%、「自宅や町内会等での雨どい・排水溝清掃等の雨水排水対策」は29.2%となっている。 図 気候変動の適応に関する行動の取組み状況 問11 あなたはまちなかで、適切に管理・手入れされた緑(例:公園、街路樹、建物の周囲にある植栽等)を目にする頻度が増えたと感じますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・分析> 「非常にそう思う」・「ある程度そう思う」が49.7%、「あまりそう思わない」・「全くそう思わない」が44.4%、その他が5.9%となっている。 図 まちなかで適切に管理・手入れされた緑を目にする頻度 問12 お住まいの地域の環境に、「いま現在」満足しておられるかお聞かせください。各項目について、あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 地域の環境に満足している市民の割合(「満足」と「やや満足」の合計)について、「空気のきれいさ」は70.8%、「水のきれいさ」は57.3%、「静けさ」は67.2%、「ごみの収集や処理の方法」で71.3%となっている。 図 お住まいの地域の環境に対する満足度 問13 つくば市が計画を策定・改定する際に国を上回る目標値を掲げることについて、どのように思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「達成可能性を最重要視し、目標値は現実的な値にすべき」が最も多くなっている。 図 計画策定・改定の際につくば市が国を上回る目標値を掲げることについての考え つくば市の今後の環境政策の推進に関するご意見等があれば、お聞かせください。 つくば市の今後の環境政策の推進に関して寄せられた市民からの意見(自由回答)は139件であった。 表 つくば市の今後の環境政策の推進に関して寄せられた市民からの意見数 <基本情報> 図 年齢 図 職業 図 市内での居住年数 B事業者アンケート調査 〇調査概要 <調査仕様> 調査エリア つくば市全域 調査対象 市内の事業者(全産業) 計画標本数 1,500サンプル 有効計画標本数 1,365サンプル 抽出方法 総務省統計局の市内事業所母集団データベースから抽出 調査方法 郵送配布・回収、インターネット回答 調査期間 令和7年(2025年)9月26日〜10月10日 回収数 402サンプル(回収率:29.5%)、郵送:193サンプル、インターネット:209サンプル 継続回答同意者数 111件 <調査項目> 環境に配慮した事業活動について 環境に配慮した事業活動の実施に対する考え/取り組む上での障壁/取り組みやすくなる支援等   環境に関する情報の共有について 環境に関する情報共有に対する考え/取り組みやすくなる情報、カーボンフットプリントの認知度/カーボンフットプリント表示を行う場合の障壁 環境に配慮した具体的な取組みについて 環境に関する行動方針・目標の設定・報告・公表状況/取り組む上での障壁、太陽光発電の設置・利用意向/設置した理由/設置・利用を進めやすくなる情報等、エネルギー使用量・温室効果ガス排出量の可視化・見える化の実施状況/取り組む上での障壁、社有車のカーシェアリングへの切り替え意向/切り替えを進めやすくなる情報等、緑化の推進や生物多様性への配慮の意義についての考え/経済・社会への影響/取り組む上での障壁、リスクコミュニケーションの取組み状況/取り組む上での障壁 その他 環境に関して学ぶ機会についての考え、温室効果ガスの排出削減を推進する内部の推進体制、計画策定・改定の際につくば市が国を上回る目標値を掲げることについての考え 基本情報 設立年、業種、資本金、従業員数 〇調査結果 <環境に配慮した事業活動> 問1-1 環境に配慮した事業活動(例:温室効果ガスの削減につながる活動等)を行うことで、貴事業所の本業へのメリットがあると思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「ある程度そう思う」が45.3%と最も多く、「あまりそう思わない」(20.1%)がそれに続いている。 図 環境に配慮した事業活動の実施に対する考え 問1-2(問1-1で「3.あまりそう思わない」又は「4.全くそう思わない」と答えた方にお尋ねします)環境に配慮した事業活動に取り組む上で障壁となっている事項は何ですか。 あてはまるもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「初期投資・運用コストの負担が重い(環境対策の設備投資や運用コストが高い)」並びに「環境への貢献度合いの評価が難しい(環境への貢献度を本業の成果として評価しにくい)」が最も多くなっている。 図 環境に配慮した事業活動に取り組む上での障壁 問1-3 貴事業所は、どのような優遇措置や支援等があれば、環境に配慮した事業活動に取り組みやすくなりますか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「環境投資に対する助成金等」が最も多いが、「成功事例やノウハウの情報共有」、「環境に配慮した企業に対する消費者等の理解や製品・サービスの積極的な購買」等も回答数が多く、重視されている。 図 環境に配慮した事業活動に取り組みやすくなる支援等 <環境に関する情報の共有> 問2-1 環境に関する情報は現在、十分かつ分かりやすく提供されていると思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「非常にそう思う」・「ある程度そう思う」が33.8%、「あまりそう思わない」・「全くそう思わない」が56.5%、その他が9.7%となっている。 