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平成28年12月議会における市政運営の所信

ページ番号1002251  更新日 平成30年1月5日

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皆さま,こんにちは。
多くの皆さまのお力をいただき,11月17日をもって第9代つくば市長に就任いたしました五十嵐立青です。初代倉田弘市長,木村操市長,藤澤順一市長,そして12年間つとめられた市原健一市長の4人の市長,そして多くの偉大な先人たちが築いてきた23万都市のつくば市政を担う重責を,この議場にて今あらためて強く感じています。
12月議会定例会の開会に当たりまして,ごあいさつと,私の所信の一端を申し上げます。

市民第一の市政

4年前の市長選挙の落選は,多くの学びと気づきをもたらしてくれました。自分の力を過信して傲慢になっていたこと,地域の現状を知らなかったこと,そして,私を支えてくださる皆さまのありがたさ。この4年間はかけがえのないものでした。
この間,地域を歩き,各地から,悲鳴のような声を聴いてきました。商店街がシャッターだらけ,バスが不便,街灯が少ない,若い人がいなくなってしまった,中心部ばかりが発展しているといった声を聴きました。
しかし,発展しているはずの中心部でも,西武百貨店の撤退,学童クラブに入れない,保育所が足りない,施設の老朽化といった数多くの課題があります。
市民が私を市長に選んだ思いはただ一点,市民第一の市政への変化を望んだからです。市民の生活をみてほしい,派手なことばかりを追い求める前に,声にならない声を聴いて欲しい。そんな声,そして思いによって私は選ばれました。
本日は,私が掲げる重要施策を交えながら,市民第一の市政へと変えるための私の市政運営の3つの基本的な考え方をお示しします。

立ち止まる勇気を持つ

まず第一に,「立ち止まる勇気を持つ」ということです。
私は,総合運動公園問題について,どこで何が決定され,どう進められたかを検証し,この問題の完全解決を目指します。現在,総合運動公園問題を検証する第三者による調査委員会を立ち上げる準備をしております。この検証の目的は,決して犯人捜しではありません。問題の検証を通して課題を明らかにし,それを反面教師として,大規模施設の建設などを始めとする市政の重要施策の決定についてのルールを作り,それを行政経営の指針とし,行政経営の適正化・透明性の向上を図っていくことが重要だからです。実際に,就任してまだ3週間足らずですが,何件もの大型案件が動いています。総合運動公園問題の際にしばしば言われた「10年以上前に決定した計画を基にしている」「こどもたちのため」「地域のみんなが望んでいる」といった声と同じ種類のことが複数の事業で言われています。
行政には,しばしば無謬性(むびゅうせい)の神話の問題が指摘されます。無謬,つまり,行政は間違わない,ということです。行政は正しいことをしている。市民の要望を受けて進めている。みんなが望んでいる。施策はうまくいっている。そういう主張は,私が初めて議員になった12年前も,今も,変わらず続いています。総合運動公園計画が「平成12年に計画されたものだから作る」「市民が望んでいるから作る」と主張されていたことは記憶に新しいところです。その市民が望んだはずの計画が,8割の反対にあったことを我々は忘れてはなりません。
私は先日の庁内の会議で職員に「立ち止まる勇気を持って欲しい」という話をしました。行政の無謬性から解放されて,もう何年も前に要望を受けていたから進める,検討を始めてしまったから作る,決定してしまったから進める,という文化を変えていかなくてはいけない。行政も間違います。政治家も間違います。私など間違ってばかりです。その間違ったことを認め,振り返り,今の時点で何が必要なのかを考えていく。そんな立ち止まる勇気を持った市役所に変えていくことを約束します。

オープンに変化をする勇気を持つ

2つ目の約束は,「オープンに変化をする勇気を持つ」ことです。
開かれた行政経営をし,持っている情報を隠すことなく,積極的に公開し,共有していきます。今,どこでどんな議論が進んでいるのか,ブラックボックスの市政ではなく,市民の皆さまにも議会の皆さまにも,その経過も含めて随時共有をしていき,そこに関わっていただく。すべてを明らかにするのは勇気がいることです。悪い点があれば指摘をされる。しかし,市民第一の市政を実現するためには,そこは避けて通れません。すべてをさらけ出し,ためらわず変えて行く。みんなでオープンに議論をすることで,市政は前進していきます。
ほんの一例ですが,就任後に議員の皆さまからご要望のありました指定管理者の選定過程については,ホームページに掲載することを決定しました。また,パブリックコメントの締め切りが12月31日になっていることについて,市民から,仕事始めまで延長すればよいとの指摘を受け延長しました。どちらも,極めて小さいことです。
でも,私は,小さいことほど大切だと考えています。市民からの声,議会からの声,こうした声を改善に活かすことができれば,まちは確実に変化をしていきます。つくば市役所の職員は1,700人,各担当課は数人から数十人,個別の政策になれば担当している職員は一人しかいないことも珍しくありません。職員はみんな,課題山積な市政で大変な努力をしています。それでも,一人でやっていれば気づけ無いことが多いのは当然です。市民の声,議会の皆さんの声を市政に反映させていく。一つの施策を一人で見るのではなく,23万人の目で見て改善していけば,必ず市民第一の方向へつながっていくものと確信をしています。

