第3次つくば市環境基本計画[改定版]概要版(案) 令和8年(2026年)4月 〔対象期間〕 令和8年度(2026年度)から令和12年度(2030年度)まで 計画の基本的事項 〇計画の位置づけ 本計画は本市の環境行政を総合的かつ計画的に推進するため、つくば市環境基本条例に基づき策定される計画です。「つくば市未来構想」を環境面から具体化するものであり、つくば市の環境に関する計画の中で最も上位の計画と位置づけられます。 〇計画改定の経緯 第3次計画策定から4年以上が経過し、つくば市を取り巻く状況変化を踏まえ、令和6〜7年度に計画の中間見直しを実施しました。 同時期に改定作業を実施のつくば市地球温暖化対策実行計画区域施策編と一体的に本計画を改定し、令和8年(2026年)4月に計画を策定しました。 〇計画期間 本計画(改定版)の計画期間は、令和8年度(2026年)から令和12年度(2030年度)までとします。 〇計画改定の方向性 1.「環境と経済の好循環」を分野横断的な目標として新設しました。 2.教育・啓発に関する基本目標の位置づけを見直し、分野横断的な目標として再編しました。 3.評価指標を計画の進捗をより適切に測ることができるものへと再構築しました。 目指すべき将来像 豊かなつくばの恵みを未来につなぐ 持続可能都市 〜 全世代が創り育む幸せなグリーン・シフト 〜 将来像を実現するための施策体系 基本目標1 先進的な脱炭素都市を形成して気候変動に対処する 1-1 脱炭素社会の実現に向けた様々な主体の取組の促進 1-2 まち・建物の脱炭素化 1-3 交通システムの脱炭素化 1-4 気候変動への適応 基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来へつなぐ 2-1 生き物・生態系の保全・活用 2-2 都市の緑を創出し、質を高める 2-3 自然とふれあう 基本目標3 資源を賢く使う循環型社会形成を加速する 3-1 3Rの推進 3-2 廃棄物の適正処理 基本目標4 安心で快適な生活環境を次世代につなぐ 4-1 きれいな生活環境の確保 4-2 安全で安心できる生活環境の確保 横断的目標1 市民・事業者が共に環境を学び、考え、行動する 横断的目標2 環境と経済の好循環を目指す  基本目標1 先進的な脱炭素都市を形成して気候変動に対処する <将来像> つくば市ならではの強みをいかした気候変動対策が進み、市民、事業者、大学・研究機関、市が連携して取り組んで、カーボンニュートラルを目指す先進的な都市となっています。 省エネルギーへの取組や再生可能エネルギーの導入が推進されることで、まちや建物の脱炭素化が浸透し、生活を豊かにする環境技術が活用される都市となっています。 バスやデマンド型交通などの公共交通が充実し、自転車利用が快適になることで、自家用車に頼らなくても生活利便施設にアクセスしやすいまちに近づいています。 酷暑や豪雨などの異常気象・災害に対して、その影響を低減する適応策を進めることで、強靭で柔軟性のあるまち(レジリエンスのあるまち)となっています。 <指標> 温室効果ガス排出量 地球温暖化への対応を自分事として捉え行動している市民の割合 市域における再生可能エネルギーの導入量 日常利用する交通手段として公共交通を選択する市民の割合 気候変動の影響への備えに取り組んでいる市民の割合 <施策の柱/施策の方向性> 1-1 脱炭素社会の実現に向けた様々な主体の取組の促進 〇大学・研究機関や事業者との連携強化 〇市民・事業者の行動変容に向けた仕組みづくり 〇マルチベネフィットな脱炭素化プロジェクトの推進 〇環境学習・普及啓発の推進 〇地産地消の推進 1-2 まち・建物の脱炭素化 〇省エネルギー化の促進 〇再生可能エネルギーの導入促進と活用 〇徒歩やシェアモビリティ等によるアクセスしやすいまちづくり 〇公共施設の脱炭素化 1-3 交通システムの脱炭素化 〇公共交通の整備と利用促進 〇自転車利用の推進 〇自動車利用の脱炭素化の促進 1-4 気候変動への適応 〇気候変動と関連する災害による影響の低減 〇気候変動の中での健康の維持 〇気候変動から農業を守る 〇水資源に関する適応 〇緑の保全と緑化の推進 基本目標2 豊かな自然環境・生物多様性を未来へつなぐ <将来像> 筑波山をはじめとする山々、牛久沼などの池沼や河川、里地里山などの美しい景観が維持されるとともに、生き物の生息・生育地の連続性が保たれ、在来の多様な生き物が息づいています。多くの人々は自然の恩恵を実感しており、つくば市の重要な自然を理解し、大切に思いながら生活を送っています。 貴重な自然や緑豊かな街並みが将来にわたり守られるよう、市民や事業者も協働して、筑波山地域ジオパークなどのつくば市ならではの特徴をいかしつつ、ネイチャーポジティブ(自然再興)を推進し、平地林や農地、公園、庭の緑、水辺などを守り、育て、ふれあい、活用する取組が進んでいます。 <指標> 自然環境や資源の保全・活用の市民満足度 自然共生サイトの認定箇所数 都市公園面積 まちなかで適切に管理・手入れされた緑を目にする頻度が増えたと感じる人の割合 自然体験施設利用者数 <施策の柱/施策の方向性> 2-1 生き物・生態系の保全・活用 〇陸域及び水域に生息する守るべき生き物の保全のための生息・生育状況の把握 〇森林の維持・保全 〇外来種対策の推進 〇生物多様性つくば戦略の実行 〇筑波山・宝篋山の保護管理 〇山・川などの眺望の維持 〇里地景観の維持 2-2 都市の緑を創出し、質を高める 〇都市公園・緑の管理 〇都市域の緑の確保 〇市民参加による緑化活動 〇開発に伴う緑地の減少を抑制 2-3 自然とふれあう 〇自然体験施設の活用・運営 〇里山や水辺の活用 〇筑波山地域ジオパークの活用 〇グリーンツーリズムの推進 基本目標3 資源を賢く使う循環型社会形成を加速する <将来像> 市民や事業者、市が地球の資源の有限性を認識しており、地域で最適な生産・消費が行われることで、資源の浪費はほとんどなくなっています。 