図 環境に関する情報共有に対する考え 問2-2 どのような種類の情報が提供されれば、貴事業所は環境に配慮した事業活動(例:温室効果ガスの削減につながる活動等)に取り組みやすくなりますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「環境に配慮した行動にどのような効果・メリットがあるのかの情報」が最も多く、それに「環境に配慮した行動の内容が比較できる情報」、「商品ごとの環境負荷の情報(省エネ性能や温室効果ガス排出量等)」が続いている。 図 環境に配慮した事業活動に取り組みやすくなる情報 <環境に配慮した具体的な取組み> 【カーボンフットプリントに対する考え】 問3-1 カーボンフットプリントという言葉を知っていましたか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「聞いたことがない・知らない」が67.7%で最も多く、それに「聞いたことがあるが、よく分からない」(23.1%)が続いている。 図 カーボンフットプリントの認知度 問3-2 貴事業所の商品・サービスで、カーボンフットプリントを算定し、その表示を今後行うとした場合、障壁となりそうな事項は何ですか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「方法や手順が分からない」が最も多く、次いで「手間や労力がかかる」、「算定に必要なデータの収集が難しい」となっている。 図 カーボンフットプリント表示を行う場合の障壁 【環境に関する行動方針・目標の設定、報告・公表状況】 問4-1 貴事業所は環境に関する行動方針・目標を設定し、活動の報告・公表を行っていますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「方針・目標を設定しておらず、活動の報告・公表も行っていない」が69.9%と最も多く、それに「方針・目標を設定し、活動の報告・公表を行っている」(14.4%)が続いている。 図 環境に関する行動方針・目標の設定・報告・公表状況 問4-2(問4-1において「2.方針・目標を設定しているが、活動の報告・公表は行っていない」又は「3.方針・目標を設定しておらず、活動の報告・公表も行っていない」と答えた方にお尋ねします)貴事業所が環境に関する行動方針・目標の設定、報告・公表に取り組む上で障壁となっている事項は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「方針・目標の設定や報告・公表の仕方が分からない」が最も多く、次いで「費用やリソースが不足している」並びに「他に優先すべき課題がある」となっている。 図 環境に関する行動方針・目標の設定・報告・公表に取り組む上での障壁 【太陽光発電の設置・利用意向】 問5-1 太陽光発電の設置・利用の経済的なメリットの一例を挙げると、業務用建物で中規模の太陽光発電を導入した場合、太陽光発電の導入にかかる初期費用は法定耐用年数の17年よりも短い10年程度で回収されると試算されます。この情報を踏まえ、貴事業所は、所有する建物への太陽光発電の設置や、太陽光発電が設置された建物への移転を行いたいと思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「すでに設置している」が15.9%、「新たな設置、又は、すでに設置されている建物への移転を検討したい」・「興味はあるが、設置や移転を行うまでではない」が24.3%、「過去に検討したことがあるが、移転を行うまでではない」「興味はなく、設置や移転を行いたいと思わない」が26.2%であり、その他が33.6%である。 図 太陽光発電の設置・利用意向 問5-2(問5-1で「1.すでに設置している」と答えた方にお尋ねします)貴事業所が太陽光発電を設置した理由は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。    <結果・傾向> 「環境にやさしいエネルギーだから」が最も多く、それに「電気代を節約できるから」が続いている。 図 太陽光発電を設置した理由 問5-3(問5-1で「3.興味はあるが、設置や移転を行うまでではない」又は「4.過去に検討したことはあるが、設置や移転を行うまでではない」と答えた方にお尋ねします)貴事業所は、どのような情報等があれば、所有する建物への太陽光発電の設置や、太陽光発電が設置された建物への移転を行いやすくなりますか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「初期費用を軽減する補助金・助成金の情報提供」が最も多く、次いで「設置や移転の方法・手順についての情報提供」、「技術的な相談窓口や安心できるサポートサービスの提供」となっている。 図 太陽光発電の設置・利用を進めやすくなる情報等 【エネルギー使用量・温室効果ガス排出量の「可視化・見える化」】 問6-1 貴事業所は「可視化・見える化」に取り組んでいますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「興味はあるが、取り組んでいない」が38.3%で最も多く、それに「取り組んでおらず、興味もない」(22.1%)が続く結果となっている。 図 「可視化・見える化」の取組み状況 問6-2(問6-1において「2.興味はあるが、取り組んでいない」と答えた方に対してお尋ねします)「可視化・見える化」に取り組む障壁となっている事項は何ですか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。    <結果・傾向> 「取り組み方法が分からない」が最も多く、次いで「費用や手間がかかる」となっている。 図 「可視化・見える化」に取り組む上での障壁 【社有車のカーシェアリング利用への切り替え意向】 問7-1 カーシェアリングの車両台数・ステーション数は年々増加傾向にあり、一般家庭の場合、カーシェアリングを利用することで年間の燃料費比較で約10万円も得になるという試算もあり、事業所の場合、燃料費が更に得になる可能性があります。