よりそう勇気を持つ

3つ目は「よりそう勇気を持つ」ということです。
立ち止まることも,変化をすることも,すべては市民によりそうためです。市民第一の市政とは,市民によりそうことに他なりません。しかし,市民によりそうことは簡単ではありません。その声を聴き,相手が何を望んでいるかを深く理解し,コミュニケーションを取る必要があります。市民のためによいことが,財政面から,あるいは人手の面から,市にとっては大きな負担となることもあるかもしれません。
私の重点公約の一つの地域担当部局は,行政効率の面からみれば,負担の大きなものかもしれません。大規模化し,集約することで一見効率は上がります。しかし,効率のみを考えた政策は,効果の面で不十分であることがしばしばあります。各地域の声を吸い上げ,解決につなげていくための地域担当部局に人と予算を割くということは,確かに負担が掛かることであり,この研究学園にある市庁舎にいれば余計なお金も人も使わなくても済むかもしれません。しかし,市役所に来ることができない人も多くいます。広大なつくば市のすみからすみまでを,この市庁舎にいて見ることは不可能です。まして,ここにいては地域の温度を感じることもできません。どんな課題があるのか。どんな解決策があるのか。そして,その地域にどんな可能性があるのか。
「地力(ちりょく)」という言葉があります。「土地の力」と書きます。長い風月にさらされ,残ってきたその地が持つ力,魅力,空気,温度。効率ばかりを求める行政は,一方でそういった「地力」の存在を見失っていたようにも思います。地域に根を張り,よりそうことで,もう一度つくばの可能性を見つめ直していくことも,地域担当部局が目指すところです。そこから,効果的な政策が展開をされていくことで地域が再生していくきっかけを作る。
大規模集約化というのは,もはや周回遅れの発想になっているということを我々は勇気を持って示していきたい。その中で,私は温かさややさしさが,毛細血管のように市内のすみずみまで行き渡る市政を目指していきます。

世界の明日が見えるまち

2016年,国内のみならず,世界中の自治体が,少子高齢化をはじめ多くの困難な問題を抱えています。そしてそれらに対して,答えを見出している自治体はまだありません。私が掲げる,つくばのヴィジョンとは「世界の明日が見えるまち」です。
つくばを見れば,世界中の問題の解決策のヒントが得られる,困ったときはつくばを見てみよう,訪れてみよう。なぜならそこでは,多くの問題が市民の知恵と汗によって解決の方向に進み,市民が幸せに暮らしているから。そんな風に言われるつくばを目指します。世界の明日は,つくばを見ればいいんだ,と言われるような,数多くの「つくばモデル」を作りつくば市を発展させたいと考えております。
そのために,山積する困難な課題に対して職員とともに取り組んでいきます。つくば市の職員は,まじめで,誠実で,優秀です。先日の会議で,ある職員はこれまで進めてきた茎崎庁舎の跡地の計画に,「本当に市民が望んでいるのかなと疑問に思った」そんな正直な発言を上司の前でしてくれました。立ち止まる勇気を持つこの発言に,そして上司の前で本音を話してくれる勇気に,私は心から敬意を表します。パブリックコメントの日付けの修正は,私が職員に話をした日曜日の翌日の月曜日には,もう日程が変更されていました。ためらわずスピード感を持って変化する勇気を持つ職員が数多くいます。そして多くの職員から,市民によりそうために何が必要か,ということについての提案や相談があります。
私は,この勇気を持つ職員とともに,市民第一の市政実現に向けて選挙公約の「徹底した行政改革」「安心の子育て」「頼れる福祉」「便利なインフラ」「活気ある地域」「誇れるまち」の6つの柱と,25分野82項目の政策の実現に向けて努力していきます。

つくばはひとつ

私はこれまで,世界で20カ国以上の国を歩き,正確に数えてはいませんが軽く100以上の都市を訪れました。しかし,つくばほど魅力のある都市に出会ったことはありません。名峰筑波山をいただき,美しい農村があり,世界最先端の頭脳もある。こんなまちはない。つくばにはもう,すべてがそろっています。足りなかったものがあるとすれば,それは政治のリーダーシップです。
しかし,それも過去のものとなりつつあります。つくば市政においては,問題意識を持つ議員の皆さまによって,運動公園の予算が凍結され,住民の思いを受け住民投票の実施が決定され,結果として総合運動公園計画を白紙撤回に導きました。二元代表制の一翼を担う議員の皆さまと,緊張関係を持ちながら建設的な議論をすることで,つくばは必ず前に進むと確信しています。

つくばはひとつです。
つくばの政治の世界では「旧住民」「新住民」といった言葉が使われ,中心部と周辺部の対立構造や選挙での勝者側と敗者側の浮沈を繰り返してきました。しかし,不毛な争いはもう終わりにしましょう。差し迫る,深くて複雑な課題を前にして,我々にはそんな猶予は残されていません。
私は対立構造を超えて,「ひとつのつくば」に向けて市政運営を行います。私は,新住民でも旧住民でもありません。父の仕事でつくばに移り住んできて生まれた,つくば市民です。先人たちが築き上げてきてくれたつくばを,責任世代の政治家として次の世代に責任と誇りを持って伝えていくために,全身全霊をかけ市長職を全うすることをお誓い申し上げ,所信といたします。皆さまのご指導をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

平成28年12月5日 つくば市長 五十嵐立青

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市長公室 政策員
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