市民、事業者、行政の協働により資源の浪費がなくなるだけでなく、ごみの発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)という3Rを推進することで、“ごみ”という概念がなくなるくらい資源循環される仕組みができ、資源効率性が高まっています。 <指標> 1人1日当たりの最終処分量 1人1日当たりの生活系ごみ排出量 1日当たりの事業系ごみ排出量 一般廃棄物のリサイクル率 <施策の柱/施策の方向性> 3-1 3Rの推進 〇循環型社会形成の加速に向けた普及啓発 〇市民によるリデュース・リユース・リサイクルの促進 〇事業者によるごみ減量化の促進 〇食品ロス削減の推進 〇資源有効利用の推進 3-2 廃棄物の適正処理 〇廃棄物の適正な処理 〇つくばサステナスクエアの適正な施設維持管理 基本目標4 安心で快適な生活環境を次世代につなぐ <将来像> 静かで清潔なまちの中で、清々しい空気、清らかな水を享受した、穏やかで質の高い暮らしが営まれています。 市民や事業者、市が「きれいなまちづくり」を進める取組を協働しながら進めたことで、不法投棄やごみのポイ捨てがなくなり、快適で心地よい生活環境になっています。そして、大気汚染や水質汚濁、騒音などの公害や健康被害を防ぐため、法令に基づく基準が遵守されるとともに、さらなる低減を図る事業者も多くいます。 <指標> 〇生活環境対策に満足と答えた市民の割合 〇環境美化ボランティア活動参加延べ人数 〇苦情解決率 <施策の柱/施策の方向性> 4-1 きれいな生活環境の確保 〇市民・事業者による美化活動 〇ごみの散乱防止・不法投棄対策 4-2 安全で安心できる生活環境の確保 〇良好な大気・水・土の確保 〇騒音・振動の防止 〇上下水道の維持・管理 〇農業における環境配慮 〇有害化学物質の適正な管理 〇野焼き対策 横断的目標1 市民・事業者が共に環境を学び、考え、行動する <将来像> 市民一人ひとりが、環境について楽しく学び、家庭や職場、地域、学校において、つくば市や地球の環境が日常的に話題になり、環境保全の取組が市域に広がっています。 市民や事業者の身近に環境について学ぶ機会があり、つくば市の現在や未来を担う人たちの環境意識がさらに高まっています。 <指標> 環境配慮行動を行っている市民の割合 環境問題について学ぶ機会が十分だと思うと答えた市民・事業者の割合 <推進方針> 1.持続可能なライフスタイルの推進 多くの市民が環境について意識し、関心を持って取り組むきっかけとなるイベントを開催 環境に関する情報を分かりやすく提供・共有し、市民の選択肢を増やす 2.環境教育・学習の推進 子どもや大人が身近な環境について学び、体感し、理解を深める 事業者が従業員教育を進め、地域での教育活動にも協力 横断的目標2 環境と経済の好循環を目指す <将来像> 環境に配慮した事業活動や環境に優しい消費行動が広がり、環境価値が積極的に評価されています。 つくば市の持つ豊かな地域資源を活用し、環境を軸とした新たな取組やビジネスの創出が図られています。 環境に配慮した経済活動が、地域社会の活性化につながり、環境保全と経済成長が互いに良い影響を与え合っています。 <指標> 環境に配慮した活動が事業に好影響を与えていると考えている事業者の割合 環境に配慮した製品・サービスに関連する事業を行っている市内のスタートアップ登録企業数(累積) 単位生産額当たりの環境負荷率(ごみ排出) 単位生産額当たりの環境負荷率(電力消費) <推進方針> 1.環境配慮行動・活動が広がりやすい基盤の形成 市民・事業者の環境配慮行動・活動を社会的に共有する仕組みを整備 脱炭素化、生物多様性の保全、資源循環などの取組を短期的な経済的メリットだけでない視点で評価する価値観を醸成 2.環境を軸とした新たな取組の創出 市内の大学・研究機関や事業者との連携を強化し、地域資源をいかした新たなビジネスや取組を創出 地産地消の推進や環境技術の普及展開など環境を起点に新たな価値を生み出す取組やビジネスを積極的に支援 3.環境保全と経済成長の統合的向上 環境保全が経済を活性化させ、環境に配慮した投資が活発に行われることで新たな環境保全につながるよう、脱炭素化・生物多様性の保全・資源循環を統合的に推進 環境意識の高い消費者からの支持とブランドイメージ・評判を高め、地域に環境価値と経済価値を同時にもたらす 計画の推進体制 進行管理の考え方 PDCAサイクルを確立し、継続的な計画の進行管理を行います。 点検・評価は、本計画で設定した指標を用いて実施し、結果をつくば市環境審議会に報告し、審議を行い、改善・見直しにつなげます。 第3次つくば市環境基本計画[改定版]概要版 令和8年(2026年)4月 編集・発行 つくば市生活環境部環境政策課 〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1 TEL:029-883-1111