この情報を踏まえ、貴事業所は社有車の一部をカーシェアリングの利用に切り替えたいと思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「興味はなく、切り替えたいと思わない」が最も多く、次いで「社有車を持っておらず、該当しない」、「興味はある」が続いている。 図 社有車のカーシェアリングへの切り替え意向 問7-2(問7-1で「2.切り替えを検討したい」又は「3.興味はある」と答えた方にお尋ねします。貴事業所は、どのような情報や仕組みがあれば、社有車をカーシェアリングに切り替えやすくなりますか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「利用できる場所が充実する」が最も多く、それに「利用場所や利用方法の情報が分かりやすく提供される」が続く結果となっている。 図 社有車のカーシェアリングへの切り替えを進めやすくなる情報等 【緑化の推進や生物多様性への配慮の意義に対する考え】 問8-1 緑化活動や生物多様性への配慮に取り組むことで、貴事業所の本業に良い影響があると思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果と傾向> 「ある程度そう思う」が37.3%で最も多く、「あまりそう思わない」(22.6%)がそれに続いている。 図 緑化の推進や生物多様性への配慮の意義についての考え 問8-2(問8-1で「1.非常にそう思う」又は「2.ある程度そう思う」と答えた方にお尋ねします)緑化活動や生物多様性への配慮の良い影響として、具体的にどのような事項があると思いますか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。    <結果・傾向> 「自社のブランドイメージ・評判が向上する」が最も多く、次いで「環境意識の高い消費者からの支持が得られる」となっている。 図 緑化活動や生物多様性への配慮の経済・社会への影響 問8-3(問8-1で「3.あまりそう思わない」又は「4.全くそう思わない」と答えた方にお尋ねします)貴事業所で緑化の推進や生物多様性への配慮に取り組む上で障壁となっている事項は何ですか。お考えに近いもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「取組に対する効果が不明確である(具体的な成果が見えにくい)」が最も多く、それに「コストの負担が重い(新たな投資や運用コストがかかる)」、「取り組む必要性を感じない」が続いている。 図 緑化活動や生物多様性への配慮に取り組む上での障壁 【リスクコミュニケーションの取組み状況】 問9-1貴事業所では、事業活動を取り巻く関係者との環境に関するリスクコミュニケーションをどのように捉え、取り組んでいますか。あてはまるもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「必要性をある程度は認識しているが、あまり実践できていない」(35.6%)が最も多く、次いで「必要性をあまり認識しておらず、実践もしていない」(32.1%)となっている。 図 リスクコミュニケーションの取組み状況 問9-2(問9-1において「2.必要性をある程度は認識しているが、あまり実践できていない」又は「3.必要性をあまり認識しておらず、実践もしていない」と答えた方に対してお尋ねします)貴事業所が環境に関するリスクコミュニケーションに取り組む上で障壁となっている事項は何ですか。あてはまるもの全てに〇をつけてください。  <結果・傾向> 「具体的な方法がわからない(何を、どのように伝えるべきかが不明確)」が最も多く、次いで「コミュニケーションに必要な知識や人材が不足している」、「データや情報が十分に収集できていない」となっている。 図 リスクコミュニケーションに取り組む上での障壁 <その他> 問10 貴事業所は、市内で環境問題や持続可能な社会等について学ぶ機会は十分だと思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。   <結果・傾向> 「あまりそう思わない」が40.3%で最も多く、それに「ある程度そう思う」(25.1%)が続いている。 図 環境に関して学ぶ機会についての考え 問11 貴事業所の温室効果ガスの排出削減を推進する内部の体制についてお尋ねします。あてはまるもの1つに〇をつけてください。    <結果・傾向> 「専門の部署は設置しておらず、事業所内に管理者や担当者も配置していない」が76.6%と最も多く、離れて「専門の部署は設置していないものの、事業所内に管理者や担当者を配置している」(10.9%)が続いている。 図 温室効果ガスの排出削減を推進する内部の推進体制 問12 つくば市が、計画を策定・改定する際に国を上回る目標値を掲げることについて、どのように思いますか。お考えに近いもの1つに〇をつけてください。 <結果・傾向> 「達成可能性を最重要視し、目標値は現実的な値にすべき」が最も多くなっている。 図 計画策定・改定の際につくば市が国を上回る目標値を掲げることについての考え つくば市の今後の環境政策の推進に関するご意見等があれば、お聞かせください。 つくば市の今後の環境政策の推進に関して寄せられた事業者からの意見(自由回答)は37件であった。 表 つくば市の今後の環境政策の推進に関して寄せられた事業者からの意見数 <基本情報> 図 設立年 図 資本金 図 従業員数 (4)つくば市環境基本条例 平成10年10月1日 条例第23号 目次 第1章 総則(第1条―第6条) 第2章 環境基本計画(第7条・第8条) 第3章 市が講じる環境の保全のための施策(第9条―第17条) 第4章 市民等の参加及び協働による環境の保全への取組(第18条―第23条) 第5章 地球環境保全の推進(第24条・第25条) 附則 私たちは、筑波山を望む豊かな自然の恵みの下で、生命を育み、日々の暮らしを営んできた。 近年、社会経済構造の変化や都市化の進展に伴い、私たちの生活が便利で活力の満ちたものになってきている一方で、資源やエネルギーの大量消費、大量生産、大量廃棄という現象がもたらされ、それらが環境への負荷となって、自然の生態系にまで影響が及ぶようになり、私たちの生命や生活の基盤である恵み豊かな環境が地球的な規模で損なわれようとしている。 私たちは、安全で快適な生活を営むために健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を有するとともに、その環境を将来の世代に引き継ぐことができるよう環境を保全する責務を担っている。 今、私たちは、環境への負荷が人の様々な活動から生じていることを認識し、自らの生活や行動を環境への負荷の少ないものに変えていき、人と自然との共生を基本として、限りある自然を維持し、失われた自然を復元し、都市化の進展をこれに融和させ、やすらぎやゆとりの感じられる社会の創造を目指して、最大限の努力を払うことが求められている。 このような考え方に立って、市民、事業者、市の機関が一体となり、健全で恵み豊かな環境を保全するとともに、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能なつくば市をつくり上げていくため、この条例を制定する。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びにつくば市(以下「市」という。)、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の世代の市民の安全で快適な生活の確保に寄与するとともに、人類の福祉に貢献することを目的とする。 (用語の意義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。 (2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。 (3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭等によって人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。 (基本理念) 第3条 環境の保全は、次に掲げる基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり推進されなければならない。 (1) 健全で恵み豊かな環境が市民の安全で快適な生活に欠くことができないものであることにかんがみ、これを将来にわたって維持し、及び向上させ、かつ、現在及び将来の世代の市民がこの恵沢を享受することができるように積極的に推進すること。 (2) 人と自然とが共生することができる恵み豊かな環境を確保するために、樹林、農地、水辺等における多様な自然環境を有効に活用しつつ保全し、環境への負荷の少ない持続的に発展することができる社会の構築を目指すこと。 (3) 市、事業者及び市民がその事業活動及び日常生活において環境の保全を優先的に配慮し、それぞれの責務に応じた役割分担の下に、協働によってこれに取り組むこと。 (4) 地球環境保全が人類共通の極めて重要な課題であることから、市、事業者及び市民が地球環境保全を自らの問題としてとらえ、国際的な連携及び協力の下に推進すること。 (市の責務) 第4条 市は、基本理念にのっとり、環境の保全についての総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。 2 市は、基本理念にのっとり、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境への負荷の低減その他の環境の保全に積極的に努めなければならない。 (事業者の責務) 第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴うばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じる責務を有する。 2 事業者は、基本理念にのっとり、自らの責任と負担において、その事業活動に伴って生じる廃棄物の発生を抑制し、再利用等を図ることにより、その減量を行うとともに、廃棄物を適正に処理する責務を有する。 3 事業者は、基本理念にのっとり、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するよう努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。 4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。 (市民の責務) 第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活に伴う廃棄物の排出抑制、騒音の発生防止、屋外燃焼行為の自粛等による環境への負荷の低減に努めなければならない。 2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。 第2章 環境基本計画 第7条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。 2 環境基本計画は、環境の保全に関する総合的かつ計画的な目標及び施策の大綱について定めるものとする。 3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ市民の意見を反映するための必要な措置を講じるとともに、つくば市環境審議会の意見を聴かなければならない。 4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。 5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。 第8条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、各種の施策相互の連携を図りつつ環境基本計画に基づき総合的かつ計画的に行わなければならない。 第3章 市が講じる環境の保全のための施策 (公害の防止等) 第9条 市は、市民の健康の保護及び生活環境の保全のため、公害の防止に関し必要な措置を講じなければならない。 2 市は、前項に定めるもののほか、市民の健康又は生活環境を損なうおそれのある廃棄物の排出、騒音の発生、化学物質等による大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染等による環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講じなければならない。 (自然環境の保全) 第10条 市は、樹林、農地、水辺等における多様な自然環境の適正な保全に努めるとともに、野生動植物の生息又は生育に配慮し、生態系の多様性の確保に努めなければならない。 (資源の循環的利用等の促進) 第11条 市は、環境への負荷への低減を図るため、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、事業者及び市民による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの適切かつ有効な利用が促進されるよう必要な措置を講じるものとする。 (規制の措置) 第12条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講じるものとする。 (監視、測定等の体制の整備) 第13条 市は、環境の状況を的確に把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するため、必要な監視、測定等の体制の整備に努めるものとする。 (調査、研究等の推進) 第14条 市は、環境の保全に関する情報の収集に努めるとともに、科学的な調査及び研究並びにそれらの成果の普及に努めるものとする。 (国及び他の地方公共団体との協力) 第15条 市は、環境の保全を図るための広域的な取組を必要とする施策について、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。 (環境影響評価の推進) 第16条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講じるものとする。 (環境白書の作成等) 第17条 市長は、毎年、環境の状況、環境の保全に関する施策の実施状況等を明らかにしたつくば市環境白書を作成し、公表するものとする。 第4章 市民等の参加及び協働による環境の保全への取組 (情報の提供及び市民等の意見の反映) 第18条 市は、環境の状況その他の環境の保全に関する情報を適切に提供するよう努めるとともに、環境の保全に関する施策に市民及び事業者の意見を反映させるため必要な措置を講じるものとする。 (市民及び事業者との連携) 第19条 市は、環境の保全に関する施策を効果的に推進するため、市民及び事業者の参加及び協力を求める等これらの者との連携に努めるものとする。 2 市は、市民及び事業者と協力して、環境の保全に関する活動を積極的に推進するための体制の整備に努めるものとする。 (環境の保全に関する教育、学習等) 第20条 市は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに啓発活動の充実により市民及び事業者が環境の保全についての理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講じるものとする。 (市民及び事業者の自発的な活動の支援) 第21条 市は、市民及び事業者が自発的に行う緑化活動、再生資源の回収に係る活動その他環境の保全に関する活動が促進されるようにするため、必要な措置を講じるものとする。 (経済的措置) 第22条 市は、市民及び事業者が環境への負荷の低減を図るために行う施設の整備、研究開発、その他これらに類する活動を促進するため特に必要があるときは、助成その他の措置を講じるものとする。 (事業者の環境管理に関する制度の導入の促進) 第23条 市は、環境に影響を及ぼすおそれのある事業を実施する事業者が、その事業の実施に当たり、環境への負荷の低減の目標を定め、その目標の達成状況を検証し、その目標を見直すことを目的とした環境管理に関する制度の導入の促進に関し必要な措置を講じるものとする。 第5章 地球環境保全の推進 (地球環境保全の推進) 第24条 市は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護、酸性雨の調査等の地球環境保全に関する施策の推進に努めるものとする。 (地球環境保全に関する国際協力) 第25条 市は、国際機関、国、他の地方公共団体、市民及び事業者と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。 附 則 この条例は、公布の日から施行する。 (5)計画策定・見直しの経緯 表 計画策定の経緯 表 計画見直しの経緯 (6)つくば市環境審議会名簿 表 第3次計画策定時 表 第3次計画中間見直し時 第3次つくば市環境基本計画[改定版] 令和8年(2026年)4月 編集・発行 つくば市生活環境部環境政策課 〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1 TEL:029-883-1111